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夏目漱石 「それから」
今回の感想は
ネタバレ含みます
明治42年と今では、人の配偶者に惹かれることに対する考え方が大きく違うと改めて分かった。
30近くまで仕事に就かず、親の脛を齧ってお手伝いさんや書生を住み込ませ悠々と暮らす代助は、よく言えばピュアで悪くいうと世間知らず。
友人の妻・三千代との愛を貫きたいと決意する辺りは清々しく眩い光に包まれていたが、ラスト数ページで一転。
それが世間からは到底受け入れられない禁忌であると友人や家族から突きつけられると真っ逆さまに落ちる。
それから二人はどうなったのか。
巧い題名。
想像を超える難局に遭うだろうが無垢な愛を貫いて欲しい。
8/6 追記
「それから」
恐らくは最悪の結果になるのでは?
それまで代助は俗世間を見下し
自由に
斜に構えて生きてきたが
実は親と兄なしでは
なんの生きる力もない
無力な人間であることに
ようやく気づくのだ
三千代は病と心労で命を落とし
友人から莫大な慰謝料を請求され
親から勘当され
全財産と信頼を失くし
仕事は見つからず
遂には独り、住む場所も無くし
精神は破綻する
あるいは
希望を感じる「それから」は
代助が
初めて自分の足で立とうとした
選択の結果なのだから
あらゆるバッドエンディングも
甘んじて受け止める
正気と狂気の境で
三千代との愛を全うする意気で
不思議な高揚感の中
独りの自分に誇りを感じ生きる
後者であって欲しいと
私は受け止めたのだ
絶望的な結末ではなく
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図書館で借りた
新潮社の文庫本は
昭和60年(1985年)に
印刷されたもの
36年前!
一体今まで何人の人たちが
この本を読んだのでしょうか
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