完全フィクション

実在する人物・団体とは一切かかわりがありません。

思考に対する慣性もしくはバイアス

2025-03-04 17:14:11 | 日記
慣性の法則っていうのは、動き出したらその方向に向かって動き続けやすいってことだけど、思考もそうだなぁ。

研修医の頃に、「吐き下痢が流行してるときは見落としをしやすい」って言われた。外来に来る患者がみんな感染性胃腸炎で、吐き下痢ばっかりで、「はいはい、胃腸炎」って思ってるなかに、髄膜炎,頭蓋内疾患,虫垂炎みたいなのが混ざってるから、気を付けましょうと。
これが、若い時は「気を付けよう」って思って気を付けることができるんだけど、年齢と共に「思考の勢いを止められない」ような脳になってきている。

いまは予約制外来じゃなくて、普通に来院した患者を順番に診てるんだけど、胃腸炎のなかに不登校や心身症がくると、脳が滞る。会話がしにくい。
不登校や心身症でも、「近医で一通り検査をして異常がないという紹介状持参」「近医で検査して問題なかったという患者申告」「朝になると頭痛を訴え登校できない。この症状で受診したのは初めて」とかいろいろあるのだけれど、それらが肺炎や胃腸炎のなかに紛れてくるとなかなか頭が滞る。

これは、あらゆる業種,職種で起こっていることなのだろう。
高齢者は、自分の経験パターンに縛られて、硬直した事態を打破できない。
いまの日本の行政が、まさにそうだよ。


「直美」は上級奴隷

2025-03-04 17:00:23 | 日記
研修医から直ぐに美容整形に行くという直美。
いま、めちゃ扱いが悪くなってる。

以前に「脂肪吸引などの施術は看護師がやって、在籍してるだけの医者」っていうのが話題になった。研修医は終えてるけど、とてもそのまま病院勤務とかやりたくなくて…っていうひと。
直美もそうだけど、中年になったときに潰しがきかなくなってる。下から若いのは突き上げてくるし、上のほうは詰まってる。上のほうは、そこそこ経験を積んだ医者が流れ出しているのもあれば、直美がそのまま居座ってるのもある。新卒の直美もやはりまだ存在するので、新卒をそこそこの給与で使うか、ちゃんと使える医者を使うかになって、「年齢だけあがった直美」の居場所がなくなってきた。
更に、不景気で美容整形に落ちるカネも減ってる。
年間クーポンだの割引だのをしておいて、閉院,自己破産な美容クリニックが出てきたので、なかなか患者集めも難しい。


やっぱり、皮膚科,形成外科,整形外科でそこそこの経験を積まないと、行き場所がなくなるよね。若い女性を騙くらかして借金地獄に落とすにしても、若い女性の総数が減ってるんだから…。

もうこれまで以上に、日本は高齢者相手の商売しか成り立たない。産科は絶滅しちゃったけど、小児科も奉仕の気持ちを病院がもたないと存在できない。

老人へのサービス業が国の主幹産業って、そりゃ衰退の一途だよね。