夜10時のことでした。職場で長い一日を過ごした後、ミンフイはベッドで横になっていましたが眠れませんでした。その日の午後に近所の人が言ったことが彼女の頭に浮かびました:「ミンフイ、私はあんたの義理のお父さんが彼の銀行カードとペイロールカードをあんたの義理のお兄さんに渡してるのを見たよ。」これを聞いて、彼女は落ち着いてこう考えました:「それは義理のお父さんのものだから、彼の勝手よ。」しかし、彼女はどんどんイライラしていきました:「私の夫は彼らの息子よね?どうして私の義理の親は私たちよりも彼らの長男を特別扱いするのかしら?家をめぐって何年も争って、私はたったの1万元しかもらえなかったのに。でも今彼らは銀行カードとペイロールカードを長男に渡してるなんて。長男とその妻は働いてもいないのに両親から特別扱いされてるわ。私の夫と私は一生懸命働いているのに大切にしてもらってないわ。。。」彼女はこの出来事を思い出した時、とても腹が立ちました。ミンフイは苦しくなるほどに抑圧されている気分でした。彼女はどうしても正当な扱いを受けたかったのです。
10年以上前、ミンフイの夫は2人が結婚する前に交通事故に遭いました。残念なことに、彼は足の障害を負ってしまいました。この時の運転手が支払った1万9千元に加え、彼女の義理の両親は2万4千元を家族全員が暮らしていたこの家の購入に費やしました。競争心の強い彼女は結婚した後に夫と必死になって事業を経営しましたが、その間彼女の義理の兄夫婦は一日中麻雀をするだけで何もしていませんでした。しかし、彼女の義理の両親はこれを知らぬふりをすることがあり、彼らの味方をすることすらありました。ミンフイは彼らにうんざりしていたので、他の家を購入して引っ越すことにしました。
彼女は妊娠中に起こったことは決して忘れませんでした。ある日、彼女と彼女の夫は仕事の後、疲れてお腹を空かせていました。彼女は家に帰ったら温かいものを食べて、体を休めようと思いました。彼女は、義理の父と義理の兄夫婦は麻雀をしていて、義理の母をそれをただ立って見ているとは思ってもみませんでした。彼女はそれを見てとても腹が立ち、こう思いました:「私は妊娠で膨らんだお腹をぶら下げながら家族を支えるために夫と働いているのに、この人たちは夕食すら作ってくれない。どうして彼らはいつも私たちをこんな風に扱うの?」ミンフイは義理の母に文句を言いました。すると、義理の兄は彼女は叩いて母には文句を言うなと言って彼女に警告しました。それ以降、ミンフイは義理の兄を恨むようになり、彼を決して許しませんでした。
彼女の義理の両親は、ミンフイと彼女の夫が他の家を購入する準備ができていることを知った時、この家を彼女の義理の兄夫婦に与えようとしました。ミンフイは怒りで息が詰まりました:「何ですって?どうしてそんなことが出来るの?この家の半分近くは私たちのものなのよ。兄夫婦はこの家の購入に一銭も出していないじゃない。彼らがこの家を欲しがってるの?そんなの絶対ダメよ!」ミンフイはこの決断にとても不満で、義理の両親は彼らの長男をえこひいきしていると感じました。彼女は諦められず、頭の中でこう決意しました:「新しい家を購入してもここからは絶対に出ていかないわ。」彼らは数日に渡って口論しましたが、決着には至りませんでした。ミンフイが譲歩するのを拒否しているため、義理の父はこの家が欲しいならミンフイと彼女の夫は6万元を払う必要があると言いました。ミンフイと夫は最近家を購入したばかりだったのでお金がありませんでした。義理の父は彼女にきっぱりと諦めさせようとこのような厳しい条件を提案してきたのです。ミンフイは家を出るなら3万元欲しいと要求しました。しかし、彼女の義理の父はこう言いました:「気に入ろうが入るまいが、お前には出て行ってもらう!出ていかないと、お前のドアに鍵をかけるからな!」この家をめぐる争いのおかげで、ミンフイは家族と仲違いしてしまいました。
その2年後、義理の両親はミンフイに1万元を提供し、彼女と彼女の夫に出て行くよう頼みましたが、家の不動産価格はおよそ8万元でした。彼女と彼女の夫は新居を購入するために夜明け前から日没後まで働いていました。この家の購入資金の半分は彼女の夫の交通事故から得た損害賠償金であったにもかかわらず、どうして何の努力もしない義理の兄がこれを手にすることができるのでしょう?ミンフイはこれを不公平と感じ受け入れる気がしませんでした。これに加え、近所の人がミンフイを支持していたので彼女はこれが義理の両親の責任であるとさらに強く感じました。彼らはお互い反目しているだけでなく、お互いを黙殺し合っていました。彼らは敵と化してしまったのです。その後、ミンフイはもう彼らと一緒に生活するのが耐えられなくなったので、義理の両親から1万元を受け取りました。それ以降、彼女は義理の両親を敬遠するようになりました。
2010年末、ミンフイは終わりの日の神の働きを受け入れたことをとてもう光栄に思いました。神の御言葉を読み、兄弟姉妹たちと交流していたミンフイは兄弟姉妹たちは誰もが純粋に率直で、何の問題や心配事がなく、お互いとても仲が良いことを知りました。彼らは生活の中でどのような困難を抱えていても、お互いを助け合い、全員が笑顔を見せていました。ミンフイは心からそのような生活を切望しました。彼らと照らし合わせると、彼女は自分はどうしてこのような苦しみの中で暮らしているのかが分かりませんでした。後に、彼女は神のこの御言葉を読みました、「サタンによって堕落させられるまで、人はもちろん神に従い、神の言葉に従っていた。人はもちろん健全な理知と良心を持っており、人間性も正常であった。サタンによって堕落させられた後、人が本来持っていた理知、良心、人間性は鈍くなり、サタンによって損なわれ…」(「性質が変わらないままなのは、神に敵対していることである」より)。 彼女はこの御言葉を読んでショックを受けました:彼女の苦しみはサタンによる堕落が生じていたのです。人は理知と良心を持つべきですが、サタンに堕落させられると、その人が本来持っていた理知と良心は失われてしまうのです。何世代にも渡って堕落したサタンのような性質を指針にして生きてきた人間はとても利己的かつ卑劣になり、個人的な利益のみに興味を示し、自分の得になることしか考えません。さらに、人間は誰もが他人を利用することを好み、全てにおいて不純な動機を持っているため、人々は仲良くできなくなっています。家族同士でも、自分勝手な利益を求めて争い合い、不倶戴天の敵となってしまいます。この瞬間、ミンフイは次のことを思い付きました:「彼女と彼女の家族は自分勝手で卑劣であったため、長年に渡って自分たちの利益を巡って争いながら、お互いに憤慨し合う生活を送っていたのです。義理の兄は、ミンフイは新しい家を購入したから自分がこの古い家に住むべきだと考えました。そして、ミンフイが彼らと口論になった時、彼女の義理の両親は彼らの味方をしました。しかし、ミンフイは自分の夫が交通事故から得た損害賠償金のことを考えると、この古い家はミンフイと彼女の夫のものであると考えたのです。こうして、彼らは10年以上に渡って争い続け、お互いに譲歩していないのです。ミンフイは、「サタンの支配するこの世界では、人間はお互いに折り合うことができない。神の御救いがなければ、この苦しみから抜け出すこともできない」、ということに気が付きました。彼女は家族と仲良くして、普通の生活を送ることを切望しました。そして、ミンフイは神の御言葉を読み、真理を追い求めながら積極的に集会に参加しました。
ある日、彼女は『いのちの入りについての交流および教え』の中でこの御言葉を読みました、「普通の人間性には次の特徴が含まれます:良心、理知、品性、尊厳、寛容、辛抱強さ、許す心、愛、寛大、優しさ、博愛、親孝行、容赦、考慮、共感、そして気配り。。。今回、あなたは人間性を持っていない、そしてあなたの人間性には欠陥があることを知るでしょう。あなたは普通の人間性を持ってすらいません。あなたは自分が善良な人間で、皆と仲良くできると思っていました。しかし、今、あなたは誰とも仲良く出来ないことを知りました。あなたが自分のパートナーと喧嘩し、子供たちと喧嘩し、義理の両親と喧嘩し、そして他の者全員と喧嘩をするのは不思議ではありません。あなたは常に他人と言い争って、終わりがありません。そして、あなたは自分が普通の人間性を持っていないことが問題の根源であると分かるでしょう。」これを読んだ後、ミンフイは彼女の義理の兄が一度彼女を叩いたのは彼女が義理の両親を尊重していなかったことが原因であったことを思い出しました。彼女は実際に誤ったことをしていたので、彼を嫌うべきではないのです。しかも、彼女の義理の兄はまともな仕事はしていないとはいえ、彼もまた家族の一員であったのです。彼女の義理の両親は住む場所がない自分たちの息子を見るのは耐え難いので、古い家を彼女の兄に与えたかったのです。これは人間の本質です。しかし、彼女は、彼らの立場になって子供に対する親の心配を理解したり、義理の兄夫婦の状況を考慮しようとはいませんでした。彼女は自分の関心事しか考慮していなかったことに気が付いたのです。彼女はこの家を手にするためなら、新しい家に引っ越すよりも、彼らと一緒に滞在した方がましだと思っていたのです。長年に渡って、ミンフイは不当に扱われていると思っていました。しかし、今、彼女は自分は常に、「土地を隅から隅まで狙い、可能な限り奪ってしまえ」、というサタンの人生観を指針に生きていたことを知ったのです。彼女は自分の利益を守るため一歩も譲りませんでした。彼女は家族から冷たく扱われると、暴をもって暴に報いるの態度を取り、彼らを敵扱いしました。彼女はこの家を理由に積年のつながりを断ってしまったのです。長年に渡って自分が見苦しいことをしていたことに気付いたミンフイは家族に対する恨みを少しずつ手放していきました。
ミンフイは過去の恨みを捨てることができたと思っていましたが、近所の人の言葉が彼女の義理の両親が彼女にとても不公平であったことを彼女に思い出させました。彼女の心には又しても憤りがこみ上げてきました。
これについて考えながら、ミンフイは立ち上がり、ある本を開きました。そこには神の御言葉がこう書かれていました、「神が人々に対して行う働きのあらゆる段階で、物事があたかも人の手配で生まれたかのようであり、あるいは人の干渉から生まれたかのようであり、外面的には人々の間の相互作用のように見えるかもしれないが、舞台裏では、働きのあらゆる段階、起こるすべてのことは、神の面前でサタンが作った賭けの対象であり、人々は、神に対する証しにしっかりと立つことが要求される。」 (「神を愛することだけが本当に神を信じることである」より)。 神の御言葉はまた彼女の目を覚ましてくださりました。今日起こった出来事は霊的な争いだったのです。もし彼女は神の御言葉に従って生きることができず、利益を求めて争い続けていれば、又しても家庭争議に引き込まれるでしょう。ミンフイは神の御言葉に従ってサタンの策略を見抜いたのです。彼女は神に祈りを捧げ、自分が普通の人間性を貫き、これ以上利益を求めて争ったり、心の狭い人間にならないよう、彼女に力と自信をお与えくださるよう請いました。
祈りを捧げた後、ミンフイは次の交流の節を読みました、「私たちが他の人々と共存するには、いくつかの原則を実践するべきであります:私たちは不公平な形で他人を利用したり、他人を騙したりしないことに満足するだけでなく、愛に満ちた心、良心、そして理知も持つべきです。そして私たちは全てにおいてお互いを許し合い、助け合い、大切にし合い、お互いのためになることができるべきです。私たちは自分たちのことだけでなく、他人のことも考えるべきで、更には、他人の短所を理解し、他人の罪を許すことができるべきなのです。私たちはこれらの原則を固持してのみ、他人と適切な関係を築き、仲良くすることができるのです。」この交流を読んだ後、ミンフイは心の中でこう確信しました:「私は既に神の祝福を授かっているわ。私は自分の家があって、ゆとりのある生活を送っている、でも同時に、私の義理の両親は若くないし、兄は彼らの世話をするためにお金を必要としている。だから義理の両親は兄に銀行カードとペイロールカードを渡していたのよ。彼らは家族全員が普通の生活を送れるようにと合理的な配慮をしていただけだったのよ。だから、私はいちいち細かいことでもめたり、よくばって義理の父の少ない年金を狙う必要なんかないのよ。この世界で生活するにあたって、私たちは自分たちのことだけを考えるのではなく、周りにいる人たちのことも考えるべきなのです。こうしてのみ、私たちは安堵と平安を感じることができます。神の御気遣いと御指導を受け、ミンフイは以前抱いていた恨みを捨て、神を讃えるために普通の人間性を貫く気になりました。このように考えていると、ミンフイは落ち着いて解放された気分になり、真理を実践して神の御言葉を貫くことの素晴らしさを体験しました。
しばらくした後、彼女の夫は彼女の義理の母が病気になり歩けないから実家に戻るよう彼女に言いました。ミンフイは心の中でこう考えました:「彼女は歩けないってことは、私が彼女の世話をしないといけなくなるし、向こうまで行くならお金もかかるわね。」以前義理の両親から受けた扱いを振り返ると、彼女は葛藤に駆られました:行くべきか、やめるべきか?ちょうどミンフイが躊躇していたその時、彼女の頭に神のこの御言葉が浮かびました、「正常な人々の性質にはひねくれた点や不正直さはなく、人々はお互いに正常な関係にあり、孤立していないし、その生活は凡庸でもなければ退廃的でもない。そこで神もすべてのものから褒め称えられ、神の言葉は人間の間に広がり、人々はお互い平和に神の配慮と保護のもとに暮らし、地上は調和で満たされ、サタンの妨害はなく、神の栄光が人間の間で最も重要なものになっている。」(「十六番目の言葉の解釈」より)。時にかなった神の御啓示は彼女に神の御心を理解させてくれました:「私たち人間がサタンの作り上げる苦しみの中で惨めな生活を送り、お互いに争い殺し合い、自分たちの利己的な欲望を満たすために策略を練り合ったり、騙し合ったりしている様子を目の当たりされた神は、私たちが普通の人間性を貫くこと、そして私たちが共に仲良く暮らして幸せを手に入れられるように、他人と仲良くする際には私たちが真の気遣いと理解を持つことを期待しておられます。」ミンフイは、自分が家族と適切な関係を持って、争うのを止めるだけでなく、普通の人間になるために真理を貫き、愛をもって他人の世話をすることを神から求められていたのだと理解しました。長い間恨みを持って生きてきた彼女は義理の両親に対する子としての義務は全く果たしていませんでした。今回、神はまた彼女に生まれ変わるチャンスを与えてくださったので、彼女は良心をもって義理の母を扱う必要があります。こう考えてミンフイは恨みを脇に置き、夫と一緒に義理の母の世話をしに行きました。彼女は普通の人間性を貫いた時、神の恵みと祝福を目の当たりにしました。彼女の友好的な態度のおかげで、家族全体が円満になったのです。ミンフイが彼らに対する恨みを脇に置いた様子を見た義理の父は、快く彼らに部屋を貸してくれました。
その時、ミンフイは恨みを捨て、真理を実践し、普通の人間性を貫き、他人に愛情を見せた時に他人の尊重を得ることができると初めて気が付きました。こうすれば、他人と仲良くするのがかなり容易になるのです。ミンフイはまた、「土地を隅から隅まで狙い、可能な限り奪ってしまえ」、というサタンの毒を持って生きることは辛すぎると深く感じました。今、神の救いは彼女の生活を変え、彼女のサタンに対する観点を正してくださったのです。神の御言葉のみが真理であり、私たちの行動原則であり、私たちのいのちが必要とするものであります。真理だけが、本当に幸せな生活を私たちにもたらしてくれるのです。ミンフイは心の底から神に感謝しています。神の御言葉のおかげで、彼女は自分の観点を変え、人間になる方法を学び、恨みを捨て、サタンの支配下にあった惨めた生活から抜け出し、今は本当に幸せな生活を送っています。
寄稿家:ジンシェン