Simple Happy Life

毎日毎日。ごはん作って。ごはん食べて。笑って、怒って、泣いて。そしてまた笑って。そんなフツーの日々の記録です。

『博士の愛した数式』

2009年10月14日 | 好きなもの(本)
先日、速読の読書訓練で使用した本です。教室で100頁ほど読み。
ホントなら、続きは次回へ繰り越すトコロなんですが。

すぐに続きが読みたい気持ちと、
もっとじっくり味わいたい気持ちに抗いきれず。
それとちょっとした予感もあって、ふらりと立ち寄ったBook-offで購入。
即、読み終えてしまいました。

ちょっとした予感とは…?「これは教室で読んじゃいけない本だ」

  理由:泣いちゃうだろうから

で、自分でも笑っちゃうほど泣きましたw

もともとわたしは子どもの頃から、ごはんを食べながら、
テレビで『みつばちハッチ』を観て泣くのが常という泣き虫で。
あぁ人前で読まなくてよかったーw


今さらわたしが書くまでもないんですが。
とても気持ちが動いてしまったので少しだけ。

小川洋子さん作。
ご存知のとおり、寺尾聡さん主演で映画化もされています。

交通事故で受けた脳の損傷で、80分しか記憶がもたない元数学者と
その家に家政婦として働くことになったシングルマザーとその息子が
ともに過ごしたある季節の記憶。

彼らの、なんでもないけれど大切な日常の出来事の中で浮かび上がる
人間の持つ俗で崇高な矛盾した感情が、絶対真理である数式という
かたちをとって美しく愛すべきものとして描かれていく。

春から夏、秋へと移り変わる、光の彩度や、風のにおいまで
肌で感じられるような美しい文章。
季節の移ろいと人の気持ちの動きが重なる。

誰もが抱える、日常のふとした出来事の狭間に生まれる想い。
どんな言葉をもってしても表現しきれない気持ちを抱えた瞬間の自分を
その美しい文章の中に再現して見せてくれる、そんな作品でした


それにしても…素数、完全数、友愛数、π、log、sin、cos、tan…

これらの意味をかつては知っていたということについては自信はあるのに
今となってはそれが何のコトやらまるで分からない…
忘れてしまえるというコトは、幸せでもあり。悲しくもあり。。。じっと手を見る。


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