這うようにして車に乗り込み宿に戻った自分に、別の部屋に泊まっていた
同じく完走したランナー2人から「一緒に飲まないか」と誘われた。
正直自分は部屋に戻り早く休みたかったのだが、少し付き合って一緒に飲んだ。
誘ってくれたランナー2人は、過去にもこの大会に参加して完走しているらしく余裕を感じた。
自分はと言えば、翌日になっても足の痛みはおさまらなかった。
足の裏が痛くてまともに地面に着けない。着くたびに強い痛みを感じた。
この痛みが和らいだのは、大会から3日経ってのことだった。
大会を終えた自分は、次に行政書士として開業する準備に本格的に取りかかることにした。
6年半勤めた会社に辞めることを伝えた。
自分にしては長く勤めた会社だったが、寂しさはなかった。
父には開業を反対された。自分には無理だろうと思ったのだろう。
しかし自分は開業したいという考えで頭がいっぱいになっていた。
その頃特養を転々としていた母方の祖父が、体調を崩し病院に入院していた。
そして入院して間もなくして、あっけなく息をひきとった。
祖父は祖母が亡くなってから認知症になり、いろいろ大変だった。特に母は大変だったと思う。
祖母は自宅での大往生だったが、祖父は長い間私達家族といろいろあった。
祖父と父は自分が子供の頃からの長い間仲が悪かったのだ。
しかし亡くなってみると寂しいものだ。
葬式で出棺の時はこみ上げてくるものがあった。
そして自分がこれから開業しようという時に祖父が亡くなったのは何かあるのかなと思った。