「非まじめ」のすすめ

2005-08-06 | 
ロボット工学の第一人者、工学博士  森 政弘 著


「不まじめ」ではなく「非まじめ」である。


現代社会は「まじめ」なだけでは、もういろいろな

問題を解決できなくなってきていると指摘する。


「まじめ」の基本的な性質は一面的で視野が狭く、

逆もまた真なりという発想が無い。

つまり頭が堅い。


そこで固定観念にとらわれず、「非まじめ」に考えて

柔軟に問題を解決していきましょうと提案しているのだ。



「まじめ」の弊害とは、


1.新しいものに対して反対という「まじめ」。

  硬直化した社会では新しいことには必ず反論が出る。

  筆者は「新しさ」というものを、それに対する反対の強さで

  測定することにしてきたという。


2.人の通ったあとを通る「まじめ」。

  本当にいいか悪いか考えず、ただ決まった道の上を

  歩くだけが良いことだと思っている。


3.失敗を恐れる「まじめ」

  減点法であるため、あまりにも絶対に失敗できない

  という脅迫観念にとらわれて、新しいことができない。


4.あいまいさを嫌う「まじめ」

 「まじめ」な人は何事もきれいに区別できるものだと

  思っていて、白黒をはっきりさせないと気が済まない。

  世の中あいまいなこと、グレーゾーンもたくさんあるのに、

  どうしてもはっきりさせようとして、不毛な努力をしたり、

  間違った方向へ進んだりする。


「非まじめ」とは簡単に言うと、ひとつのものの持つ

多面を見る姿勢。


例えば1円玉を見たとき、横から見ると四角いわけだが、


丸くて四角いわけがない ---  まじめ

四角で丸ではない   ---  不まじめ

丸いと同時に四角い  ---  非まじめ


            ということになる。


「非まじめ」の精神の大切なところは丸と四角が

同居できるところ。

異なるものは同じ、同じものは異なるという

考え方が大切。


この考え方が、迷い、対立、けんか、しっと、うらみ

卑下、優越感などから人を解放するという。


諸々の苦悩は「丸は丸であって四角ではない」と、

かたくなに思い詰める心の狭さから出ているという。



その他、ものつくりや他の分野での問題が「非まじめ」に

よって解決、打開された例がたくさん紹介されていて

大変おもしろい。


この本から物事をいろいろな角度から見て判断する

ということの大切さを学んだ。

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