SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

今日の太宰さん

2005-08-12 15:37:35 | 太宰
「文化と書いて、それに「はにかみ」というルビを振る事、大賛成。
私は優という字を考えます。これは優れるという字で、優良可なんていうし、優勝なんていうけど、でも、もう一つ読み方があるでしょう?優しいとも読みます。
そうして、この字を良く見ると、人偏(にんべん)に、憂うると書いています。人を憂える、ひとの淋しさ侘しさ、つらさに敏感な事、これが優しさであり、また人間として一番優れていることじゃないかしら、そうして、そんな、やさしい人の表情は、いつでも含羞(はにかみ)であります。
私は含羞で、われとわが身を食っています。酒でも飲まなきゃ、ものも言えません」

~太宰治

ぎゅっと抱き締めてあげてね

2005-08-12 15:31:09 | 
朝、真っ白な部屋で目が醒めて、ぼんやりしていた。
飲み残したリースリングをひとくち。
そして隣で眠っている人をぎゅっと抱き締めて、キスをした。
すると何故だか哀しくなって、涙が出て、子供のように泣いてしまった。
そのときの涙はきっと、僕のものではなかったのだ。

抱き締められたかった人たちの、涙。

みんなみんな、抱き締められたかったのだ。

入水した作家も、
クスリに溺れて死んだピアニストも、
一瞬の光の中に消えてしまった人たちも、
生まれなかった子も、
轢かれたねこも、
なにかの為に死んだ人も、
みんな、みんな。


そして、僕たちも。

生きている僕たちは、抱き締めることができる。
愛しい人を、大事な人を。
だから、ぎゅっと抱き締めて、ね。
お願い・・・






「現実では、そんなことで泣いてはいけないよ。」
くじらさんが囁いた。
そんな夢。
太宰さんの「フォスフォレッセンス」みたい。
涙だけは、夢と現実がつながっていた。