Switch『ゼノブレイド2』をクリアしたので真相と他シリーズに繋がる考察を書いてみたいと思います。
真相、考察部分は当然ながらネタバレ注意なので、記事を格納しておき、直接記事に飛んできても大丈夫なように改行を大量にした先に書いておきます。
真相、考察の前に『ゼノブレイド2』の基本的な設定をおさらい。(ここはネタバレ無しです)
固有のキャラや土地名、それに関する物語まで書くと膨大になってしまうので、基本的な設定までです。
・巨神獣界(アルスト)
本作における世界の名前。
「世界樹」を中心に、複数の「巨神獣(アルス)」が雲海を泳ぐ世界。
・巨神獣(アルス)
雲海を泳ぐ巨大な生物たち(泳いでないのもいるが)。姿形は様々。
この世界では地表というものが存在しないため、人々や動物はこの巨神獣の上や内部で生まれ生き、死んでゆく。
世界樹の上にある「楽園」を神に追われた人々が途方に暮れていたところ、哀れに思った神が人に遣わしたと伝承では言われている。
近年では、寿命が尽きかけているものも多く、近いうちに巨神獣がいなくなり人は絶滅してしまうのではと囁かれている。
・雲海
文字通り雲の海。海と同じように満ち引きがあり、密度も水と同じ。
雲海内部から古代の物資を引き上げる職業を「サルベージャー」という。
・世界樹
巨神獣界の中心にある巨大な大木。
世界樹の上には「楽園」と呼ばれる場所があり、巨神獣の寿命も気にせず暮らせる緑豊かで広大な土地があると御伽噺として伝えられている。
・楽園
世界樹の上にあるとされる生きとし生けるものの理想郷。
誰も見たことはなく、御伽噺として伝えられている。
主人公のレックスはここの存在を信じ、「ブレイド」であるホムラのためにも楽園を目指す。
・ブレイド
巨神獣界における亜種生命体。「コアクリスタル」という物質から誕生する。
人に近い姿のものから、動物に近いものまでいる。
他の生物とコアクリスタルを同調させることで誕生し、同調者が息絶えるとコアに戻り記憶も失う。
同調者「ドライバー」に武器と武器へのエネルギーを供給し、多大な戦力となる。
再生能力が非常に優れており、怪我はすぐに再生し病気にもならない。
同調者の精神がブレイドの精神にある程度反映され、精神によって特殊な姿形で生まれてくる場合もある。
・コアクリスタル
ブレイドが生み出される青白い宝石のような物質。
ブレイドとして誕生した後は、胸の部分にそれぞれの形で青白いコアクリスタルの片鱗を残す。
ブレイド自身やドライバーが死亡するとコアクリスタルに戻り、次の同調者を待つ。
・ドライバー
適性があり、コアクリスタルと同調し、ブレイドを連れている者。
破損してもブレイドから際限なく供給される武器、ブレイドから送られてくるエネルギーによる身体能力向上など、一般人ではなし得ない戦力を持つ。
ちなみに適正がない者が同調しようとすると血を吹いて倒れ命にも関わる。
・天の聖杯
巨神獣界最強と謳われるブレイド。劇中ではホムラがそう呼ばれている。
ドライバーはレックス。
…基本的な世界観は以上です。
ではそれぞれの真相・考察を「続きを読む+大量の改行の先に書いておきます。
・世界の真相
巨神獣界とは何なのか。
結論から言うと、我々がいる現代から遥か未来の地球。
20XX年、政府軍と反政府軍との戦闘中に「ゲート」と呼ばれる高次元存在を使った「相転移実験」により人類とほとんどの生物が新たに創生された別の世界に飛ばされた後の世界。
相転移実験を行った本人以外のほとんどの生物は誰一人としていなくなった後、もともとは人間の頭脳拡張デバイスであったすべての生命の情報を持つ素子、コアクリスタルを基として生命体を構築、
巨神獣が誕生し、長いサイクルで複雑な生態系を構築、進化の果てに人が誕生したというのが真相。
勘の良い人ならもうわかるかもしれませんが、
前作『ゼノブレイド』の世界が創生された裏側での出来事となっているわけです。
相転移実験を行った本人というのはもちろん前作にも登場したクラウス。
『ゼノブレイド』の物語ももう一つの世界で同時進行しており、『2』でのラスボス戦の裏では前作の主人公、シュルクも向こうのラスボスと交戦中という展開となっています。
シュルクがザンザ(クラウスの半身)を倒す=クラウスが消える=ゲートの力を主人公が行使できなくなるなどの因果関係も。
また巨神獣の亡骸からコアクリスタルが生み出される理由は、
巨神獣とはブレイドとしての最後の姿であり、巨神獣で暮らすブレイドはやがて体内で巨神獣へと変化、最期はまたコアクリスタルを生み出すという循環になっているからである。
すべてのコアクリスタルを管理していた法王庁の狙いは「コアに戻ると記憶を失うブレイドのコア数を管理することで、集団化による文化、文明を築くのを阻止するため」、「コアクリスタルの流通数を制限することで新たに生まれる巨神獣の数をコントロールし、すべての巨神獣の寿命を尽きさせることで世界を終わらせようとしていた」のが真相。
・雲海と世界樹の正体
雲海は人がいなくなった世界でクラウスが作った「触れたものを分解し、元の世界を再構築する分子体」。
すべての生命の情報を持つコアクリスタルと組み合わせることで生命を再構築しようとした。
(巨神獣のモンスターが地球の動物を踏襲した容姿と名前を持っていたのはそのため?)
荒廃していたとはいえ、幾億年経っても旧文明のSFチックな街並みが残っていたのは雲海があったため。
世界樹は旧文明で建てられた軌道エレベーターに沿って巨大な樹が巻き付いていたのがその正体。光っていた葉のようなものに見えていたのは空中に投影されたモニター。
楽園の正体は、軌道エレベーター最上層にある巨大な居住区のこと。
もちろん人がいなくなってとてつもない時間が経過しているため、砂と廃墟しかない荒廃した居住区と化していた。
もちろんそこでバッドエンドというわけではなく、
雲海が無くなった地上の大陸にクラウスの計らいで巨神獣たちが降りていき、新たな大地となり世界の滅亡は防がれた。
「楽園」は世界樹の上ではなく、地上にあったのだ。
このように「ファンタジーだと思っていたらSFだった」は前作を踏襲しつつも、
予想の出来ないストーリーは息をのみましたね。
予想はできないと言っても、予想で特定できないような伏線は随所にちりばめられてました。(特定できたら「伏」線ではありませんが)
・天の聖杯の正体
すべてのブレイドを統べるマスターブレイド。
ゲートを制御するトリニティ・プロセッサの3つのコアから生まれたブレイドのことを指し、
1つはヒカリ(本名プネウマ)、1つはメツ(本名ロゴス)として誕生。
ブレイドの管理を任されるとともに、すべてのブレイドの人間との間の経験、同調者の生命情報をフィードバックし集積、それをもとに構築された進化コードをコアクリスタルに送り更なるブレイドを生み出しやがて巨神獣へと変わり新たな生命その身に宿らせる。そしてまた巨神獣から新たなコアクリスタルが生まれ…。
このサイクルを以て生命を進化へ導いていたのである。
ヒカリは500年前の心正しき英雄アデルがドライバーとなり、メツと戦った。
ホムラはヒカリが自身が目覚めないように造り出したもう一つの人格であり、ホムラの炎はヒカリの余剰エネルギー。
メツは同じく500年前に法王マルベーニがドライバーとなり邪な心に触れて誕生したため、「破壊」が本能となってしまった。
残り一つのウーシアと呼ばれるコアは相転移実験に巻き込まれ劇中には登場しない。
しかし、前作『ゼノブレイド』に思い当たる人物が登場する。
シュルクらの、実験によって生まれた別世界を見守り管理するシステムと称していた人物、アルヴィース。彼が3つめの「天の聖杯」である。
ヒカリが行使するデバイス「セイレーン」などは、旧文明での戦争で使われていた機動兵器。
軌道エレベータ内部に格納されている。
・考察
ここまで『ゼノブレイド』との関連性があるのは劇中でハッキリと明言されているのでおさらいみたいな形になるのですが、
気になるのは『ゼノブレイドクロス』との関連性。
まったくの無関係とはいえないような要素も孕んでいたので、その辺も独自に考察してみます。
それどころか『ゼノギアス』、『ゼノサーガ』とも繋げられそうな要素も登場したので、その辺も少し。
まずハッキリしている歴史を時系列順に並べてみます。
高次元存在「ゲート」発見、収容
↓
20XX年の地球、政府軍と反政府軍の戦闘勃発
↓
軌道エレベーター「ラダマンティス」内部でクラウスがゲートを使った相転移実験開始
↓
実験の結果、ほとんどの生物と地球がどこかへ消失→創生された別の宇宙「巨神と機神」の世界誕生、幾億年経ちシュルクたちの物語へ(『ゼノブレイド』)
↓
残された地球で旧文明崩壊、残されたクラウスが雲海とコアクリスタルで文明と生態系の再構築を目指す
↓
幾億年経過。巨神獣による巨神獣界誕生、レックスたちの物語へ(『ゼノブレイド2』)
↓
物語終盤。レックスはゲートの残された力を使いメツとの最終決戦同時刻別の宇宙「巨神と機神」の世界でシュルクとザンザが交戦(『ゼノブレイド』)
↓
クラウスの半身(ザンザ)が「向こうの世界」で、シュルクに倒されたことによりゲート消失。ラダマンティス崩壊。→シュルクたちの世界は神がいなくなった(ゲートが消失した)ことにより再構築(『ゼノブレイド』)
↓
クラウス、最期の力で雲海を廃し巨神獣を地上へと導く
さて、ここで『ゼノブレイドクロス』に繋がりそうなワードがいくつかあります。
地球の消失
『ゼノブレイド』の時点で出ていたワードですが一応。
『クロス』冒頭では、地球は滅亡したなどとは一切語られておらず、白鯨が発った直後に「光とともに消えた」としか言われていない。
EDでも「まだ地球がどこかにある」ことを仄めかす引きとなっており、また消失の仕方もどことなく似ている。
『クロス』での地球の技術水準では軌道エレベーターの建設くらいは楽にできるくらいとなっており、『2』での旧文明の技術体系もそっくり。
『2』で言われていたのは政府軍と反政府軍の地球人同士の争いであり、異星人からの攻撃とは別物ですが、
地球種汎移民計画は強引かつ多くの人を切り捨てる脱出計画を立てていたため、地球人同士の争いがあったことも示唆されている。
また、『クロス』で移民計画が発動したのは西暦2054年。『2』で相転移実験が行われたのは西暦20XX年、
後者は数字が伏せられてはいるが、一応見た目上の辻褄は合っている。
または、ゲートという平行世界とも繋がる存在を出してきたことから、単純に別の歴史を歩んだ平行世界の地球と取ることもできる。
・すべての生命の情報を持った記憶素子
コアクリスタルのこと。
『クロス』のED後では、仮の体B.B.を持った地球人類を動かしているはずの人間の記憶データベースが惑星ミラ漂着時に破損していたという展開がある。ではなぜB.B.は動いていたのかという疑問が残り「この物語は終わらない」で幕引きとなる。
しかし「すべての生命の情報を記憶している素子」があればこの疑問は一気に解決する。
なぜ異星であるミラにコアクリスタルがあるのかという疑問も生まれるが、そこは次項で。
・新たに生まれ変わった巨神獣界
『2』ラストではすべての巨神獣が地上の大陸と繋がる形で大地へと変わる。
各巨神獣では交流こそあれど異なる文化、文明を持っており、それらが一つの大地となるということは、
「隣接しているのにそれぞれの大陸で異なる文明の痕跡がある」惑星ミラとも繋がる部分と想像できる。
上記の旧文明が白鯨が発った後の地球の姿を前提とすると、地球を発ったはずの白鯨が地球に着陸するという事態になってしまうが、
惑星ミラは「急に白鯨の墜落先に現れた」ことが作中で語られており、相転移実験、ゲートとの関連性を匂わせる。
惑星ミラがゲートの影響で出現した地球、平行世界の地球にせよ白鯨が発った未来の地球にせよ『2』の舞台である地球がミラとなったと考えれば、コアクリスタルは存在しうる。
・ゲートの存在
平行世界を繋ぐことができる高次元存在であり、ゲートの力の一端を行使できるようになった天の聖杯、マスターブレイドのドライバー、マスタードライバーは、「思い描いたものを形にする力」を使うことができる。
いわば、想像したことを可能にするというとんでもない能力だが、
この性質は『ゼノギアス』、『ゼノサーガ』にも登場した、
「確率が0ではない起こりうる可能性がある事象を選択して引き起こすことができる」、言い換えれば「好きな事象を自由に引き起こせるに等しい」という「事象変移機関ゾハル」と酷似している。
おまけにゲートとゾハル形までほぼ一致。
ヒカリが使う因果律予測もこのゲートの力の一端であり、ブレイドシリーズでゾハルが絡んでいるような描写が初めて描かれた。
『ゼノギアス』でもゾハルは別次元への扉を開いている。
ゲートの存在、「平行世界」という過去のゼノシリーズと矛盾なく繋げられることができる要素を出したことで全てのゼノの世界をゾハルという一つの機関を根本として関連付けようとしているのかもしれない。
また、現状ではファンサービスの域かもしれないが、
『ゼノサーガ』のKOS-MOSが『2』のレアブレイドとして登場している。
考察としてはこんなところです。
『クロス』にどうつながるかはまだうっすらとですが、ブレイドシリーズを関連付けることができる要素が一気に出てきました。
『2』まだエキスパンションパスによる追加のストーリーが控えているので、まだまだ語られることもあるでしょうし、またその時に考察できればと思います。
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