翌日、ハルの鼻水がとまらず、薬がなくなったので、応募しているクリニックに診察に行きました。
たしか面接の連絡は2時から3時だっていうし、昼頃行って帰ってくればいいよね。
しかし家に帰るとクリニックから電話がかかってきています!
まだ1時でしたが、しまったぁ!
子供達にお昼を食べさせていると電話がもう一度かかってきました。
「すみません、さきほどクリニックにかかりにいってたもので・・・」
「え?ほんとう?」
「小さい子2人つれた、ハルをみてもらったんですが」
「わたしいなかったからわからなかったけど、わかる?(周りの人に聞いている様子)」
「あぁ!あの人(周りから聞こえる声)」
「それでね、昼間2歳と0歳のお子さんを見る人はだれになるのかしら?」
「保育園に預けます。今保育園で入れるところはみつけてあるので。」
「そうなの。実は、今欲しいのは夜の人なんです。」
「お子さん保育園だと、夜は難しいよね。あと少ないスタッフでやっているから、お子さんの急な熱とかで抜けられると大変になってしまうの。そういったとき見てくれる人いないのよね?」
「そうですね。(マンションが売れたらと言う気持ちで)2、3年以内には夫の両親と同居する予定なので、そうすれば見てもらえるのですが、今は無理ですね」
「2、3年かぁ~。1年後くらいならなんとかこちらも頑張れるんだけど。」
「そうですよね。私もそういった部分がどうなのかなと思っていたものですから、はっきり言っていただけた方が助かります。」
「もしお子さんを見てもらえるような環境が整ったら、貼り紙が無くても、いつでも人出は必要としているから声かけてください。近所だし、年齢も若いし、優しい気持ちの人であれば大歓迎です。ただ、きれいな仕事ではありません、患者さんの中では嘔吐されるかたもいますし。それだけは理解しておいてくださいね。」
とても、残念に思えました。
そっかー、やっぱり子供を抱えての就職ってパートでも厳しいんだ・・・
なんとなく複雑な思いを抱えつつ、子供達をおひるねさせることにしました。
子供達が寝たため、ネットサーフィンをしているとクリニックから電話がかかってきました。
「他のスタッフと話し合ったんだけど、面接だけでもしてみない?今、院長先生のおくさんが来ているから。毎日いらっしゃるわけじゃないからチャンスだし」
「そうですか!じゃぁ、ぜひ。でも子供達が今ちょうど昼寝しちゃったところで・・・」
「連れてきなさいよ。他のスタッフがみてあげるから。履歴書出来てる?」
「履歴書はまだなのですが・・・」
「じゃぁ、とりあえず面接だけしましょう。雨が降ってきて大変だと思うけど、頑張ってきてね。」
「はい。すぐうかがいます。」
キターーーーーーーーーーーーーーーー!
不採用からいきなりの面接です。
スーツに着替えて、ハルにミルクと薬を与え、寝ているあやっちを着替えさせ、傘レインコート、ベビーカーにカバーを掛けて出発です。
志望動機と自己PRを想定問答して、傘を差してあやっちを担いでベビーカーを押しながらスーツにパンプスで歩く。
誰がこんな事態を想像できたでしょうか。
クリニックに着くと、患者さんは1人しかおらず、すぐに奥の休憩室に案内され、子供達を他のスタッフさんに預けました。
白衣に紺のカーディガンを着て、言葉は丁寧ですが、少し冷めたような表情の女性。
どうやらこの方が院長夫人のようです。
志望動機、自己PR、今までの職歴について話しました。
他には働く事への家族の同意についてなど。
面接での私の第一印象は悪くないようです。
本当はフルタイムで働く人が欲しいけれど、他にも家の事情で短い時間のパートさんもいるし、子供がいるせいで働きたくても断られてしまうという状況もかわいそうというか何とかしてあげたいと思ってくれたそうです。
なんでも、周りのスタッフさんが、今日診察に行ったときの様子でなのか、私の印象が良かったそうで、早くしないと保育園に入れなくなっちゃうから、面接だけでもしてみようよ、とプッシュしてくれたそうです。
夜働けない、子供の病気などで急にやすんで迷惑をかけることがあるけれど、まわりのスタッフさんがそれでも大丈夫、長い目で見て育てていきましょうという話になったそうです。
貼り紙も長い間出していて応募がないので、そろそろ新聞広告に出そうかと検討していたところだったそうです。
そこで、まずは週4、午前中で始めて見て、大丈夫そうなら時間を延ばしていくのはどう?という話をしてくれました。
よろしくお願いします。
そこまで私の事情を考慮してくれていて、なんだか涙が出そうになりました。
業務内容としては診察の介助、受付、治療機械操作など全てのことが出来なければいけないそうです。
今いるスタッフもみんな未経験から始めていて、最初はかならず一人がついて教えて、ある程度できるようになったらやらせてみるという形で指導してくれるので安心してくださいと言われました。
また、私が最年少になるから、相談事は周りの人に出来るし、逆に新鮮な気持ちを他のスタッフに与える刺激にもなるねと言われました。
ただ、やはり患者さんの体をみるので、それがダメ…って言う人も過去にいたそうで、大丈夫よね?と確認されました。
出産で血や傷は経験してるし、子供の嘔吐物や汚物も扱ってるからたぶん大丈夫だと思います、と伝えました。
次に時給の話になりました。
私は急な面接だったので、幾らくらいが妥当なのか、やっていけるのか全く考えていませんでした。
認可保育園と無認可の保育料から計算しないと見当もつきません。
一応最低と今パートさんで最高の額を教えていただき、履歴書で希望時給を伝えることになりました。
最初は、未経験だから最低額でとにかくお仕事を覚える努力をするしかないと思っていたので、それは最低額については了解しました。
保育料の話から、認可保育園にできるだけ優先的に入れられるように証明書をかいてくれるような話もしてくれました。
話が終わると、子供達は待合室で2人のスタッフさんにそれぞれおとなしく見てもらっていました。
院長夫人が他のスタッフさんに「ほぼ、もう決定です。あとは履歴書持ってきてもらう予定。時給も了解してもらえたし。」と伝え、みなさん「よかったー」と喜んでくれました。
あやっちは絵本を見て歌をうたって、ハルは人見知りせず、いい子にしていたそうです。
ただ、あやっちは眠さの限界のようでした。
ママのお話中もちゃんと離れて遊んでられるいい子ね。これなら、保育園も大丈夫そうだねーなんて言ってもらいました。
そうですねーといいつつも、あやっちの表情から、最高潮に気を遣っている様子が伝わったので、心が痛かったです。
この子たちはどうしてこんなにいい子なんだろう。
私のためにいい子にしてくれているんだろう。
もう、世界中に感謝したい気分になってました。
なんだか、思いもよらぬ好意だけで、ここまで話がすすんでいいのでしょうか。
幼児教育の検討
このタイミングでの子供達の風邪
クリニックの貼り紙
思いつきでの医療事務の検討
貼り紙を思い出した自分
保育園入園できる状況
薬が切れて再度かかったタイミング
普段いない院長夫人の在勤
面接できる状態だったクリニックの混雑状況・・・
本当は子連れの再就職って、とても高いハードルばかりなのに。
全ての偶然が重なって仮の内定を頂いてしまいました。
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たしか面接の連絡は2時から3時だっていうし、昼頃行って帰ってくればいいよね。
しかし家に帰るとクリニックから電話がかかってきています!
まだ1時でしたが、しまったぁ!
子供達にお昼を食べさせていると電話がもう一度かかってきました。
「すみません、さきほどクリニックにかかりにいってたもので・・・」
「え?ほんとう?」
「小さい子2人つれた、ハルをみてもらったんですが」
「わたしいなかったからわからなかったけど、わかる?(周りの人に聞いている様子)」
「あぁ!あの人(周りから聞こえる声)」
「それでね、昼間2歳と0歳のお子さんを見る人はだれになるのかしら?」
「保育園に預けます。今保育園で入れるところはみつけてあるので。」
「そうなの。実は、今欲しいのは夜の人なんです。」
「お子さん保育園だと、夜は難しいよね。あと少ないスタッフでやっているから、お子さんの急な熱とかで抜けられると大変になってしまうの。そういったとき見てくれる人いないのよね?」
「そうですね。(マンションが売れたらと言う気持ちで)2、3年以内には夫の両親と同居する予定なので、そうすれば見てもらえるのですが、今は無理ですね」
「2、3年かぁ~。1年後くらいならなんとかこちらも頑張れるんだけど。」
「そうですよね。私もそういった部分がどうなのかなと思っていたものですから、はっきり言っていただけた方が助かります。」
「もしお子さんを見てもらえるような環境が整ったら、貼り紙が無くても、いつでも人出は必要としているから声かけてください。近所だし、年齢も若いし、優しい気持ちの人であれば大歓迎です。ただ、きれいな仕事ではありません、患者さんの中では嘔吐されるかたもいますし。それだけは理解しておいてくださいね。」
とても、残念に思えました。
そっかー、やっぱり子供を抱えての就職ってパートでも厳しいんだ・・・
なんとなく複雑な思いを抱えつつ、子供達をおひるねさせることにしました。
子供達が寝たため、ネットサーフィンをしているとクリニックから電話がかかってきました。
「他のスタッフと話し合ったんだけど、面接だけでもしてみない?今、院長先生のおくさんが来ているから。毎日いらっしゃるわけじゃないからチャンスだし」
「そうですか!じゃぁ、ぜひ。でも子供達が今ちょうど昼寝しちゃったところで・・・」
「連れてきなさいよ。他のスタッフがみてあげるから。履歴書出来てる?」
「履歴書はまだなのですが・・・」
「じゃぁ、とりあえず面接だけしましょう。雨が降ってきて大変だと思うけど、頑張ってきてね。」
「はい。すぐうかがいます。」
キターーーーーーーーーーーーーーーー!
不採用からいきなりの面接です。
スーツに着替えて、ハルにミルクと薬を与え、寝ているあやっちを着替えさせ、傘レインコート、ベビーカーにカバーを掛けて出発です。
志望動機と自己PRを想定問答して、傘を差してあやっちを担いでベビーカーを押しながらスーツにパンプスで歩く。
誰がこんな事態を想像できたでしょうか。
クリニックに着くと、患者さんは1人しかおらず、すぐに奥の休憩室に案内され、子供達を他のスタッフさんに預けました。
白衣に紺のカーディガンを着て、言葉は丁寧ですが、少し冷めたような表情の女性。
どうやらこの方が院長夫人のようです。
志望動機、自己PR、今までの職歴について話しました。
他には働く事への家族の同意についてなど。
面接での私の第一印象は悪くないようです。
本当はフルタイムで働く人が欲しいけれど、他にも家の事情で短い時間のパートさんもいるし、子供がいるせいで働きたくても断られてしまうという状況もかわいそうというか何とかしてあげたいと思ってくれたそうです。
なんでも、周りのスタッフさんが、今日診察に行ったときの様子でなのか、私の印象が良かったそうで、早くしないと保育園に入れなくなっちゃうから、面接だけでもしてみようよ、とプッシュしてくれたそうです。
夜働けない、子供の病気などで急にやすんで迷惑をかけることがあるけれど、まわりのスタッフさんがそれでも大丈夫、長い目で見て育てていきましょうという話になったそうです。
貼り紙も長い間出していて応募がないので、そろそろ新聞広告に出そうかと検討していたところだったそうです。
そこで、まずは週4、午前中で始めて見て、大丈夫そうなら時間を延ばしていくのはどう?という話をしてくれました。
よろしくお願いします。
そこまで私の事情を考慮してくれていて、なんだか涙が出そうになりました。
業務内容としては診察の介助、受付、治療機械操作など全てのことが出来なければいけないそうです。
今いるスタッフもみんな未経験から始めていて、最初はかならず一人がついて教えて、ある程度できるようになったらやらせてみるという形で指導してくれるので安心してくださいと言われました。
また、私が最年少になるから、相談事は周りの人に出来るし、逆に新鮮な気持ちを他のスタッフに与える刺激にもなるねと言われました。
ただ、やはり患者さんの体をみるので、それがダメ…って言う人も過去にいたそうで、大丈夫よね?と確認されました。
出産で血や傷は経験してるし、子供の嘔吐物や汚物も扱ってるからたぶん大丈夫だと思います、と伝えました。
次に時給の話になりました。
私は急な面接だったので、幾らくらいが妥当なのか、やっていけるのか全く考えていませんでした。
認可保育園と無認可の保育料から計算しないと見当もつきません。
一応最低と今パートさんで最高の額を教えていただき、履歴書で希望時給を伝えることになりました。
最初は、未経験だから最低額でとにかくお仕事を覚える努力をするしかないと思っていたので、それは最低額については了解しました。
保育料の話から、認可保育園にできるだけ優先的に入れられるように証明書をかいてくれるような話もしてくれました。
話が終わると、子供達は待合室で2人のスタッフさんにそれぞれおとなしく見てもらっていました。
院長夫人が他のスタッフさんに「ほぼ、もう決定です。あとは履歴書持ってきてもらう予定。時給も了解してもらえたし。」と伝え、みなさん「よかったー」と喜んでくれました。
あやっちは絵本を見て歌をうたって、ハルは人見知りせず、いい子にしていたそうです。
ただ、あやっちは眠さの限界のようでした。
ママのお話中もちゃんと離れて遊んでられるいい子ね。これなら、保育園も大丈夫そうだねーなんて言ってもらいました。
そうですねーといいつつも、あやっちの表情から、最高潮に気を遣っている様子が伝わったので、心が痛かったです。
この子たちはどうしてこんなにいい子なんだろう。
私のためにいい子にしてくれているんだろう。
もう、世界中に感謝したい気分になってました。
なんだか、思いもよらぬ好意だけで、ここまで話がすすんでいいのでしょうか。
幼児教育の検討
このタイミングでの子供達の風邪
クリニックの貼り紙
思いつきでの医療事務の検討
貼り紙を思い出した自分
保育園入園できる状況
薬が切れて再度かかったタイミング
普段いない院長夫人の在勤
面接できる状態だったクリニックの混雑状況・・・
本当は子連れの再就職って、とても高いハードルばかりなのに。
全ての偶然が重なって仮の内定を頂いてしまいました。
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