普段から太管しか吹いていなければ身体の方が慣れて来るので、その大変さは感じなくなるのではないかと思いますが、普段は細管メインでたまに太管吹くような場合は、もう本当に大変。「なんでこんな大変な楽器を吹かんといかんのかの~
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で、最近また太管を吹き始めて改めて感じたことは、太管の楽器はやはり大編成のオーケストラ向けの楽器なんだということを再認識しました。キャパシティーの大きいコンサートホールを豊かに響き渡せるために設計された楽器なのだと思います。逆に言うと室内楽やソロでは太管ではなく細管の方がより繊細な音楽表現が出来るのではないかと思います。これは僕の個人的な見解ですが、特に古典作品においては太管ではなく細管の方がより当時の作曲家がイメージしていたトロンボーンの音色に近いのではないかと思います。なぜならば、太管トロンボーンが開発されたのはつい最近のことで、トロンボーンという楽器はずっと細管であったからです。
しかし最近はジャズ系の奏者でも普通に太管テナーバスを吹きこなす人もいて、これは本当に凄いと思います。高速テンポの曲などでは、軽快な吹き回しとクリアな音の粒立ちが必要とされますが、そのような場面においてもあえて太管を使うというのはもの凄く勇気がいります。僕なら絶対にジャズでは太管は使えません。太管の響きの豊かな音色は大好きですが、体力的な危険を犯してまでもジャスで太管を使う気にはなりません。決してジャズで太管を使うのが悪いということではなくて、少なくとも僕は怖くてジャズでは太管は使えない、という意味です。
あと、レコーディングで太い音のトロンボーンにしようと思って太管で吹いてみたりしたことがありますが、録音した音を聴いてみると細管も太管も音色の差はほとんど全くと言っていい程、その違いは出ませんでした。レコーディングでは楽器の違いよりもマイクやその他録音機材の影響の方がはるかに大きいので、あまり細管、太管にこだわる必要はありません。これもまた個人的な見解ですが、レコーディングにおいては、より繊細で細かなニュアンスを出しやすい細管の方が有効なのではないかと思います。
クラシックのトロンボーンは太管テナーバスを使うもの、という考えが世界の常識となっていますが、クラシックでも曲によって(古典作品など)ではあえて細管で演奏する機会があっても良いのではないかと思います。細管を選択した方が作曲家のイメージをより再現できる場合もあるのではないかと思います。
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