潮待小屋

Catch & Eat

 
10月某日 釣果:セイゴ2匹

一宮川河口へ、フッコを狙って出かけた。
朝4時、釣り場に到着。まだ真っ暗だ。
河口にかかる橋を渡って左折、河口に向かって右側の岸沿いをゆっくり下流に向かって進む。
しばらく進むと、車が4~5台止められる駐車スペースがある。
もうこの先はすぐに海だ。



車を止め、タックルの準備を始める。
ロッドは11フィートのシーバスロッド、リールは3000番のスピニングリール。
ラインは16ャ塔hが巻いてある。
そしてこれに、1本針の胴付き仕鰍ッを結ぶ。
餌は、青イソメの房鰍ッ。

潮はちょうど満潮から下げ潮に移った頃合だ。
水はゆっくりと河口に向かって流れている。
対岸に向かって仕鰍ッをキャストし、ゆっくりと流心を横切るようにさびいてくる。
これを何度も繰り返す。

やがて、ロッドを持つ手元にゴンゴンッと伝わる明確なアタリ。
フッコだ!
左右に走り回り、エラ洗いも見せてくれたのは約40センチのセイゴ。
まずまずのサイズだ。
その後も30センチ強のセイゴを1匹追加した。

日が昇り、私が片付けをしているところへ、河口の導流堤の方から一人のルアーマンが戻ってきた。
ルアーは、アイマの「コモモ」を結んでいる。いい選択である。

「どうですか?」と訊かれて、「セイゴが2匹です」とバッカンの中を見せる。

「へえ、いい型じゃないですか。僕は堤防のところで粘ったんだけどダメでした。こっちで釣ればよかったなあ。ところで、ルアーはなんですか?」

え?ルアー?
なんのこと?

彼は私のいでたちと手にしているタックルを見て、ルアーで釣ったとカン違いしているらしい。
「あ、いやその、あれですほら、いわゆるヘビーダウンショットリグみたいなやつで、生ワーム付けて・・・。」
などとわけのわからないことをあわあわと口走る私。
彼は、「????」という顔をして去っていった。

釣り場では結構こういうことがある。
勝浦では、シーバスロッドでアジのカゴ釣りをしているところへルアーマンから声を鰍ッられ、お互いに苦笑したこともある。

私は餌釣りもルアー釣りも両方好きだ。
スタイルにはこだわらず、道具も使いまわしている。
磯竿でメジナを狙っているときに沖合いにナブラを見つけ、メタルジグに速攻結び替えて投げることもある。
魚を獲るという行為において、どちらも本質的には変らない。
その時々のシチュエーションにおいて、最も合理的と思われる方法を選ぶ。
それだけのことである。主義主張なんか、別に無い。

「キャッチ・アンド・リリース」という言葉がある。

かつては、ルアーフィッシングやフライフィッシングはひとつの「スメ[ツ」であり、「キャッチ・アンド・リリース」の精神は自然を愛し、保護する文化性の現れだ、などとしたり顔で語る鼻持ちならないスノッブ連中が結構いたものだ。(さすがに最近はいなくなったと思うが。もしいたら蹴っ飛ばしてやろう。)

若き日の私はこれに対して大いに異論があり、「食べもしないのに必要以上に魚を釣って傷つけ、弱らせてから放流することの何処が自然保護だ。うそつき。」と食ってかかったものである。
今でもそう思っている。欺瞞だ。

釣りとは、所詮「狩り」である。
高尚も野蛮も無い。そんな議論はナンセンスだ。

私は、家族の胃袋に収まる分だけ釣る。
それ以上は要らない。

(2002年10月)

  

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