洋画普及以前からの日本の伝統的芸術文化である"水墨画"で日本の伝統芸能である"能楽"の世界を表現したいと描いてみました。
能楽は多少筆力に自信が持てる様になったら描いてみたいとずっとしたためていた題材です。
公募展への出品作品では動物以外の初作品となりました。
能の格式の高い緊迫感、ひれ伏したくなる程の神々しい威圧感、言葉では表現しきれない恐ろしささえ覚える迫力を墨絵でどこまで表現できるのか・・・
これからも納得のいく作品が描けるまで挑戦し続けたいと思っています。
この作品は2回描き直して出品した作品です。
今まで公募展出品作品の動物を描いた作品では描き直した・・・という覚えが僕にはありません。
一昨年に描いた"尾長鶏"が尾のバランスに中々納得がいかず何枚か描き直したのを覚えていますが描き直しはそれ以来の事だと思います
一枚目は白黒はっきりさせ過ぎて版画の様ななんとも硬い絵になってしまいました。
二枚目はリアルになり過ぎ、まるで暗い地の底から呻く魔王の様なそれはおどろおどろしい絵になってしまいました。
墨を摩る手も疲れ果て背景を真っ暗闇にするのをやめ炎のように気が上がる様を表現してみたのが三枚目の当作品です。
二十八年の歴史ある現代日墨展は極めてレベルの高さを誇る公募展です。
様々な所で水墨画を会得し図抜けた才能のある方達が更なる高みを目指して腕を磨かれ発表される場と認識しております。
今回も他に例を見ないそれは見事な出品作品ばかりが展示されどの作品も惚れ惚れと見惚れると同時に大変勉強になります。
僕のような初心者マーク付きのかけだしがいきなりの準大賞受賞は審査員や協会役員の方々が将来性への期待を込め授けて下さったに他ならず大人が子供を見るような温かい思いが伝わって来ます。
水墨画を描き始めて二年、右も左も分からずに描きたい衝動のままがむしゃらに十回以上の公募展に応募してきた僕にとりまして初の重賞受賞となりました。
喜びより賞に見合う描き手となる事への責任の重さを感じております。
精一杯精進修練して参る所存です。諸先輩方に於かれましては今後ともご指導ご鞭撻を賜れますようお願い申し上げます。
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