馬鹿音頭の謎を探るうえで重要な兵庫口説について
大阪の盆踊歌謡兵庫口説
(月刊民謡研究 昭和13年発行 山村太郎著より)
この記事を発掘していただいた
大東文化大学 成田 守教授に感謝します。
【いつごろ】 大阪の盆踊り歌謡の歴史 起源は 元禄(1688.9.30~1704.3.13)年間(歌音頭と称する) ついで 「えびやぶし」「半九郎ぶし」が流行 その衰退とともに「兵庫口説」と称する音頭が流行する。 元文より享和の頃【発祥の地と伝播の経路】 発祥は兵庫の地であろう。 経路は定かでないが、大阪地方を中心に流行したもののようだ。【歌の形】 「えびやぶし」「半九郎ぶし」などの形式を継承している。 大阪音頭の特徴がある。
歌詞は七七調の長編物語。
句の最期が「~さ」「~な」で終わる。例「かはす枕のな」【流行範囲と流行期間】 大阪のみならず相当の範囲にわたる。期間も相当長い。 【歌詞の数】 200以上。【伝播の特色】 義太夫節の宣伝に利用された。【分 類】 一般には兵庫口説と称しているが5つに分類できる。 1.兵庫口説・流行音頭兵庫口説 2.熊野ぶし・兵庫口説熊野ぶし・流行音頭兵庫熊野ぶし 3.甚九ぶし・兵庫口説甚九ぶし・流行音頭兵庫甚九ぶし 4.兵庫ぶし・流行音頭兵庫ぶし・
5.早口打たせ・流行音頭早口打たせ・木遣早口打たせ歌詞の形態は1~4は同様。5はやや違う。【歌本の板式】 稽古本の形で半紙本二丁に限られる。
表紙一頁、本文三頁が原則。 本文の行数は一頁六行~十一行。 表紙は多くが絵表紙。(一部にカット。全体に画くものなど) 文字だけのものもある(つづく)
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