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多喜二祭が盛況/秋田と大館で開催
母セキの言葉を紹介「多喜二の仕事は大きなもの、必ず知られるときが来る」
第48回秋田県多喜二祭が16日、秋田市の生涯学習センターで、第34回大館市小林多喜二記念の集いが17日、大館市立中央公民館で、開かれました。
両会場とも、小樽商科大学の荻野富士夫教授が「多喜二と母セキは戦争をどのようにとらえたか~多喜二虐殺80周年の意味~」と題して講演しました。
荻野氏は、セキの「多喜二の仕事は大きなものであって、必ず世間の人々に知られるときが来るでしょう」などの言葉を紹介し、「セキさんは、多喜二らの時代がやってくることを確信していた」とのべました。
また、荻野氏は、「『蟹工船』のもう一つの読み方」として、多喜二が『蟹工船』の中に軍艦を登場させ、労働者を鎮圧する側面だけでなく、「ソ連の海岸線にそって軍艦が存在している役割を描き、軍隊・戦争を大きくとらえた」と話し、現在の自衛隊の「海外派遣」との類似性にもふれました。
秋田会場には、県外からの参加者も含む141人が参加しました。工藤一紘同祭実行委員長は、昨年3月の「小林多喜二展」で韓国の金泰京(キム・テギョン)理論と実践社代表が約束したハングル版『小林多喜二選集』(全3巻)の第1巻が刊行されたことを報告しました。
大館会場には青森県をはじめ、市内のセキ・多喜二ゆかりの人たちなど100人余が参加し、用意した資料が足りなくなりました。
大館会場に参加した女性は、「〝何代がかりの運動〟や〝火を継ぐもの〟など(荻野教授の話を)もっと聞きたかった」といいます。「セキさんの話が新鮮だった」という男性(66)は、「『蟹工船』の漁場での軍艦の役割の話は、いまの自民党・安倍内閣の動きと似ている。重く受け止めた」と話していました。
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