
「パリの街の
一番いい過ごし方は
迷子になることさ。
朝起きてホテルを出たら
とにかく行きたい方角に歩きだして
道に迷う。
気の向くまま
あちこち歩いて、
疲れたら近くのカフェに入るといい。
そして
おいしい食べ物と
ワインを注文するんだ。
一休みしたら店を出て
また道に迷う。
その繰り返しさ。
もっともこれは
気の合う人と
一緒にやるのがポイントだ。
きみにとってほんとうに特別な、誰かとね」

"Forever"
というアメリカのTVドラマに登場するセリフです。
恋人とパリに行く同僚から
おススメを訊かれた主人公の、答えでした。
エッフェル塔がどうの、
凱旋門が、
セーヌの流れがどうの、
ルーブルがどうのと言われるよりも
ずっとずっと
パリの魅力を語っていると
思うのです。
なんとなく
最近
わたしのなかで
パリが頭角をあらわしていて。
パリに行きたい、
フランスを旅したい、
なんていうポジティブな感じではなく
わけもなく
フランスを旅したい、
なんていうポジティブな感じではなく
わけもなく
ただつらつらと、
とめどなく、
とめどなく、
パリが思い浮かぶのです。
TOKYO2020からバトンを渡された
次のオリンピック開催都市だし?
渋沢の篤太夫さんが
ここ暫らく(ドラマのなかで)ご滞在だったし?
TOKYO2020からバトンを渡された
次のオリンピック開催都市だし?
渋沢の篤太夫さんが
ここ暫らく(ドラマのなかで)ご滞在だったし?
少し前にBSで
映画『ミッドナイト・イン・パリ』の
オンエアがあったし?

わたしによぎるパリは
なんとなくノスタルジック。
現代よりも
ヘミングウェイや
サン・テグジュペリのいた頃のパリの印象と
アレックスの写真の影響かも。
彼の撮った写真は
パリに限らず
いつもどことなくノスタルジック。
琥珀色の光さすパリ。
飛行機の乗り継ぎで
一晩だけパリにいたアレックスとの長電話。
彼が実況中継する夜のパリ。
そのうち
のんびり旅しようねと話していて。
でも
「そのうち」は
ある日突然、永久に来なくなるのです。

© Sony Pictures
『ミッドナイト・イン・パリ』は
恋愛ものは苦手、
なんて関係のない不思議な魅力あふれる
幻想的なラブコメディ。
小説家になる夢を捨てきれない
ハリウッドの若き人気脚本家が主人公。
処女作の執筆に悪戦苦闘中の彼は
婚約者と滞在しているパリで
なぜかタイムスリップして
芸術の花開くゴールデンエイジ・1920年代へ。
心酔する小説家や
さまざまな芸術家と出会い、
時代を行き来しながら
自分自身を見つめなおしていく。
ヘミングウェイがいて、
スコット&ゼルダの
フィッツジェラルド夫妻、
ガートルード・スタイン女史がいて、
なにやら
ヘミングウェイの『移動祝祭日』そのもので、
ピカソやアンリ・マティス、ダリがいて、
コール・ポーターが歌い、
ジョセフィーン・ベイカーが踊る。
1920年代の、真夜中のパリ。
主人公の憧れに
シンクロする。

・