偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

●オリンピックはどこにいく?(女子フィギア雑感その2)

2006年02月27日 14時36分53秒 | ◎スポーツ
 安藤美姫の演技終了後、解説者は
「安藤さんは1月の全日本選手権で6位という時点で準備ができていなかった」
と説明した。

それを聞くとよけいに彼女が代表に選ばれたことが不可解。

 4回転ジャンプって確かに成功すればすごいんだろうけど、練習でもほとんど成功しないようなものを“持ちネタ”として公言するのがよくわからない。これはあくまで想像だけど、練習で、しかもあの程度の成功率だったら世界の体力自慢な五輪予備軍ジュニアのなかにできるコがけっこういそう…。
 とにかく、たとえ160キロの剛速球投げれても、ストライク4回に1回しかストライクはいんなかったら勝つことはできない。

 あんな成功率で「失敗しても成功してもトライしたい」って思い出づくりかっつーの

 そう“思い出づくり”といえば、最近の選手は何を考えてるのか

「まず自分が楽しみたい」

 …なんて言いやがるけど、結果が伴ってる国の選手とかが言えば“演出として”さまになるけど、そうでなけりゃ最初っから負けたときの言い訳してるようにしか聞こえない。

 だいたい、国民の期待と共に、あまり競技に関心のない人の税金までも背負ってるんだから、こんなアメリカンジョークは不謹慎だろ。

 安藤美姫にかぎらず、不可解な代表選考のウラにはスポンサーの意向ってのがあるらしいけど、ってことは国民の税金も間接的にスポンサーの宣伝活動を補助してるにすぎないことになってしまう。

 こうなったらいっそ五輪代表チームも完全民営化してくれ。ファンド化でもすれば一般人はメーカー主導のアイドル選手なんかよりよっぽど必死に、しかも大人の事情という“しがらみ”とは無縁なところで有力選手を選ぶだろう。そうしたら才能の発掘人みたいなプロも現れるかもしれないし、種目によっては新たな賞金レースが新設されたりするかもしれない。
 その場合ももちろん企業スポンサーがからんでくるかもしれないけど、現状と違って間接的で多様性も維持できるので今よりはマシなはず…っていっても具体的な仕組みはどうすればいいのか今はわからないけど…。

 自分の実力と関係ないところで勝手に選ばれたという意味では選手本人も被害者で可哀想ともいえるけど、ふがいない結果(それがめいっぱいの実力だったとしても)の後に「きもちいい」とか「4回転やってよかった」なんてコメントしてるのみたら同情する気が失せた。(あまりのプレッシャーでテンパっちゃったんであの発言…って見方をすればやっぱり同情すべきなのか?)

 ところで女子フィギアのフリーの前日にNBCのプロデューサーとかいうお方が松岡修造のインタビューを受けていたけど、彼は

1位 - 荒川
2位 - スルツカヤ
3位 - 村主
4位 - コーエン


 と、こんな順位予想をしていた。
 これは日本のメディアに対するリップサービスかとも思ったが、自国のコーエンをメダル圏外にしたところにリアリティを感じプロの見識と見た気がした。
 プロデューサー氏曰く、サーシャはいままでここ一番の時にしくじってきたので、今回もまだ信用はならない…ってことだった。で事実コーエンはコケたし“展開予想”という意味では彼の予想は的中していた。

 日本にはこういう“真実”を語ろうとするコメンテイターがほとんどいない。それが根拠のないメダル予想に反映されて国民の落胆を増幅させる。
 きっとコメンテーターたちも一生懸命スポンサーの顔色をうかがっているのだろう。引退後の人生計画に必死なマイナースポーツのアスリートはスポンサーのCMがガンガン流れてる番組の中で
安藤美姫ちゃん、メダルはムリ」
 なんて、とてもいえないかもしれない。

 数少ない記憶では前にヨーコ・ゼッターランド氏がアテネの時にバレーボールに関して辛口予想(妥当な予想)をしてたけど、彼女もまた日本のスポーツシステムからはじき出された人だったというのが象徴的でもある。

 要するにシステムを根本から改善していかないとメダルはとるのは難しいのだ。少なくともそれがまともになるまでは自国開催なんて手をあげないほうがいい。
 

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