デセンター

2005-11-27 | 
このブログのサブタイトルでもある「デセンター(de-center)」


「デセンター」とは1999年に他界した日本の宇宙ロケットの

パイオニア、糸川英夫博士の提唱した考え方。

糸川英夫博士は大ヒット著書「逆転の発想」から地球環境

まで、夢を持ち続けた大衆的大科学者。



経歴

東京市麻布区(現在の東京都港区西麻布)に生まれる。

1935年に東京大学工学部航空学科を卒業後、中島飛行機

で「隼」「鍾馗」など名戦闘機の設計に参加する一方、東大

航空研究所で空気力学、航空機の操縦安定性などの

研究をした。

1952年講和条約の締結により航空の禁止が解かれるや

いち早く、宇宙ロケットの研究組織を作り、国際地球観測年

に超高層大気観測用ロケット、カッパー6型ロケットを完成

させた。

その後も研究を重ねて、世界に例のない、大学の開発した

ロケットによる日本独自の科学衛星計画を実現。

1967年に東大を辞職、組織工学研究所を創立し、海洋工学、

エネルギー貯蔵、都市開発、地球環境問題等の課題に取り

組み国内外の人々の啓蒙と交流に努めた。



今、話題になっている惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」

が探査するのは、地球の軌道と似た軌道を持つ「ITOKAWA

(イトカワ)」と名付けられた小惑星。

この惑星「ITOKAWA」という名こそ、日本のロケット開発

の父である故糸川英夫博士にちなんだ名前なのである。





話を戻して、「デセンター(de-center)」について。


「デ」は「デザイン」や「デフォルメ」に使われていて

「デ・サイン」、「デ・フォルメ」のことで、要は

いろいろと加工したり、変化させる意味をもっている。


「デ・センター(de-center)」は相手に合わせて中心を

変化(移動)させるということ。


ものを見る、ものを考える場合に一つの場所や観点から

ではなくセンターをずらす、中心(視点)を移動してみる。



見方や考え方の中心を動かすことにより新しいアイデア

・独創的な発想が生まれるという理論。


これは人間関係にも当てはめることもできるという。


相手の考えていることや感性が自分と違っている場合、

2つの選択ががある。


一つ目は相手の考えを無視ないし否定する姿勢、二つ目は

自分の考えに固執しないで相手とコミュニケーションを図る

姿勢、相手に合わせて自分の考えを動かしてみるということ。

自分の知らない考えを知ろうという姿勢は一種の知的冒険に

通じて楽しみが増えるかもしれないので捨てがたいと。




とにかくこの「デセンター」、何か壁に突き当たって

手詰まりになった時に、とても役に立つ考え方。


まだまだ、使いこなせてはいないが非常に有効で、

オススメの理論なのだ。
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