『ただいま神様当番』青山美智子（宝島社2020/7/22）
ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて「神様当番」と太くて大きな文字が書かれていた。
突如目の前に現れた「神様」を名乗るおじいさんのお願いを叶えないと、その文字は消えない？
「お当番さん、わしを楽しませて？」
幸せになる順番を待つのに疲れている印刷所の事務員、
理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、
SNSで繋がった女子にリア充と思われたい男子高校生、
大学生の崩れた日本語に悩まされる外国語教師、
部下が気入らないワンマン社長。
小さな不満をやり過ごしていた彼らに起こった我儘な神様の奇跡はむちゃぶりなお願いから始まるが、
最後は前向きな気持ちになれる。5つのあたたかい物語。
１番：水原咲良（OL）、２番：松坂千帆（小学生）、３番：新島直樹（高校生）
４番：リチャード・ブランソン（大学非常勤講師）、５番：福永武志（零細企業社長）
・楽しいことはみんな、私の目の前を素通りしていく P6
・運は順番通りにはやってこない P7
・競っているつもりはないけど、自分の位置づけ、ランクづけする癖がすっかりついてしまっている P36
・月をじっと見てると、なんだか一対一で話せてる気がしてこない？ P37
・自分のことダメだなあって反省できるのって、いいことだよ。
周囲があきれてるのに気づかないで、
自分は何も間違ってない、絶対正しいんだって思いこんでいるほうが憐れだよ P53
・毎日顔を合わせる人を全否定しても、自分がつまんなくなるだけ P55
・人生って、単に楽しいからやるって、それが一番の決め手だよ。
意味があるとか、お金になるとかはその次でさ。
自分自身に何かの取柄や才能があるかどうかもあんまり関係なくて、
この世をおもしろがれる力のほうがうんと大事だと思う。
そんなふうに過ごしてるうち、本当にやりたいことがわかってくるんじゃないかな P56
・私を楽しませるのは私。
順番なんて、もう待たない P64
・怖いものなんてない人より、本当は怖いのに立ち向かってく人のほうが、何倍も強いよ。
それを勇気って言うんだ P97
・罪をかぶることや我慢することが優しさではないのよ P110
・加工なんかしなくたって写真は嘘をつくからな P147
・自分が気に入ってるならいいじゃん。
人にどう思われたって P153
・完全体になってしまったら、次は崩壊しかない P167
・好きな人に良く思われたくて、かっこつけて、がんばって、
それでできるようになるのって、ちっとも悪くないと思う P174
・思い通りにならない恋にすったもんだするって、究極のリア充だよ。
きれいなことしかない世界なんて不自然なんだから P182
・人と人は、どこか違わないとだめなのよ。
全員が同じじゃ何ひとつ変化も成長もない P219
・怒っているとか悲しいとか、そういう気持ちは一番にしっかり伝えなくちゃだめよ。
その後にちゃんと笑うためにもね P220
・成功者というのは、何をやってもうまくいく苦労知らずの人間のことじゃない。
うまくいかない何かが起きたときに、正面から対処できる人間のことなんです P288
・世の中っていうのは（略）
たいがい、誰かのおとしものでできてるんじゃよ。
最初から自分のものなんて、何もないんじゃ（略）
人はみんな、誰かがうっかり落としたりわざと置いていったりしたものとめぐりあって、やみくもに欲しがる。
でも、ただ拾うだけでは本当に自分のものにはならないんじゃよ（略）
あこがれて真似して学んで、自分を生きながら自分だけのものにしていくんじゃ。
だけど、そのうち自分も誰かの前になにかを落としていることを知る者は、ほとんどいないかもしれんの P296
