『下町ロケット②ガウディ計画』池井戸潤04(小学館2015/11/10)
ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年。
大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。
量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、
ロケットエンジンの開発では、NASA出身の社長が率いるライバル企業とのコンペの話が持ち上がる。
そんな時、社長・佃航平の元にかつての部下から、ある医療機器の開発依頼が持ち込まれた。
「ガウディ」と呼ばれるその医療機器が完成すれば、多くの心臓病患者を救うことができるという。
しかし、実用化まで長い時間と多大なコストを要する医療機器の開発は、
中小企業である佃製作所にとってあまりにもリスクが大きい。
苦悩の末に佃が出した決断は?
医療界に蔓延る様々な問題点や、地位や名誉に群がる者たちの妨害が立ち塞がるなか、佃製作所の新たな挑戦が始まった。
・なぜ、それをやるのか―――?
長く苦しい開発をしているとき、その問いの答えさえわかっていれば、迷うことはない。
そして、その答えは単純明快なほうがいい P104
・いじけて何になる(略)
人間ってのはな、マイナス思考に陥るのは実に簡単なんだよ。
それに比べたら、プラス思考のいかに難しいことか。
苦しいときこそ、人の真価が問われるんだ P108
・どこに行っても楽なことばかりじゃない。
苦しいときが必ずある。そんな時には、拗ねるな。そして逃げるな。さらに人のせいにするな。
それから―――夢を持て P119
・最初から悪い奴はいない。
不満やすれ違い。ちょっとした勘違いが思わぬ事態を招いてしまうことだってある P132
・いろいろな壁が世の中にはある。 楽にうまくいく仕事なんてないさ。
だからといって、逃げたら何ひとつ、残らない。 実績も評価もだ(略)
この困難な状況でどうするか。ここから先が、佃製作所の真骨頂のはずだ P154
・自分のやりたいことをさえやっていれば、人生ってのは、そんなに悪いもんじゃない P368