3Dプリンターのモデルデータをつくる時にモデラーソフトの選択を
どうするかが素人にとっては悩むところだ。無償もしくは廉価な
ソフトをうまく使いこなしていくことが、無償でも効率良く綺麗な
モデルデータをつくるために必要になってくる。
いろいろ情報を集めた内容のポイントをまとめてみた。
3Dプリンターでプリントするためには
点、線、面のほかに奥行きを与えたX、Y、Zの座標値をそれぞれ持つ
立体物としてモデラーを使って3次元モデルをつくっていくわけだが
モデラーのソフトを選択するとき、3次元を表現する方法として
主に3つあることをまずはおさえておこう。
■ワイヤーフレーム
輪郭を表す線のみで表現。色や影はつかない。
立方体などは辺のみを描画し、曲面などは網目状の
線で表現する。
情報量が少なく、高速に描画できるなどの利点が
あるがサーフィスモデルでできる美しい曲面を作成することはできない。
■サーフェスモデル(主に3DCG系モデラー)
点と中身がない面の集合体で表現。体積、重量を
求めることは出来ない。
サーフェスの特徴は面がメッシュに分割されていて
法線をもつ。
自由度に複雑な形状の表現ができる。その半面作業効率は悪い。
ポリゴンを細かくするときれいな曲面に見えるが、
その分処理が非常に重くなる。デザインが得意。
■ソリッドモデル(主に3DCAD系モデラー)
中身がある閉じた面の集合体で表現。断面、干渉、
体積、重量を求めることが可能。
メッシュのラインはない。簡単な形状(直方体、
円筒等)しかできない。
サーフェスと違い自由な曲面をつくることは出来ない。
そのためNURBS(ナーブス)と呼ばれるサーフェスの曲面を利用して
曲面形状を作成。
迅速な作業が出来るが、自由度が少ない。設計が得意。
どのモデルでつくっていっても最終的には
3Dプリンター用にSTLフォーマットの三角形の
ポリゴンメッシュに変換しなければならない。
チェックポイント
モデルの形から判断してそれぞれの特徴を生かして使いわけるのがいい。
・大まかな形状をソリッドでつくり、デザイン面はサーフェイスで
つくって、それでソリッドをカットして形を整えてからシェル化で
均一の厚みをつける
・サーフェイスで基準になる面をつくり、それに肉厚付けしてから
ソリッドでつくった外形の輪郭でカットする。。。とか
Rhinocerosのようにサーフェスとソリッドの両方使えるモデラーもある。
モデルの形から判断してそれぞれの特徴を生かして使いわけるのがいい。
・大まかな形状をソリッドでつくり、デザイン面はサーフェイスで
つくって、それでソリッドをカットして形を整えてからシェル化で
均一の厚みをつける
・サーフェイスで基準になる面をつくり、それに肉厚付けしてから
ソリッドでつくった外形の輪郭でカットする。。。とか
Rhinocerosのようにサーフェスとソリッドの両方使えるモデラーもある。
また、モデラーソフトによって使えるファイルフォーマットが異なるので
ファイルフォーマットの互換性もあわせておさえておきたい。
■3DCAD系モデラー(主にソリッドモデル)
DXF(Drawing Exchange Format)
Autodesk社のAutoCADの異なるバージョン間のデータ互換を目的とした
ファイルフォーマット。
多くのCG、CADソフトがサポートし、CG、CADソフトの中間ファイル
フォーマットとして広く使用。
点データ、直線データ、円弧データ、折れ線データ、スプライン曲線
データ、3D面データなど、多くの種類の3Dモデルデータの記録に対応。
アスキーフォーマット。
DWG(Drawing)
Autodesk社のAutoCadの標準ファイルフォーマット。
二次元もしくは三次元のベクトルデータをはじめ、レイヤ (画層)
・線種・ハッチング等の図面データおよびメタデータなど。
バイナリーフォーマット。
IGES(Initial Graphics Exchange Specification)
異なるCAD間でデータを交換する際に使用する中間ファイルフォー
マットの一つ。
実質的な世界標準のフォーマット。
アスキーフォーマット。
STEP(STandard for the Exchange of Product model data)ISO10303
国際標準化機構(ISO)による標準規格。
異なるCADソフト間においてもデータの互換が出来るよう徐々に普及。
アスキーフォーマット。
SXF(Scadec data eXchange Format)
STEPの規格の一つで、異なるCAD間でデータをやりとりする際に使用する
中間ファイル形式。
アスキーフォーマット。
■3DCG系モデラー(主にサーフェスモデル)
3DS(3D Studio)
Autodesk社の3D モデリング ソフト3ds Max(3D Studio)のファイルフォーマット。
多くのCGソフトがサポートし、CGソフトの中間ファイルフォー
マットとして広く使用。
マテリアルデータ、立面図データ、光源データ、視点データの
記録にも対応。
バイナリーフォーマット。
OBJ(Wavefront Object)
Wavefront社のAdvanced Visualizerのファイルフォーマット。
多くのCGソフトがサポートし、CGソフトの中間ファイルフォー
マットとして広く使用。
記録される3Dモデルデータは、頂点座標値データ、頂点法線ベクトル
データ、テクスチャ座標値データ、凸多角形面データなど。
テクスチャデータ、マテリアルデータの記録にも対応。
アスキーフォーマット。
STL(STereo Lithography)
3D Systems社のSLA CADのファイルフォーマット。
多くの解析ソフトがサポートし、三角形メッシュソリッド表現の
ファイルフォーマットとして広く使用。
3Dプリンターで使われる標準ファイルフォーマット。
記録される3Dモデルデータは、三角形の面法線ベクトルと3つの
頂点の座標値。
三角形の頂点の順番と面の表裏の関係は、右ねじの規則に従う。
アスキーフォーマットとバイナリーフォーマット。
VRML(Virtual Reality Modeling Language)/WRL(World)
仮想の3次元空間を表現する言語ファイルフォーマット。
3Dポリゴンの頂点および線の座標、ポリゴンや色や画像による
テクスチャー、光源による明るさなどを指定できる。
また、インターネット上の別の場所にある画像やVRMLファイルを
指定できる。
アニメーションや光源、視点の設定などといったインタラクティブな
効果も設定でき、一種の仮想空間を構築できる。
さらに、Scriptノードを使って、Java・JavaScriptなどのプログラ
ミング言語と連携させた動作を行うことも可能。
アスキーフォーマット。
モデラー標準のファイルフォーマットがベストだが、モデラーを使い
わける場合は、互換性も考えてファイルフォーマットを選ぶことも
必要になってくる。
チェックポイント
気に入ったSTLデータをダウンロードしてソリッド系モデラーで
編集しようとする場合には注意が必要だ。
STLデータの三角形のポリゴンメッシュのモデルをソリッドに変換しても
その三角形の形状は変わらない。元のソリッドモデルにはならない。
また、無償のソリッド系モデラーではSTLファイルをインポートしても
ポリゴンメッシュのままなので細かな編集はできない。
気に入ったSTLデータをダウンロードしてソリッド系モデラーで
編集しようとする場合には注意が必要だ。
STLデータの三角形のポリゴンメッシュのモデルをソリッドに変換しても
その三角形の形状は変わらない。元のソリッドモデルにはならない。
また、無償のソリッド系モデラーではSTLファイルをインポートしても
ポリゴンメッシュのままなので細かな編集はできない。
中間ファイルを上手く使ってインポートすればSTLファイルも
DesignSpark Mechancalなど無償のソリッド系モデラーで
編集可能になる場合もある。
その1つがSketchUp形式だ。
Skpファイルをインポートできるソリッド系モデラーであれば
STLファイルを一度SketchUpにインポート(STLプラグインが必要)して
SketchUp形式で保存したものをインポートすれば編集可能になる。
但し、モデルの形状によってはインポートの段階でできない場合がある
ので注意。そのときはSTLファイルをOBJファイルに変換してからSketchUpに
インポート(OBJプラグインが必要)するとうまくいくものもある。
あとSTLファイルを123D Designで編集したい場合は、STEP形式に
変換してインポートすれば可能になるが、それに使えそうなフリーソフトは
InStepの制限付きフリーバージョンがあり123D DESIGNで編集できる
ようになる。
制限なしの有償のInStep Basic版は$20(2000円)ぐらいなのでそう高くはない。
InStep (Solveering LLC) https://www.solveering.com/instep.htm
その他、有償のもので年間ライセンスが6000円程度かかるが
AUTOMAPKI社のAutoconverterがある。
http://www.automapki.com/products/autoconverter.html
インポートできるのは、
IGES、BREP、3DS、OFF、STL、OBJ、PLY、3DMとSKPファイル形式。
エクスポートできるのは、
STEP、IGES、BREP、STL、OFF、OBJ、3DS、IV、PLY、VRML
、3DM、SKPとのSATファイル形式。
法線を統一、ファセット反転、マージと分割シェル、穴埋めなどの
自動修正、メッシュ編集も可能。
※評価版では評価期間は5日間のみフル機能が使える。
無償DWGオンラインコンバータSTL2DWG(CADforum.cz)
http://www.cadforum.cz/catalog_en/stl2dwg.asp
STLファイルをAutoCADのDWG形式に変換してくれる。
今のところ123D Designでつくった123dx形式のモデルデータを
他のソリッド系モデラー用にフォーマット変換する手段がないので注意!
※2015/11/5リリースのAutodesk 123D Design Ver1.8から
STEP/SAT保存が無償になりました。
※ブログ内参考記事
初心者にとって実質無料だった凄い3DCAD「Autodesk Fusion360」が登場!ということで使い倒してみたまとめ
http://blog.goo.ne.jp/t2com1230/e/5b75825ffc56e3b737744befc33aa98e
モデラーによってファイル形式の互換性や仕様が異なるようなので
いろいろ試してみよう。
※Fusion 360の購入はこちらから。
.123dxが重くなって、転けるときも、
smtにしてsatに変換後、再読込しますと軽くなります。
コメントありがとうございます。
>再読込しますと軽くなります。
それは知らなかったです。
情報ありがとうございます。