Seriously?

ひとりごとです

映画 ■■否定と肯定■■

2018年01月05日 | 映画
↑上の画像は
Yahoo映画のページのスクショです

原題はDENIAL
日本に入ってきたら
なぜか「肯定」が加えられた



映画 ■■否定と肯定■■





主人公デボラが
感情的になってキーキー言う度に
自分を見ているようで恥ずかしかった

人を行動にかりたてる原点となる力は
感情だけど

感情というものは
「説得力」を台無しにするんだな~

自信があるなら
クールに論理的に
端的に一言で言えば良いじゃないか

理性を失って
慌てて叫んだり言いよどんだりすると
どんなに正しいことを言っていても
信憑性がないように印象づけてしまう



デボラが
弁護士の作戦を裏切って
自分で答弁したり
犠牲者に証言させたりして
大惨事になるんじゃないか...
とハラハラしながら観ていました



そして観ながら
1997年頃、アメリカ人の友達と
地球温暖化について話したことがあること
思い出した

当時、京都議定書にアメリカが参加しなかったから
「アメリカが参加しないと意味が無い」
と、言ったら

彼は
「地球温暖化って
かつて氷河期が来たみたいに
自然と起きていることであって
人間が起こしていることじゃないんだよ

だから
どんなに二酸化炭素排出量を減らしても
避けられないんだよ」
と、言ったのだ

それ聞いて
「はあ~????
何バッカなこと言ってんの????
日本でそんなこと口にしたら
『私はバカです』って言っているようなものだよ
っていうか
あんたらアメリカ人が主たる原因だろうが~!」

と、思いつつも
当時の英語力では
彼を納得させることは出来なかったのだ
(今も出来ないかな)

彼の無知に対する驚愕やら
怒りやら呆れやらで
言いたいことが自由に言えない焦りやらで
ますます自分の思いを言葉に出来なくて
友達の
「ほら、反論できないでしょ?」
という勝ち誇った顔が
悔しくて悔しくてしかたなかったけど
感情だけでは説得できないと痛感した



英語力だけの問題じゃなくて
友達のような、地球温暖化を否定する人に
「これこれこういう証拠があるから
地球温暖化は人為的なものなんだよ」
と納得させる「証拠」を知らないことも
問題なのであった
「だってTVでやってたもん」とか
「新聞に書いてあったよ」とかでは
説得力がないのだ

(アル・ゴアさんが「不都合な真実」の中で
温暖化が人為的なものだということを裏付ける
南極の氷の柱を使った研究を紹介していた
今度はそれを引き合いに出そう!)



話戻して...
地球温暖化が人為的なものである証拠って
目に見えないから難しいけど

「ナチスによるユダヤ人虐殺」は
被害者や、加害者側の証言も山のようにあるし
実際にアウシュビッツの強制収容所は残っているのに
「なかった」と主張する人がいるのは驚きだ

でも、いるのだ

そして
史実であることを証明するなんて
とても簡単なことのように思えるのに
非常に際どい戦いとなり
世界中が判決に注目する

ああ、もしも負けたら...
考えただけで恐ろしい



実際にあった裁判をベースに
作られていたようだけど
90年代の設定だった
戦後50年くらい
「生存する目撃者(経験者)の多い
つい最近の出来事」だと思っていたけど
そうではなかったのだ
現在とは少し距離のある
風化した歴史上の出来事となっていたのだ
「何が起きたのか」を精査するには
歴史学者が資料を読み解かないといけない



今は更に約20年経っている
否定派は増えているんだろうな~



ドイツ、フランス、イスラエルでは
「ホロコーストはなかった」と主張することは
ヘイトスピーチとみなされ違法となるそう

他の国もならえば良いのに
言論の自由の方が大切なのか

ヘイトスピーチを禁止しても
極右勢力が止まる訳じゃないし
だとしたら
言論の自由がある方が良いのか????
わかりません



ホロコーストだけじゃなくて
他にも「◯◯はなかった」と
否定派が主張することたくさんあるけど
この映画みたいに白黒はっきりさせて欲しいな
と思いました



「◯◯はなかった」という否定派が現れるのは
写真やビデオや録音が
今みたいに簡単に出来なかったから
そして表現の自由が
恐ろしく規制されていたからであって

今は誰だって
自分が撮った写真や動画を
Twitterに上げて
情報の発信人になって
世界中の何万人の人に一瞬で
目撃者になってもらえるから
「◯◯はなかった」なんていう
真偽があいまいな事態にはならない

...ように見えて

実は、他人の写真や動画を勝手に拝借して
いかにも自分が撮ったようにみせかけて
全く違う意図のTweet流したりも出来るし

写真の加工技術もすごいからね
美魔女のセルフィーとか
真実とはかけ離れたものが
真実の振りして拡散しているよ



膨大に見せられる証拠の中から
何が真実なのか
見極める目が必要だと思った
(でも私はいつも
いとも簡単に騙されてしまう)



ミック・ジャクソン監督は
「ボディ・ガード」の監督かあ
イギリス人だったのね

アーヴィング役のティモシー・スポールが
すごく良かった
嫌なヤツなんだけど
上手い役者さんだなあ、と思った
イギリス人役者は上手い人が多いと思う
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2 コメント

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あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします! (ゴーダイ)
2018-01-06 12:06:16
見てくださって感謝です。ただ上映館が少なすぎますよね~わざわざ日比谷行きましたよ!

>1997年頃、アメリカ人の友達と
地球温暖化について話したことがあること

まさに地球温暖化でdenialな案件があったわけですね(^_^;)
多分そのアメリカの人はミランこビッチの仮説が言いたかったのかなあ。

こういう問題は、白黒決着がつく問題なのか、付けるべき問題なのか、をあらかじめ斟酌してから議論しないと、不毛な消耗戦になりがちだっていう(^_^;)
あとは、TVタックルや朝まで生テレビ!で悪影響を与えたのは、討論に対するすごいファナティックっていうか攻撃的なイメージを大衆に与えたことだと、内田樹さんは指摘しています。

例えば、アメリカの立場や事情はわかるけど・・・みたいな感じで理解や歩み寄りをエクスキューズとしてかかげたりとか、そういう努力をインテリゲンチャは怠ったかなと思います。
結局議論ですら社交――コミュニケーションであって、論敵を人格攻撃してでもけちょんけちょんにすることじゃないぞ、というか。

ちなみに朝生の田原さんはスタジオ裏ではすごい気を使うみたいで、その結果、皮肉にも番組が続いているというw
ツイッターでその鱗片が更にわかるようになりましたけどね、こういうのもディズニーランドの着ぐるみを取っちゃうようなもんで嫌なのか、番組中は絶対見せませんよね、あの人。
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ゴーダイさんへ (ann)
2018-01-07 00:38:55
本当に良い映画教えてくれてありがとうございました!

>結局議論ですら社交――コミュニケーションであって、論敵を人格攻撃してでもけちょんけちょんにすることじゃないぞ、というか。

本当にそう思う!「意見が違う≠憎い」のはず。他人の意見、自分とは違う意見を尊重する姿勢が足らないな、と私も反省します。自分の意見分かってもらえないとキーッとなって「もう、あいつとは話さない!」と思ったりします。ダメね。

以前、CNNのニュースで、共和党支持者と民主党支持者のアメリカ人夫婦紹介してました。銃規制からオバマケアから、意見が全く違っていて
夫「トランプ大統領は2期続投するよ」
妻「何言っているの、4年もたないわよ。弾劾されるから。しかも近々にね。But, don't worry! I still love you~
みたいな感じなの。

「あなたの意見は賛成しないけど尊重するから、私の意見も尊重してね」という姿勢でないと、他のイデオロギーの国の人達とコミュニケーションとったり、上手くやっていくこと出来ないですよね。

朝から生TVは、そんな紳士的な議論では面白くないから誰も見なくなっちゃうかな?
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