とある道の駅に来ている。
来る途中、信号待ちで左折レーンのスズキハスラーが、信号が青に変わる直前にイキリダッシュを仕掛け、吾の前に割り込んで来た。
ドライバーは青年。
カチンと来たので、アクセルを開けて詰めてやろうと思ったが、こんなアホに乗せられる事程馬鹿らしい事は無いと思い、アクセルを抜いた。
久し振りの晴天に恵まれ、風も秋の気配を運んでいて、ドライブ日和とばかりに気分良くハンドルを握っていた。
だが、此の馬鹿のせいで、其の気分も吹き飛んでしまった。
少し頭を冷やそうと思い、近くの道の駅に飛び込んだと云う訳である。
自販機に懐かしいフルーツジュースの復刻版が在ったので其れを買い、一息に飲み干した。
甘くて懐かしい味に、ささくれ立っていた気分も収まってくれた。
特に目的は無い。
ただ、晴天下に車を流したいと思い疾走していたのである。
道の駅は家族連れや老若カップル、友人同士で賑わっている。
ひさしの在るベンチに座っていると、時折り涼しい風が身体を摩ってくれる。
中年のオッサンが独り、ベンチで長居をしてると怪しまれても嫌なので、そろそろ帰るとしよう。
だけども、何故イキって走りたがるのだろうか。
吾の愛車ダイハツムーブ(L175S、5MT)も、吸排気系、ECU、足回り強化、ボディ剛性アップ、クラッチの強化、フライホイール軽量化等々、あちこちに手を加えている。
別にサーキットを走る訳ではないが、偶に山へ行く。
殆ど対向車も無く、と云うか車が殆通行していない所である。
国道で他車を抜いたり、抜かれたりで走る事は無い。
DIYでの車弄りなので限界が在るし、自己満足でやっているだけである。
「あの車より速く」
と、プロのレースドライバーじゃあないので、自分が楽しく乗っているだけの事である。
公道を走っていて、ちょっかいを出したりする奴が多いが、そんなに他車が
気になるのなら、B級、A級ライセンスを取ってサーキットを走ればいい。
だが、サーキットに於いても、ルールやマナーが厳しい。
公道での交通ルールが守れない輩は、サーキットに於いても相手にされぬだろう。
乱暴な運転をした奴が事故をしようが、崖下に落ちて死のうが知ったこっちゃない。
他を巻き添えにだけはするな。