ウェルター、スーパーウェルター、ミドル級と3階級制覇した元プロボクサー。
最初にIBFのウェルター級タイトルを獲った試合は今でも覚えている。
この試合はWOWOWエキサイトマッチで観た。
トリニダードは1ラウンドから王者モーリス・ブロッカーを圧倒していた。
小刻みなステップからジャブ、左フック、右ストレートを繰り出す。
空振りする左フックは凄まじく、右ストレートは突き抜けるような伸びがあった。
1ラウンド終了間際打ちおろし気味の右が当たり王者はグラつく。
2ラウンド、さらに攻勢を強める挑戦者の連打をまとめて食らった王者は
顔からリングにダイブした。
防衛戦のラモン・カンパス戦は自分が一番好きな試合。
ダウン応酬の打撃戦の末に4ラウンド、56戦全勝のタフな相手をTKOで下した。
他にもトロイ・ウォータースをかすめたような左フックで倒したシーンも印象的だった。
オスカー・デラ・ホーヤ戦は残念だった。これは消極的な試合をしたデラホーヤが悪い。
それから階級を上げフェルナンド・バルガス、日本で竹原慎二、保住直孝をTKOした
ウィリアム・ジョッピーをも倒す。
ウェルター級のクラスでも打たれ弱い方で耐久性には不安があったが、パンチ力は
階級を上げても通用した。
トリニダードは筋骨隆々としていなくてほっそりしたしなやかな体をしている。
それであんなにパンチが強いのだから、きっと筋肉の質がすごく良いのだろう。
それとパンチの軌道。
バルガス戦、ジョッピー戦で特に自分が感じたのが、トリニダードのパンチを相手が見切れて
いないことだ。
「パンチを打ってくる」というのはわかっているのだが、パンチ自体の伸び、腕のしないなど
すごくて相手は見切ることができず食らってしまうのではないかと思う。
バーナード・ホプキンスやロイ・ジョーンズ戦は善戦したものの、彼らとはいかんせん
体力、対格に差があった。
個人的にはウェルター級でアイク・クォーティとの対戦が観たかった。