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ダイアトーン DS-66EXのレストア(10) レストア後の総合特性編(1)

レストア後の総合特性編(1)

エッジの柔軟化を主体としたウーハーとミッドレンジ、ツイーターに対する初期特性の回復の試みは、一通り終了しました。そこで、元の密閉型エンクロージャーに各ユニットを戻して周波数特性を測定してみました。ネットワークはそのまま使用しています。

はじめにインピーダンスの周波数特性を示します。

レストア前に比べると、ウーハーによるピークが、102Hzから56Hzへと大幅に低くなっていることが分かります。レストア後のスピーカシステムの共振先鋭度Qtc は、Qtc=0.78でした。密閉型エンクロージャーでは、通常周波数特性が最大平坦となるQtc=0.707程度で設計することが多いようですが、10%程度大きな値になっていました。ツイーターによるピークは素直な山形ですが、ミッドレンジによるインピーダンスピークピークは少しイビツな形状でした。

出力音圧レベル(SPL)の周波数特性を示します。

黒線で示したレストア前の周波数特性は、ツイーター軸上を測定基準軸(design axis) として、前方30cmでの測定です。青緑色の曲線は、レストア後に同じ位置関係で測定した結果です。
①エッジの軟化によって低音域が広がっていること、
②3700Hz近傍の鋭いディップがやや小さくなっていること、が分かります。
3700Hz近傍のディップが気になるので、測定基準軸をツイーター軸上から、ミッドレンジとツイーターの中点の軸上、30cmに変更してみました。赤線で示すように、3700Hz近傍のディップは更に小さくなり、500Hz以下の中低音域での5dB位の音圧低下も解消傾向にあります。このことから、DS-66EXのdesign axis(聴取位置)はツイーターとミッドレンジの中間くらいの位置に設定して、ネットワークが設計されているように思います。当初、先入観からdesign axisをツイーター軸上に取りましたが、間違いだったようです。当時の別売スピーカスタンドの高さは20cmなので、リスニング位置としては床から60〜70cmになります。床或いは畳に座って聴くことを想定していたのでしょうか??
>> 最終総合特性に続く 
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