●レイザーラモン住谷が世界を救う？

　今、レイザーラモンが熱い。関西のハードゲイ芸人レイザーラモン住谷こと住谷正樹がTBSの「バク天」で東京進出を果たした。
　以前も「はねるのトびら」の前身の深夜番組「波8」にもコンビで出演したことがあったが今回は単身上陸、本格的ブレークの予感…。

　出演内容はハードゲイパワーをフル活用して世の中のためになることをするというもの。好評につきすでにシリーズは第二弾（出演自体は3回目?）。
　その中にポイ捨ての若者を注意するというのがあった。どうせキレられて終わりだろうと思って見ていたら結果はラモンの腰のバイブレーションに若者が気圧され降参。
　以前、登龍門のレスラー、ストーカー市川が同様な企画をしたことがあったが、結果は『電波少年』の松村同様、土下座の嵐だった。レイザーラモンとはWWEのスーパースター、スコット・ホールの旧リングネームから拝借したと思われるが、今回の“偉業”で学生プロレス出身の住谷が“マッチョの最終形”であるプロレスラーを超えたことにはならないだろうか？。（あの「フゥー!」はリック・フレアのそれを凌駕している（笑））

さて
　このバラエティ番組の一コーナーは現代社会に大きな示唆を与えてくれたかもしれない。「ブロークンウインドウ理論」というのがある。ひとことで言ってしまえば汚い街では犯罪が起こりやすいというものだ。例えばどんなヤクザものでもピカピカに磨いた床には痰をはいたりしないだろう…みたいな。禁煙のはずの駅のホームでタバコ吸ってるやつは大勢いるけど、車内で吸ってるヤツってほとんど見たことないでしょ。
　社会ってのは「さすがにこういうところで、そういうことはしずらい…」という心理的な“共通の結界”みたいのが知らず知らずのうちにできてるわけで、それは街にかぎらず言葉とかモノとかいろいろな価値観の中に存在する。
　“地域性”なんてのもそういうノリだろう。うちの田舎じゃ当たり前のように●●してた、とか食ってた…とか。●●出身のおれとしては、それはようせんわ…とか。
　某アイドルの窃盗じゃないけど、日本で犯罪が増えたのは日本人が凶悪になったというよりは「それくらいのことフツーにでしょ」って雰囲気が蔓延したからじゃないだろうか。「万引きなんてカジュアル」とでも言うような…。
　「世の中に希望が持てないから自暴自棄になる」とか、事態はそう単純ではないのかもしれないけど、ひとたびハマればスルスルと出口が見えてくるかもしれない。
　だって「ブロークンウインドウ理論」だってあの犯罪大国のアメリカで生まれそれなりに結果をあげてるってんだから。
　今の世の中の“対策”って罰則強化とか厳重な警備という「北風型」の対応に走りがちだけど、それだと結局マンツーマンカバー的で量的にムリが生じて限界がありそうだ。レイザーラモンの腰のバイブが「太陽型」かどうかは、わからないけど、若者がキレずに吹き出してしまったって事実を見せられると、そういう“柔らかいところ”になんかしらの答えがあるんじゃないか？って思える。
　きっとヒントはそこらじゅうに存在しているんだ。

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蛇足：
　コンビの片割れだけがブレークすると気になるのが相方だが、住谷の相方の結婚したときの記事。「お互いがメロン記念日とプロレスが好ということで意気投合してゴールイン」…ってなんのこっちゃ（笑）