ゴースト・オブ・ツシマ～対馬の亡霊が日本を滅ぼす。

　

　今回書くことがホントは★前回★書きたかったことなんだけど、ワシントンポストの記事を見つけちゃったんでああなった。リベラルを標榜する論客までもが武士道を信じてるなんてのは見過ごせないとも思ったし、日本人ってのはよく描かれている分には、事実が歪められていてもへっちゃらというのも後々あぶねーと思ったしね。

「ヨーロッパに幽霊が出る……共産主義という幽霊である」

というのは「共産党宣言」の有名な冒頭だけど
「国会に幽霊が出る……対馬の亡霊である」

というのが令和の日本だ。

　…実はこれは昭和から？、いや明治から？、ひょっとしたら鎌倉時代からかもしれない。
　ゲームで意味する亡霊が何かは知らないが、日本人がもっとも踊らされている「対馬の遺物」といえば「神風」そして、前回、さんざん触れた「武士道」だろう。
　「武士道」が伝統などではなく20世紀の発明・捏造だということは★前回★の通り。それでも元寇の時に「戦い方の違いにとまどった」という史実はあったらしいので、それがいろんな解釈をされゲームクリエイターにもインスピレーションを与えたのかもしれない。
　そして「神風」。２回目のモンゴル襲来の時、台風が蒙古軍を停滞させ、結局、退けた。神さまに守られたっていうけど、「天は我々を見放したぁぁぁ」って天皇陛下の軍隊も「八甲田山」ではちゃんとやっつけられてるじゃん。神様は平等なんだよ。ここに気づいていたら第二次世界大戦の「神風特攻隊」なんてなかったかもね。でもそうはならなかった。
　これは気象現象や天災、あるいはもっと大きなシステムに対しての日本人のスタンスにも影響し、ずっと改定されることなく今日まできてしまった。
　つまり天災はだれの責任でもないと思っているから、カメラのあるところでは自衛隊を派遣するけどピークがすぎたら復興などはおろそかにして、五輪にはしる。
　五輪のまわりにはカメラがいっぱいあるけど、ピークをすぎた被災地なんてほとんど報道しないからね。なにしろ報道機関は大抵、五輪マークつけてるから。あの五輪の闇に切りこんだ毎日新聞でさえ五輪サポーターだかなんだか五輪ロゴ掲げてる。
　天災被害は時が解決してくれるとでも思ってるのだろう。でも「放射性物質の半減期」って知ってる？平均寿命がいくら延びたっていってもとても追いつかないんだぜ。
　不織布マスクとウレタンマスクのちがいとかのシミュレーションはさかんにするけど、コロナ対策全体の検証にあの日本が誇るスーパーコンピューター「富岳」は使わないのかい？スパコンの得意技として喧伝した「地球シミュレータ」なんかより、よっぽど小規模だろうに。そもそもスパコンのもうひとつの得意分野「創薬」方面でも、今回ぜんぜん諸外国から遅れとってるぢゃん。すごいハードはあるけど、ソフトウェア分野で遅れてるんぢゃないの？コンピュータ、ソフトかけりゃただの箱。

　で、結局、政府の見解はいままで日本が感染が少なく抑えられていたのは「高い民度」のおかげだった。これも武士道神話の派生分泌物だろうか。
　これをわかりやすく翻訳すると

なんだかんだ言っても、結局だいじょうぶっしょ

これが、むかしから変わらぬこの国の姿勢だ。いままでは大抵のことは「経済力」というセボネでなんとかなってきたという成功体験もその行動原理につながっているのだろう。

　「根性論」もやばいけど、それでも誰かが働かされているという実体がある分、危機管理的にはまだマシだ。
　でも「民度論」に実体はないし「武士道」的な「武士は食わねど高楊枝」とか「欲しがりません勝つまでは」といった「精神論」で我慢だけ強いられたら、死ぬよ、みんな。
　ラグビーで流行った「for the team」や「ワンチーム」も日本人にとっては滅私奉公の訳語だったのかもしれない。みんな死ぬよといったけど、全滅はしないだろう。死なない側に残ろうと身内同士で「民度」の低い争いがおこらぬことほ望む。

　　　

★前回★  

武士道ラッパー宇多丸はウルトラナショナリストなのか？～ウは宇宙船のウ、宇多丸のウ、宇内のウ、右翼のウ

巨大怪獣はしれっと歩くだけで
町を破壊もします
人も死にます