今日は東京は1日雨でしたね。
テニスができなかったので、家で全仏オープンの録画映像を編集していました。
随分過去の録画もあったのですが、その中で見つけたのが2012年のヴォズニアキvsカネピ戦。
この頃のヴォズニアキはYONEXのVCORE100を使っていました。
(その後、BABOLATに契約変更して今はアエロを使っています)
当時の私は、彼女に憧れてVCOREを買いました。
「スピンがかかりやすい」というコメント通り、その試合でもムーンボールっぽい
滞空時間と奥行きのあるスピンと、ベースラインの2m手前に落ちるつなぎのスピンと
スピンのバリエーションを使い分けていました。
しかし、彼女の1番の持ち味はやっぱりコントロール。
シングルスのサイドラインとベースラインの左右交点の30cmくらい手前に、
絶妙にコントロールしてくる。
カネピは、いくら攻めてもそうやっていいところに返ってくるので、さらに厳しいところに
打たなきゃと自らにプレッシャーをかけてしまって、結局先にミスをしてしまう。
レベル高く拾いまくることで相手を自滅に追いやる、高度な攻撃です。
よく「攻撃は最大の防御」といいますが、ヴォズニアキのテニスを見ていると
逆もまた然りなのだなと思います。
また、当時はパワーテニス全盛の時代で、彼女はこなしている試合数が多いので
トップに近い順位をキープしていましたが、トップ5の選手にほとんど勝利していないことが
よく批判の元になっていました。
「あんなに球威の無いボールを売っていたら、そりゃトップには勝てないよ」と・・・。
確かに、セレナのように球威も精度も素晴らしい選手に勝つのは難しい。
(ただ、あの時の(調子のいい場合の)セレナには誰も勝てませんでしたけどね・・・)
それでも、ヴォズニアキは全く自分のテニスのスタイルを変えませんでした。
その後6年、彼女は2018年の全豪オープンでようやくグランドスラムを制します。
2018年と2012年とで違うのは、ショートクロスにもウィナーを打てるようになったところ。
そして、長いラリーをカットするドライブボレーが加わり、サーブの威力もかなり上がりました。
でも、レベル高く拾いまくるというベースのスタイルは全く変わっていません。
女子テニスは、2012年も現在も、パワーテニス全盛であることは特に変わっていません。
(大坂なおみが、新世代のパワーテニスの代表ですよね)
でも、それでもヴォズニアキはグランドスラムを獲りました。
おそらく、長年の努力が報われて万感の思いだったはずでしょう。
それでも、彼女は優勝スピーチで相手のハレプを思いやるコメントをして
「今日は私が勝ってしまって・・・ごめんなさい」と少し申し訳なさそうにしていました。
彼女のこういう姿を見て、「勝負師として甘い」と批判する見方もあるのでしょう。
でも彼女は、あくまで自分の気持ちに、そして自分のテニスに正直なのだと思います。
私達は、いつでもその時の時流や雰囲気と無関係ではいられません。
ヴォズニアキも「勝つためには私もハードヒットした方がいいのかな・・・」と
悩んだこともあったはず。
それでも彼女は自分のテニスを変えず、自分のやり方で成功しました。
時流や結果にとらわれず、自分を見失わず、自分のスタイルを保つこと。
そのことの大切さを教えてくれる選手であり、以前も今も私にとって憧れの存在です。
私たちも、自分のスタイルを見つけ、それを大事にして行きたいですね。
(・・・ここで稲葉浩志の「羽」に思わず触れたくなりましたが、それはまたの機会に笑)
最後までお読みいただきありがとうございました。
明日の東京は晴れるようです。素敵な日曜日を。