『私の本棚』

※不定期公開

運の良い方、縁の有る方、勘が働く方。

ご覧戴けたら幸いです。

心の宝箱【男は優しいだけじゃダメなのよ】

2024-11-14 21:08:38 | 心の宝箱:小路幸也


『オール・ライ・ラビング 東京バンドワゴン⑤』小路幸也15(集英社文庫2012/4/25)

ページが増える百物語の和とじ本や、店の前に置き去りにされた「捨て猫」ならぬ、猫の本など…
次々と不可思議な事件が起きる。意外なあの人の一世一代の恋や、紺と恩師の知られざる過去、
イケメン社長・藤島の新たな決意など、堀田家とその仲間たちのドラマからも目が離せない!
季節が巡り、それぞれが確かな一歩を踏み出すころ、なんとあの人も海の向こうへ飛び立つことに!?
相変わらずおせっかいで温かな堀田家の1年を綴る、「旅立ち」の物語。シリーズ第5弾。
『夏、あなたの笑窪は縁ふたつ』『秋、さよなら三角また会う日まで』『背で泣いてる師走かな』
『春、オール・ライ・ラビング』4話連作短編集。

・世の中は三日見ぬ間の桜かな(略)
つまらない悩みで心を閉ざして、美しいものを見ないで済ませてしまうのはあまりに勿体ない(略)
世間の移り変わりの早さもまた儚いもの P9

・男は優しいだけじゃダメなのよ P35

・求めなければ道は開けない。
自分で将来をきちんと考えるのは良いこと P89

・たくさんの感情が身の内から生まれ飛び出していって、
たくさんの人たちとぶつかりあって、
そうして心も身体も成長していく P112

・人が生きていけば、たくさんの人と関わります。
その中で背負っていくものも増えてきます(略)
その重さに耐え切れなくて、軋みを立てることだってあるでしょう。
でも、背負っていくものを、その身体でまっすぐにきちんと受け止めていれば、
それを周りから支えてくれるものだって、たくさん増えていくんです P201

・前向きのぉ、前のめりの失敗はぁ、絶対に後悔なんか連れて来ないんだねぇ。
生きてるうちにできることをやってみなきゃ、それが良かったかも悪かったかもわからないんだよぉ P278

 


心の宝箱【男はいつまでも子供だけどね。女は女になるんだよ】

2024-11-14 08:23:35 | 心の宝箱:小路幸也


『レディ・マドンナ 東京バンドワゴン⑦』小路幸也(集英社文庫2013/8/25)

 

堀田家は下町で古書店東亰バンドワゴンを営む四世代の大家族。
一家の大黒柱である勘一は齢八十を超えてもなお元気に店を切り盛りしている。
そんな勘一をお目当てに通ってくる女性客、蔵から貴重な古本が盗み出されて一家は大混乱。
次々に事件が舞い込む堀田家を母の愛が優しく包んで家族の絆を益々強くするシリーズ第7弾。
『冬、雪やこんこあなたに逢えた』『春、鳶がくるりと鷹生んだ』『夏、思い出は風に吹かれて』
『秋、レディ・マドンナ』4話連作短編集。

・波風多きが浮世の常(略)
人の世というものはとかく色々あるもの(略)
一喜一憂しないで、そういうものなんだからどっしり構えていきましょう P9

・世の中、男と女しかいません。
昨今流行りの真ん中の人たちだって、惚れた腫れたはあるでしょう。
心の細波が立ってこそ、凪のときのありがたみがわかるってもんです(略)
大波小波を乗り越えてこそ、ようやくわかるものもあるんです P117

・男はいつまでも子供だけどね。
女は女になるんだよ P144

・殺すより、許すことの方がはるかに難しい。
どうしたら許せるかを考えるために人間は生きているんだって。
許さなくてただ殺し合うだけだったら、人間はとっくに死に絶えている P181

・人間は基本的に我儘ですよね。
我儘言って自分のためだけに生きていくのは楽なのですが、
一人勝手に歩いていくと誰もついてきてくれなくなります。
誰も周りにいない一人になって、ようやく人は優しくなれるのです P207

・思い出という過去があるから生きていける(略)
どんなに辛い、忘れたいような過去でも、それを思い出にできるような未来に向かって歩いていく P285

・若い人たちの明日への道筋を作ってあげるのは(略)
年寄りの仕事じゃありませんか。
多少煩がられても、思うままに動いていけばいいと思いますよ P352



心の宝箱【結果は大事ですが、そこに至る過程も大事なことです。努力は報われなくても、努力し続けたその日々は、間違いなくそれからの人生の糧になります】

2024-11-13 23:42:28 | 心の宝箱:小路幸也


『ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴン⑩』小路幸也(集英社2015/4/30)

 

老舗古書店〈東亰バンドワゴン〉を営む堀田家に、まさかの幽霊騒ぎが持ち上がる。
夜中に棚から本が落ち、白い影が目撃されて、みんなドキドキ。我南人たちがつきとめた、騒動の意外な真相とは? 
さらに、貴重な古文書を巡って招かれざる客が来訪。それが思わぬトラブルへと発展。シリーズ第10弾
『夏、猫も杓子も八百万』『秋、本に引かれて同じ舟』『冬、男の美学にはないちもんめ』
『春、ヒア・カムズ・ザ・サン』4話連作短編集。

・出会いと別れを繰り返しながら、人生は続いていきます P108

・皆がうまくやっていく秘訣は気を遣わずに相手を尊重して、のんびりとやること P144

・起こってしまった悲しいこと辛いことを掌に載せていつまでも見つめていると、そこで足が止まってしまいます(略)
人には後ろに眼はありませんよね。
それは、顔を上げて、前を向いて、進むために、歩いて行くために前しか見えないんだ(略)
前を向いて、明日を見つめて、毎日を元気に過ごしていきましょう。明日にはきっといいことがある。
それを探しに行こうと思えば、先にあるもの全てが楽しみに変わっていきます P172

・長い人生、目標を立てて何かを目指せば、成功するときも失敗するときもあります(略)
結果は大事ですが、そこに至る過程も大事なことです。
努力は報われなくても、努力し続けたその日々は、間違いなくそれからの人生の糧になります(略)
目指して辿り着いたところが、目標にしていたところであろうと、違うところであろうと、
その場所からどうやって生きていくのが大切ですよね。
むしろそこからが本当の人生と言えるかもしれません P245

・大事なのはよ、どこに行くか、じゃねぇ。
何をするか、じゃねぇのか? P291



心の宝箱【人の生き方を認めるところから、自分の生き方というものを人間は見つけるのではないでしょうか】

2024-11-13 11:20:32 | 心の宝箱:小路幸也


『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン⑨』小路幸也(集英社2014/4/30)

 

東京下町の古書店東京バンドワゴンには本日も訳ありのお客がやってくる。
ある作家の棚の前で涙をこぼしていた女性は高校生の時に学校の焼却炉で何冊もの本を黙々と処分していた少女、
いったい彼女に何があったのか、気になる堀田家の面々。青の映画がいよいよ公開されるシリーズ第9弾
『秋、真っ赤な紅葉はなに見て燃える』『冬、蔵くなるまで待って』『春、歌って咲かせる実もあるさ』
『夏、オール・ユー・ニード・イズ・ラブ』4話連作短編集。


・古いものが変わらずにあるというのは、良きものは時を超えていつまでも残るということ P7

・頑固じじぃのあるべき姿はぁ(略)
言うべきことをずけずけ言うことだねぇ。
鬱陶しいって余計なお世話だって思われてもぉ、
正しい人の道はこうなんだって怒鳴りつけて諭すこと P92

・人が心に思うことは、止めようがありません(略)
心の内を理解する努力は、気持ちを汲み取ることはできるはずです。
誰かに対する優しい気持ちは、そのまま自分に還ってくるもの P103

・変わりのない毎日は退屈などではなく、
それが心地よいから変わる必要も、そうして代えもきかないもの P149

・自分には持てないものをぉ、愛おしむんだよね P168

・臆病なんでしょうね。
失うかもしれないものは手に入れたくない。
そこに既にあるものをただ愛おしく思っていたい P169

・人の気持ちというのは決してひとつの色に染まって終わるものではありません(略)
人の生き方を認めるところから、自分の生き方というものを人間は見つけるのではないでしょうか P180

・呪いって要するに人の思いだろうぅぉお?
人の思いを昇華させるのはいつの時代だって歌だねぇ P219

・病気になって健康のありがたさがよくわかると言いますけれど、
当たり前の幸せは、誰かにとっては当たり前ではありません P237

・自分の将来を考えそれに向き合うのは勇気がいることですよね。
明日がどうなるなんて、誰にもわかりません。わからないから不安になる。
立ち止まってしまったり、どこかに逃げ込んだりしてしまいます。
それは誰にでもあることですよ(略)
誰かと一緒に過ごしたり、誰かのことを思ったり、誰かへの思いを大切にしたりする。
そうすることで心が豊かになり、明日へ向かう力が湧いてきます。
希望を見出すことができます P298




心の宝箱【どんな事であれ、始まりにはいつも希望が付いて回る】

2024-11-13 07:20:42 | 心の宝箱:小路幸也


『マイ・ブルー・ヘブン東京バンドワゴン④』小路幸也16(集英社2011/4/25)

 

終戦直後の東京で華族の娘の咲智子は父親からある文書が入った箱を託され、
それを狙う敵から彼女の窮地を救ったのは堀田勘一という青年だった。
古本屋『東京バンドワゴン』を営む堀田家で咲智子は一癖も二癖もある仲間達と出会い、
敵に連れ去られた両親の行方と箱の謎を探るため奮闘する。
いつも皆を温かく見守るサチおばあちゃんの娘時代を描く番外編。シリーズ第4弾。

・どんな事であれ、始まりにはいつも希望が付いて回るものだと思います P14