『オール・ライ・ラビング 東京バンドワゴン⑤』小路幸也15(集英社文庫2012/4/25)
ページが増える百物語の和とじ本や、店の前に置き去りにされた「捨て猫」ならぬ、猫の本など…
次々と不可思議な事件が起きる。意外なあの人の一世一代の恋や、紺と恩師の知られざる過去、
イケメン社長・藤島の新たな決意など、堀田家とその仲間たちのドラマからも目が離せない!
季節が巡り、それぞれが確かな一歩を踏み出すころ、なんとあの人も海の向こうへ飛び立つことに!?
相変わらずおせっかいで温かな堀田家の1年を綴る、「旅立ち」の物語。シリーズ第5弾。
『夏、あなたの笑窪は縁ふたつ』『秋、さよなら三角また会う日まで』『背で泣いてる師走かな』
『春、オール・ライ・ラビング』4話連作短編集。
・世の中は三日見ぬ間の桜かな(略)
つまらない悩みで心を閉ざして、美しいものを見ないで済ませてしまうのはあまりに勿体ない(略)
世間の移り変わりの早さもまた儚いもの P9
・男は優しいだけじゃダメなのよ P35
・求めなければ道は開けない。
自分で将来をきちんと考えるのは良いこと P89
・たくさんの感情が身の内から生まれ飛び出していって、
たくさんの人たちとぶつかりあって、
そうして心も身体も成長していく P112
・人が生きていけば、たくさんの人と関わります。
その中で背負っていくものも増えてきます(略)
その重さに耐え切れなくて、軋みを立てることだってあるでしょう。
でも、背負っていくものを、その身体でまっすぐにきちんと受け止めていれば、
それを周りから支えてくれるものだって、たくさん増えていくんです P201
・前向きのぉ、前のめりの失敗はぁ、絶対に後悔なんか連れて来ないんだねぇ。
生きてるうちにできることをやってみなきゃ、それが良かったかも悪かったかもわからないんだよぉ P278