前記事にも書いたが、葬儀とは名ばかりで、火葬のみだった。
明日が丁度、忌明け(四十九日)を迎える。
本当は吾独りで行う積もりであった。
火葬もそうしようと思っていた。
明日の件で、叔母の家に向かった。
明日の件で何時に迎えに来れば良いかの打ち合わせをする積もりだった。
話を折るかの様に叔母が云った。
「実は、孫の嫁さんも葬儀に出たいと云っていたが、孫は来るなと云ったらしい。ちゃんとした葬式じゃないそんな所に嫁を来させるのは恥ずかしかったんだろうと思う。本当に恥ずかしい話だ。婆さんも浮かばれないわ!。明日の四十九日だって、どうするかも何の連絡も無いし。どう云う積もりだ!!そんなだから、お前には人が寄って来ないんだ。前からそうだった。愛想は悪いし、口も悪いし。私等の家族はお前みたいな事はせず、和気藹々とやって来た。お前とは違うんだ!」
何?それ.....。
「分かった、分かった。もういい。俺一人で行くわ!もういい!」
するとアホ叔母がさらに、
「それそれ!其の云い方。お前は前からそうやって他人を遠ざけてんだ。だからお前は独りだろう。誰もお前を助けない。ウチはお婆さんに毎日お茶とご飯を供え手を合わせている。大事に思っている。お前の其の態度が孤独にさせているんだ‼︎‼︎」
訳が解らん。
普段から、ちゃんとした葬儀が出来る様に蓄えておけばよかったのかも知れない。
此れは云い訳であるが、毎月の手取りが13万円弱。
そこから家賃、光熱費、食費、通信費、燃料代やら其の他諸々払うと、手元に2万も残れば大きい。
貯金をしていたので蓄えも有ったが、祖母の入院費(介護費含む)と毎月8万円を支払っていた。
あれよあれよと云う間に蓄えは溶けてしまった。
祖母が亡くなった日の残高は816円。
「此れでは葬儀費が出せない」
だが、借りてでも工面しなけれなならない。
叔母サイドに、幾らか出してくれないかと話したが、
「カネが無いからなぁ」
おいおい。
自分の親だろうが。
相手にするのも馬鹿らしいし、構っている暇は無かったので、当日職場に相談してカネを借りた。
毎月の薄給から天引きすると云う条件だった。
普通の家族葬でも30万以上からなので、火葬のみのプランを選んだ。
今思えば、吾の不甲斐無さがこう云う状況を引き起こしたのだと未だに責めている。
叔母が云った言葉には承服出来ない。
自分等は一切葬儀費は出さず、僅かな香典で大きな顔をしくさってキレやがる。
祖母が入院している時も、入院費の援助でもしようかと云った事は無かった。
明日の四十九日の件で何の連絡も無くて、どうしていいか分からないとキレたが、そもそも、明日の件は火葬の際に寺の住職を交えて確認をとったのである。
皆が其々確認していた筈なので、吾も一々確認は取らなかった。
疲れた。
火葬のみの送りが気に入らなかった様だ。
だが、吾には成す術が無かった。
矢張り関わらぬ方がよいと痛感した。
吾は疲弊した。
アホ叔母の言葉ではなく、社会人になってから今日迄の実生活に疲弊してしまった。
心から笑えた日が在っただろうか.....。
祖母との二人暮らしが楽しかった。
此れだけは特別だった。
自分が自分らしく振る舞えた。
其れ以外は記憶に残っていない。
親戚付き合い程面倒臭い事は無い。
何処か、吾の事を知らない人が居る他所の土地に移り住みたい気分である。
孤独が悪い訳じゃ無い。
寧ろ孤独がいい。
必要以上の人間関係は要らない。
必要最低限でいい。
叔母サイドとの関わりは要らぬ事項である事は確かである。
そして今思えば、愛人を作った元嫁との離縁も、アホ叔母が云った意味不明な「他人を遠ざけている」性分がそうさせたのだろうか.....。
まぁ、凡ては吾が悪いのであろうと、まぁそう云う事にしておく。