1918年6月19日(旧暦6月6日)
バイオリン・ソナタのためのアンダンテのアイデアが生まれる。四時に奈良へ移動した。広大な聖なる公園のなかにある湖のほとりに、無数の寺や記念碑とともに素晴らしいホテルが建っている。公園には聖なる鹿が歩きまわっている。よくなついていて、パンをやり始めるとまわりを取り囲まれてしまう。池には体長70センチほどの金色の魚がいて、太っていていやらしいが、やはり聖なるものだ。ここは静かでのびのびとしている。見事な鐘は、形はミトラ〔主教などの典礼用冠〕を思わせ、音は大きく上等なドラを思わせる。
バイオリン・ソナタのためのアンダンテのアイデアが生まれる。四時に奈良へ移動した。広大な聖なる公園のなかにある湖のほとりに、無数の寺や記念碑とともに素晴らしいホテルが建っている。公園には聖なる鹿が歩きまわっている。よくなついていて、パンをやり始めるとまわりを取り囲まれてしまう。池には体長70センチほどの金色の魚がいて、太っていていやらしいが、やはり聖なるものだ。ここは静かでのびのびとしている。見事な鐘は、形はミトラ〔主教などの典礼用冠〕を思わせ、音は大きく上等なドラを思わせる。