治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

突破口って考えれば?

2011-11-25 12:15:18 | 日記
ちゅん平さんが、先日の講演で披露してくれた話なんだが

作業所から一般企業へ移りたい、という希望を伝えに最初ハローワークの障害者担当者を訪れたとき
「けんもほろろ」な対応を受けたそうだ。

私はこの話を聞いたとき、「これまで手帳を持った人がたくさんやってきて、就労してはうまくいかない例を一杯見ているから、最初キツメのこと言うんじゃないのかしら」って言ってました。
同じ意見は現場経験者からも上がってきたらしい。

長年の不幸な経験のせいで
支援者のほうも色眼鏡で見ちゃうのよね。でもまあそれって、学習能力の裏側なんで、仕方ないです。

一方で、読者からのお尋ね。

長年膠着状態にある成人を支援している方。

「発達障害は治りますか?」を読み、保護者にも読んでもらい
神田橋先生の外来に行きたいのだが、何しろ遠方。
一度行ったら何度も行ける距離じゃない。



たった一回なんて、行っても無駄なのでは?

そう思うのも無理はないですよね。
これまで医療にかかって、それでも膠着してきたわけですから。
これもまた、学習の結果。

でも私がご縁を得てからも、神田橋先生のところに出かけた人たちが
一回でがらっと変わるのを何度も目撃していますので

しかもそこで与えられたアドバイスが実に理論的なので

私の立場としては、そうお伝えするしかないんですよね。

白くま母さんは、神田橋先生にじかにお目にかかったことはないけど、
そういう先生がいることは、信じられるらしい。
医療の現場には時々そういう先生いらっしゃるようです。

だから発達障害じゃない分野では、スーパードクターっているらしいし
(発達障害でもいるのかもしれないし。神田橋先生のもとには、いつも陪席の先生がたくさんのようだし)

作業所から企業に移るっていうケースだって、別にちゅん平だけじゃないよね。
先日も読者から、うちの子もそうだった。「自閉っ子的心身安定生活!」を重ねながら読んだ、というお便りをいただきましたが

レアなのかもしれないけど

でもそれを猿烏賊風味で「生存者バイアス」とか例外方面で考えるよりも

「突破口」方面で考えればいいんじゃないのかしら。

You could be one of the survivors.

経緯を知ってみると
神田橋先生のところに出かけて、一度で大きく立ち直る人たちをプラセボのみって決め付けるのは不勉強にすぎるよねって思うのよね。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

よく残したよね(ものは考えよう)。

あと三日、堪能させてもらいます。

正念場正念場とマスコミは書くけれど
そんなものは誰だって経験するんだし。しかも何度も。

ただの通過点です。

頑張れ稀勢の里!