坐花酔月 徒然日記

 「花咲く処に腰を下ろし 月を眺めて酒を楽しむ」 この一年、どんな年になるのか。

『喫茶やまねこ』 鳥渡OPEN編

2021-07-10 17:23:10 | 週末は山荘で
 
前の職場の先輩Y子さんから「ちょっと見てもらいたい書物がある」とメールがあり、早速『喫茶やまねこ』でお会いして拝見させてもらいました。
昨年退職祝いを催してもらった以来、約一年ぶりの再会でしたが、お互い劇的な変化もなくマイペースに過ごしているところが良かったし安心した。そして「木村屋謹製之善キ菓子箱持参也」(古文書風に)、ありがとうございます。


◯和漢朗詠集巻下 雑之部 表紙

一冊目は『和漢朗詠集』。表紙には「…詠集雑之部二」と、なんとか読めそうです。


[ぞう]
 風[かぜ]
春風暗剪庭前樹 夜雨偸穿石上苔 (春の風は暗[そら]に庭前の樹を剪[き]る 夜の雨は偸[ひそかに]石上の苔を穿[うが]つ) 春日山居 輔昭
入松易乱 欲悩明君之魂 (入松[じふしよう]乱れ易し 明君が魂を悩まさむとほっす) 
流水不帰 應送列子之乗 (流水返らず まさに列子[れっし]が乗りものを送るべし) 風中琴 紀長谷雄

和漢朗詠集[わかんろうえいしゅう]は、平安時代中期の歌人で公卿の藤原公任(藤原北家小野宮流)が漢詩・漢文・和歌を集めた、朗詠のための詩文集(ソングブック)である。長和2年(1013年)頃に成立した。『倭漢朗詠集』あるいは巻末の内題から『倭漢抄』とも呼ばれる。勅撰和歌集『古今和歌集』等にならい上下二巻で構成されていて、上巻は「春 夏 秋 冬」の四季の歌、下巻には雑の歌「風 雲 晴 暁 松 竹 草 鶴 猿 管絃附舞妓 文詞附遺文 酒 山附山水 水附漁父 禁中 古京 故宮附故宅 仙家附道士隠倫 山家 田家 隣家 山寺 仏事 僧 閑居 眺望 餞別 行旅 庚申 帝王附法王 親王附王孫 丞相附執政 将軍 刺史 詠史 王昭君 妓女 遊女 老人 交友 懐旧 述懐 慶賀 祝 恋 無常 白」が収められている。[wikiより]


この書物は、雑の歌が収められた下巻。「あとがき」後の囲みには、「和漢朗詠集は往昔より童子素読の入門とすること都鄙にわたりて尤も梓行の書多し〜」と記され、当時の子供たちの教養テキストのようです。「奥付」には東都書林(江戸出店の本屋さんの意)の西村屋與八郎、大嶋屋傅右衛門とはあるが、出版年は記載されていない。ひらがな(ルビ)を付してあるし天保期から幕末頃かけて摺られた本じゃないでしょうか。


◯魁本大字諸儒箋解古文真宝 表紙

二冊目は『魁本大字諸儒箋解古文真宝』。表紙には「古文」とだけ読めるが、最初のページに「魁本大字諸儒箋解古文真寶 巻之四 前集」と記されている。やはり出版年月等は見当たらないけど、一冊目と同時期なんじゃないかなと思います。


七言古風短編 四句 蛾眉山月ノ歌 李太白(李白)
峨眉山月半輪秋 影入平羌江水流 夜発清溪向三峡 思君不見下渝州
(峨眉山月 半輪[りん]の秋、影は 平羌江[へいきょうこう]の水に入りて流る、夜 清溪[せいけい]を発して 三峡に向かう、君を思えど見えず 渝州[ゆしゅう]に下る)

「『峨眉[がび]山月[さんげつ]の歌[うた]』とは盛唐の詩人・李白[りはく](701~762)の代表的作品の一つです。七言絶句、わずか28の文字の中に5つの地名・12の文字、残りわずか26の文字で雄大な景色と時の流れ、そして抒情[じょじょう]を歌っています。」と解説されている。


『魁本大字諸儒箋解古文真宝』[かいほんだいじしょじゅせんかいこぶんしんぽう]は、漢代から宋代までの古詩や文辞を収めた書物で、著者は元黄堅輯。黄堅[こうけん]は中国・元初の学者。古文真宝の編者として知れれる。」と紹介されている。

このような書物で、Y子さんのご先祖さま方は勉強されてたんですなぁ。幕府・天領から庄内・酒井家預り地となった余目の館地区で、家柄的にも経済的にも恵まれていたんでしょうね。素晴らしい!
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