10/20アルルから国鉄でマルセイユ経由、エクスアンプロバンスに着く。
●国鉄エクスアンプロバンス駅
宿は駅から歩いて20分ほどの旧市街地にある。すぐ近くに市役所があるが、ここも立派で重厚。そこに併設して時計塔がある。随分古そうだ。人形がいたので正時に動くのかなと思うが結局見なかった。
●市役所の時計塔
宿の近くにはまたサンソブール大聖堂があり、ロマネスクである。ここで面白かったのは、回廊があるはずなんだがと探していたら、寺男が来て 「ちょっとここで待っていろ」と言う。それから鍵を持ってきてこっちに来いと手招き。鍵を開けるとそこは素晴らしい回廊があった。ゆっくり回ると出口に寺男がいて何やらの素振り。ははんと思い1€チップを渡すと嬉しそうに受け取ってくれた。寺男のアルバイト。
●サンソブール大聖堂の回廊
ここから道沿いにもう少し北の方へ行くとジョゼフセックの彫像群 がある。これはフランス革命を記念してつくられたということだ。
●ジョゼフセックの彫像群
この地はセザンヌが生まれ、生活し、一生を終えた地である。彼は銀行家の息子として生まれたが、絵を描きたくて結局跡を継がず、パリに絵の勉強にも行き、帰ってきてからこの地で絵描き三昧の生活を送った。当時はこの地では彼の絵は全く評価されていなかったそうだ。(ただし生活には恵まれていたそうだ。)今でもこの地にはセザンヌの絵は1枚もない。
●ジャドブファン(セザンヌのお父さんの別荘、ここで多くの絵を描いた)
宿からジャドブファンまで小1時間かけて歩くが、入り口が分からずぐるっと回って見つけた。広い庭で別荘が奥の方にあり両側に並木があり、「絵になる風景」である。しかし別荘は閉まっていてツーリズモのツアーでしか中が見られないようだ。
そこからの帰り道、なんと東方向にサントビクトワール山が見えるではないか。
●市内から見るサントビクトワール山 彼はこの山の絵を数十枚も描いたと言う。
私もこの後この山がもっと見える石切り場(ここもセザンヌは何回も描いている)に歩いて行ったが、結構距離がありそうで、またすごい急坂になってきたので途中であきらめた。ここに行くツーリズモのツアーもあるらしい。
あきらめて帰る道、クラネ美術館に向かった。クラネ美術館は2つあって一つは閉まっていたが、もう一つの現代美術のコレクションを参観した。教会を利用した美術館でなんと「ただ」、しかもピカソ、モネ、ゴッホなど素晴らしい作品を展示していて堪能した。
●クラネ美術館
翌朝、市の南の方にある「アルボー博物館」に行ったが、古い瀟洒なお屋敷で18,19世紀風の家具などがあり、当時の様子がしのばれたが、それ以上のものでもなかった。しかし、ここのサロンで「セザンヌ」の生涯の映画(20分)が上映されていてそれは為になった。