『ロスジェネの逆襲』池井戸潤10(文春文庫2015/9/10)
*子会社東京セントラル証券に出向した半沢直樹にIT企業買収の案件が転がり込んだ。
巨額の収益が見込まれたが、親会社東京中央銀行に卑劣な手段で横取りされ、
社内で立場を失った半沢はバブル世代に反発する若い部下森下とともに倍返しを狙う。
銀行を舞台に繰り広げられるお仕事小説、半沢直樹シリーズ第3弾。
文中に『ロスジェネ』の解説が記されている
“世の中全体が、バブル崩壊後の不景気という名のトンネルにすっぽり入り込んでしまい、
出口を見出そうともがき苦しんでいた十年間。一九九四年から二〇〇四年に亘る就職氷河期に世の中に出た若者たち。
その彼らを、後に某全国紙の命名により「ロスト・ジェネレーション」、略してロスジェネ世代と呼ぶようになる” P31
・気合で乗り切れるほど、簡単な話か。
物事には、成功させようとしたってできないことはいくらでもある P34
・君が選んだ道だろ(略)
イヤなら実力で仕事を勝ち取るしかない。
それができないのなら、文句をいわないでいまの仕事をこなせ。
仕事は与えられるもんじゃない。奪い取るもんだ P175
・すべての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。
会社の大小なんて関係がない。知名度も。
オレたちが追求すべきは看板じゃなく、中味だ P250
・信用してないんなら怒ることもないだろ。
そんなもんだと思ってればいいじゃないか P318
・嘆くのは簡単だ(略)
世の中を儚み、文句をいったり腐ってみたりする――。
でもそんなことは誰にだってできる(略)
世の中に受け入れられるためには批判だけじゃだめだ。
誰もが納得する答えが要る P392