愚な教育学部の学生は元気でしょうか?
前回の色・受・想・行・識の5つの集まり、つまり五蘊(ごうん)に分類でき、それらが互いに関連し合い心が動いているのであって、心は自分一人で如何する事も出来ない!。
つまり、他の存在があって(色)、自分の存在を示す身があり(受・行)、それらを感じる心(想・識)から成り立ち、色の変化に伴い、心も変化する。
だから、色の変化が判らない孤独な状態では心が自由に動けず人は苦痛を感じる。
また、人は自分があると思っているが、それは単に自分の都合の良い物を選んでいるだけに過ぎない。自から何かを感じて、自から他のものの為に働く事はない。
なぜならば、人は人として生まれながら、人間の体と生理的欲求を持っている以外、善・悪の区別・社会で生きる為の常識は知らず、育つ過程で親などから学び、自らは知ろうとせず、楽しい事だけ追い求めているからだ!
早い話が人は基本的に自分の事(苦・楽)以外に心を動かさない生き物です。だから、集団の中で生活するには”縁”が大事だとお釈迦様は言っている。
次回は五蘊(ごうん)をもう少し、堀り下げます。では法華経の譬喩品をどうぞ!
舎利弗に告げた
「私も、またこの長者と同じだ!大地を制する神々の中で佛と崇められる者であり、世間の人々の父である。すべての衆生はこれ皆、我が子であり、この子らは深くこの世の楽に執着し、真理を悟る心を持つ事が無い。
彼らの三界は安ぎを得る事が無く、なお火宅のようである。様々な苦が充満して、甚だ畏怖する所である。常に生・老・病・死の悩みや苦しみがあり、これらの火は盛んになり休まず。
如来はすでに、三界の火宅を離れて一人寂しく、俗世から離れた静かな処に座し、林野に安住する。今、この三界は皆、これらは私に悩みをもたらす有であり、その中に住む衆生はすべてが我が子である。
しかも、今住み着いている所は色々な困難にあって悩む事が多く、ただ、私一人のみ、これを治療することが出来る。しかし、私が教え伝えようとしても、これを信じて、教えを受け入れる事はない。
様々な欲に染まっている者達は欲に執着することが深い為、この事より方便を用いて、そして、その為に、三乗を説いて様々な衆生に三界の苦を自覚させ、変化してやまない迷いの世界(世間)からの脱出の道を開示し、演説する。
この諸子等が、もし、心を決めて、定めれば三明及六神通が備わり、縁覚不退の菩薩に成り得るのです。
汝、舎利弗
私は衆生の為に、この比喩を以って、一佛乗を説く。お前達、もし、この言葉を信じて、教えを受ければ、すべての者、皆は佛道を成就する事が出来る。
この乗(救いの道)は言葉に出して言い表せないほど優れたもので、心の汚れを清浄する、一番の法であり、様々な世間において、この法より優れたものは無い。佛が悦び認めた所、すべての衆生が賞賛し、供養し、礼拝すべき所である。
また、数限りない億千と言う数の力・解脱・禅定・智慧・佛の他の法があり、これらの乗(救いの法)を得て、諸子等を何時でも、好きな時間に遊ばせる事が出来た。
諸の菩薩及び学者達とこの宝乗に乗せて、直ちに道場に至らしめる。この因縁をもって、十方に諦めて他の法を求めたとしても、佛の方便を除けば、他の救いの道は無い。
・三界
心をもつものの存在する欲界・色界・無色界の三つの世界
・有(う)
存在。存在物。事物。実在
・三有
欲界・色界・無色界の三界のこと。また、三界に生きるもののことで、苦が存し、生死輪廻(しようじりんね)のある世界また、現在の生である本有(ほんう)、次の生である当有(とうう)、その中間の状態である中有(ちゆうう)の総称。
1.欲有;欲界の生死(本有)
食欲・貪欲など欲望のある世界。六欲天・人間界・八大地獄のすべてを含む。
2.色有;色界の生死(中有)
四禅を修めたものが死後に生まれる世界で、初禅天から四禅天の四つに分かれる。淫欲・貪欲(とんよく)などの欲を脱しているが、まだ物質の制約を逃れていない世界
3.無色有;色界の生死(当有)
物質や物質的な思いから解き放たれ、受・想・行・識の四蘊(しうん)のみから成る
・四有
一回の輪廻の生死を四つに区切ったもので、一つの生が経る四つの段階。
1.生有(しようう)
生命の出現する瞬間である状態
2.本有(ほんぬ)
生存している状態
3.死有(しう)
死ぬ瞬間である状態
4.中有(ちゆうう)
次の生を得るまでの状態
・四禅とは
色界における四つの段階的境地で、欲界の迷いを超えて色界に生ずる四段階の瞑想をいいます。それぞれの禅定は、
初禅=覚・観・喜・楽・一心の五支よりなる
第二禅=内浄・喜・楽・一心の四支よりなる
第三禅=捨・念・慧・楽・一心の五支よりなる
第四禅=不苦不楽・捨・念・一心の四支よりなる
・三明(さんみょう)
自他の未来を知る天眼通、自他の過去を知る宿命通、煩悩(ぼんのう)を断って明智を得る漏尽通の三つの能力。過去と未来を知った上で、現在を悟り一切の煩悩を断つこと。
・六神通
六つの超人的な能力。神足通・天眼(てんげん)通・天耳(てんに)通・宿命(しゆくみよう)通・他心通・漏尽(ろじん)通のこと
今日はこの辺で終り、