●牛丼と石綿と

「石綿って今、問題になってるんだよね」
「へぇーー
という会話、かなり前にした記憶がある。
なので今になってアスベストが原因で多くの死者が出ていると報道されているのを見て正直驚いた。

でもボクの昔のこの記憶、勘違いではなかったようだ。

10年前に規制法案がつぶされているということが分かった。
ギョーカイ団体の激しい抵抗が廃案に追いやったらしい。

文書の内容がテレビで紹介されていたが、まずブっとんだのが
「業界が打撃を受けるので」という理由づけあること
どうせウソっぱちで固めるんだったら
「健康障害は起こり得ないと確信できる」
という説明だけでいいはず。
　風評被害への反論ならともかく、法案として上っているものに対するコトバではない。

もし自分がウソをつく立場だったら「業界が打撃を受けるので」などという利己主義的な文言を入れたら説得力を失うのでむしろ避けそうなものだけど、政治家相手には充分意味のある理由になりえるらしい。

　こないだのディーゼル車のガス浄化装置のデータを捏造。
これがもし三井物産という巨大企業の仕業ではなくもう少し弱小な企業だったとして賠償や装置の回収費用で経営が傾くような場合、東京都が手心を加えてやらないと、人と非難されるなんてことがあるのだろうか？
ありそうだからコワイ…（もちろん一切のの利権に関わらないくらいの弱小だったらさっさと切り捨てられるんだろうが…）

　そこへきて外食産業の業界団体が米牛肉輸入再開求め集会
アメリカの牛肉の安全性に対する調査の怪しさが取り沙汰されているこの時期に
「もう我慢の限界」って…

結局、これも
「業界が打撃を受けるので」
ってことか

ここで消費者が「NO」と態度で示せばいいのだけど
狂牛病が話題にのぼったころには焼き肉店に閑古鳥を鳴かせていた人たちが
（安全性についてはなんら状況は変わっていなかったのに）
今度は吉野屋に行列をしちゃうんだから望みは薄いか…

「牛肉だけを避けたっていろんな製品に原料として使われてるからどうせ避けきれないんだぜ」
なんてしたり顔で語るウンチク野郎も出てきそう。

「ビクビクするより好きなもの食べて、楽しい人生送ったほうがいい」
なんていうやつもいるが、

そんなグルメぶるんだったら牛丼ぢゃなくって和牛とか高い肉食ってくれよ（笑）

牛丼が人生を賭ける美食ではない気がするが…