日の出、日の入りの前後の時間帯。
魚の活性が高くなるといわれる時合い。
皆さん、どのように表記しておられるだろうか?
私は今まで、「まずめ」「マズメ」と書いてきた。
しかし、世間では「まづめ」という表記も多く使われている。
むしろ、こちらの方が多いかもしれない。
ネットで検索してみると、「日の出、日の入りまでの時間が詰まっていること="間詰め"が語源」という実に説得力のある解説がなされている。
他にも、「太陽と水平線の間が詰まる」とか、「獲物との間を詰める」などの諸説があるようだ。
むむむ。そうなのか。
私は間違っていたかもしれない。
某釣り用品メーカーのアルファベット表記は大丈夫なのか・・・?
いやいや、ネット情報を鵜呑みにしてはいかん!と気合を入れてさらに調べてみると、国語辞典では「まずめ」という表記が主流らしいということがわかった。
さらには、「まじめ」「まじみ」という言葉があることも。
まじめ(沈静の意。漁村語)
黎明と朝、夕方と黄昏との境目をそれぞれ朝まじめ・夕まじめという。この時刻は深海の魚類も水面に近く浮くので、好漁の潮時。まずめ。まずみ。まさめ。
『広辞苑・第五版』岩波書店より
まじみ【方言】
(1)朝夕の薄明時。日の出、日の入りのころ。《まじみ》三重県北牟婁郡、和歌山県《まじめ》兵庫県赤穂郡、山口県玖珂郡
(2)夜の明け方。《まじみ》徳島県伊島《まじめ》徳島県
(3)夕暮れ時。《まじみ》三重県北牟婁郡、和歌山県西牟婁郡・東牟婁郡《まじめ》愛媛県、鹿児島県種子島《まじめき》群馬県多野郡
(4)時刻の境。《まじめ》山口県玖珂郡
『日本国語大辞典・第二版』小学館より
ああ、よかった。
間違いではなかったらしい(笑)。
とはいえ、語源や漢字表記は結局わからずじまい。
古典文学に登場するような貴族言葉と違い、漁師言葉をとり上げる研究者は少ないのだろう。
もしかすると、西日本の「まじめ」が本来の形で、「まずめ」は東日本訛りなのかもしれない。
どなたかご存じの方がいらっしゃれば、ぜひ教えてくださいませ。
ついでに、朝夕の「まずめ」に相当しそうな他の日本語の語源もいくつか調べてみた。
<朝まずめ>
「あかつき」
"明時(あかとき)"。明るくなるとき。
「あさまだき」
朝+"まだき"(未だその時点に十分達していないこと)。
「しののめ」
篠の目。篠窒ナ編んだすだれの目から薄明かりが漏れる頃。
「あけぼの」
"明け"+"仄か(ほのか)"。
「あさぼらけ」
"朝・開き"、"朝・ほの・明け"、"朝・おぼろ・明け"など諸説。
「かはたれどき」
"彼は誰時"=薄暗くて他人を識別するのが難しい時間帯。おもに朝を指す。
<夕まずめ>
「ゆうまぐれ」
"夕"+"目(ま)"+"暗(ぐれ)"。"夕間暮れ"は当て字。
「たそがれどき」
"誰そ彼時"=薄暗くて他人を識別するのが難しい時間帯。おもに夕方を指す。
「おおまがとき」
"大禍時"=大きな災いの起こりがちな薄暗い時間帯。"逢魔が時"は当て字。
「朝まずめにアジを釣った」といういつもの事務的な文章も、「朝ぼらけにアジを釣った」と言いかえてやるだけでにわかに文学的な響きを纏い、早朝の景色が鮮やかに脳裏に浮かんでくるから不思議である。
日本語って、面白い。
一日釣りをして、遊び疲れて帰宅する夕方の時間帯は、「おおまがとき=大禍時」。
交通事故が多くなる時間帯だ。
皆様、くれぐれもお気を付けて、安全運転でお帰り下さいませ。
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