喜望峰Finaleのサックスにチャコールカラーやアンティークカラーという仕様の楽器があるのですが、その見た目の渋さに惹かれてしまい、フリューゲルでもこの仕様の楽器を作ってもらえないものかと、喜望峰の社長さんにお願いして特注で作ってもらいました。発注後3ヶ月ほどで出来てきたのですが、その完成度たるや、今まで手にした楽器の中でもダントツの出来映え。「いい仕事してるねぇ~」とは、まさにこの事。
金属の材質は真鍮ではなく青銅製(正確には青古銅というそうで、言ってしまえば、お寺の鐘とだいたい同じ材質)。真鍮製の楽器とは違った、なんとも言えない味わい深い響きがします。仕上げはアンティーク風に金属表面にブラシで細かく傷を付けてあるのですが、実に丁寧な手作業による加工によって、芸術的(骨董品的?)美しささえ漂わせています。職人さんの意気込み、温もりがひしひしと伝わってきますね。
去年購入した同じく喜望峰Finaleのサテンゴールドのフリューゲルも、とても素晴らしい楽器だと思っていたのですが、今回のこのアンティークカラーは、それを更に上回る出来映え。音色は極めてダークかつ太く柔らかい響き。どんなフレーズを吹いても意味深で説得力のある渋い音がします。見た目的にも音色的にも完全にジャズ向けの楽器ですね。やっぱりフリューゲルは限りなく暗くジャジーな音が良いですねぇ。
今回このフリューゲルを手にして改めて思ったのは、もう中国製楽器とかわざわざカテゴリー分けするのが申し訳ない位、素晴らしい仕事をするメーカーだと思いました。この楽器の完成度の高さは、欧米、日本などの有名楽器メーカーでも成し得る事が難しいレベルだと思います。ある意味、管楽器として最も良いとされているニューヨークバックや、アメリカンセルマー時代の楽器と同じ息吹さえ感じます。
しかし、トロンボーン奏者でここまでフリューゲルにこだわる人というのもホント珍しいですよね。自分でもそう思います。この楽器を入手してからというもの、ますますフリューゲル熱上がってます。
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樋口
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