『春は始まりのうた マイ・ディア・ポリスマン②』小路幸也18(祥伝社2018/10/20)
夜空に浮かぶのは満開の桜と白いお化け!?
東楽観寺前交番に赴任して三年目の巡査宇田巡。
彼のもとに幼馴染みで音楽事務所社長の市川公太がやってきて、白い化け物に出くわし荷物をとられたと言う。
実は似た訴えはこれで三件目。巡は捜査を開始する。
一方、巡の彼女で伝説の掏摸の孫にしてマンガ家デビューをしたばかりの
楢島あおいは高校の卒業式の帰りに巡を見張っている男がいることに気づく。
身許を確かめようとしたところ、その男の懐にあったのは警察手帳だった。
犯罪者が判るお巡りさんと伝説の掏摸の血を受け継ぐ美少女マンガ家、
超絶記憶を誇る兄弟に新たな凄ワザメンバーが登場。シリーズ第2弾
・<芸術は完成しない>って言葉が、すごく納得できた。
マンガや小説や商業作品を完成させるのは実は締切なんだってことが、肌でわかってすごくこわくなった P21
・恋は女を綺麗にさせるってのは本当だよ P35
・若い女の子の瞳はどんなにへちゃむくれな子だって大抵はきれいなもんだけど、
中にはどんよりとしてしまっている子もいる P40
・人間は、皆が善人じゃない。
善人の心の中だって闇はある。
その闇を穏やかな光で包み、表に出さないようにして皆が平和に暮らせるようにすることが、
警察官の存在意義だと思っている P101
・人間は、愚かだ。
警察官になる人間が全員善の心しか持たないなどということは、ない。
人間は闇を持つからこそ犯罪が起こる。
その犯罪を、警察官は取り締まる。犯罪者を逮捕する。警察官は犯罪者を知る。
だから、犯罪者の気持ちをよく理解する。
理解できるからこそそこに染まるものもいる P111
・頭悪いからって
言葉で何もかも括っちゃって自分をあきらめるのがいちばん腹が立つ P143
・人間って都合のいい動物でさ。
これは見えなくてもいいんだ、と脳が認識してしまったときには、
たとえそのものが視界に入っていても、何も見えていないのと同じになってしまうものだよ P214
・人はやり直せるっていうのを身をもって示した男だね P224