多摩爺の「時のつれづれ(霜月の26)」
幾つになってもウルトラマン
私のベッドの傍には・・・ いつもお世話になってるウルトラマンが、二つ置いてある。
一つは、毎朝起きたときに時間を確認する、ウルトラマンの目覚まし時計で、
もう一つは、コンビニへの買い出しに重宝してる、
10年ぐらい前に、女房が手作りしてくれた・・・ ウルトラマン柄のエコバックだ。
最近、このウルトラマンを狙っている奴がいる。
「仮面ライダー」と「ちいかわ」が大好きな、3歳6ヶ月の孫(男児)である。
昨夜のことだった。
寝ようと思って床に入り、なに気に振り向いたら、
いつも見守ってくれている・・・ ウルトラマンの目覚まし時計が、定位置から消えていた。
現役時代、私の1日は・・・ 毎朝5時にセットされた、
「私はウルトラマン、ねぼすけの君を起こしに来た。」のモーニングコールから始まっていた。
直ぐに支度に取りかかり、6時15分ごろ家を出て、
一つ手前の駅で降りてから、健康のため歩いて会社に向かうのが日課だったが、
7時30分過ぎには着いてしまい、
室内には毎日綺麗に掃除していただいているオバチャンたちが・・・ まだ居る時間帯だった。
始業は9時だから・・・ 90分ぐらいあったが、
冷暖房の空調スイッチを入れてから、メールの確認や、決裁に目を通して処理し、
前日から繰り越しの仕事をしたあと、ネットで新聞を読んでいると、
ドアが開いて、部下が出社してくるといった・・・ 日々を過ごしていた。
高卒の私が、大抜擢で身の丈を越えた、本社の管理職になったのが40歳、
以来、なにを間違ったか分らないが・・・ トントン拍子に出世してしまい、
勿体ないことに、組織のトップまで務めさせていただいた。
以来・・・ 65歳でリタイアするまでの25年間、
ウルトラマンのモーニングコールとともに、「3倍努力」が私のモットーだった。
こんな話は自慢になるし、嫌みにもなるので、綴るのは恥ずかしいことだと思うが、
気づいたときは綴っていたので・・・ そのままにさせてもらった。
ホントに、ホントにお調子者であり、見栄っぱりのバカ野郎なんだから、
笑いながら・・・ 読み飛ばしていただけたらありがたい。
リタイアするにあたっても、次の仕事を世話してくれるとの話もあった。
会社からの配慮は、自分への評価であり、とっても嬉しくてありがたかったが、
会社への貢献と、年寄りの出番は65歳までと決めていたこともあって、
後進に道を譲るとの信念のもと・・・ 迷いなく年金生活に入り、いまに至っている。
リタイア後は、現役時代は女房に任せっきりで、手伝うことが殆どなかった家事をやったり、
中学生のころから、新聞記者を経て小説家になりたかった夢を、ふと思いだしたので、
エッセーのような感覚で、ブログを書いたり、読ませてもらったりしながら、
お金はないが・・・ それなりに充実した日々を過ごしている。
上京してから37年、女房や、家族の支えがあったことは、勿論のことだが、
その半分以上で、毎朝一番最初に顔を付き合わせていたのが・・・ ウルトラマンだった。
その相棒が、長い付き合いだった私に挨拶もないまま、忽然と姿を消したのである。
これを一大事と言わず・・・ いったい、なんというのだろうか?
まさか、故郷のM78星雲に帰ったとも思えないが
いったい、どこへ行ってしまったのだろうか?
一つだけ思い当たることがあるとすれば・・・ 昨夕、孫のお迎えがあって、
晩ご飯を食べてから、仕事帰りの息子が迎えに来るまでの間、
いたずら小僧が私の部屋で、なにやらゴソゴソしていたことだった。
30分ぐらい、ウルトラマンの捜索に当たっていたが、既に23時を過ぎてしまったし、
リタイア後は平日も休日もなく、サンデー毎日だから、明日朝起きてから探そうと思い床に就くと、
深夜の1時ごろ、隣の部屋から・・・ 突然、けたたましい音ともに、
「私はウルトラマン、ねぼすけの君を起こしに来た。」との、モーニングコールが聞こえてきた。
「どこだ。どこだ。」と、暗闇のなかで音のする方に行ってみると、
孫のおもちゃなど、物置にしていた部屋の角に置いていた椅子の下から、
ウルトラマンが・・・ 繰り返し、繰り返し叫んでいた。
リタイア後は、モーニングコールの用がなくなったので、スイッチはオフにしていたはずだが、
スイッチをオンにして、時刻を5時から1時にしてあるんだから・・・ いやはやまいった。
いたずら小僧が仕掛けた罠に、見事に嵌まってしまったようだ。
なにごとかと、ビックリして起きてきた女房と顔を見合わせ、
「いやぁぁ・・・ まいった。」
「いたずら小僧に、やられちゃったね。」と言葉を交わし・・・ 思わず笑ってしまった。
年寄りには、少しばかり心臓に悪かったが、
北多摩の未明であった・・・ ちょっと、仄仄(ほのぼの)としたワンシーン、
どうでも良い話だが、忘れ得ぬ思い出が、また一つ増えたようだ。
追伸
その後、5時ちょっと前だったかな・・・ すでに目が覚めていて、ブログを書いていたら、
女房が起きてきて「悪いけど、牛乳買ってきてくれない?」と買い物を頼まれたので、
ウルトラマンのエコバックを持って、近所のコンビニまででかけた。
自分じゃ気がついてないけど、薄暗いなかで、ウルトラマンのバックを持って、
風邪をひかないように、厚手のジャンバーを羽織ってるものの、素足にスリッパを履いて、
夜明け前のコンビニへ向かった、爺さんを見かけた人は、
きっと、ニコッとして・・・ 仄仄(ほのぼの)した気持ちになったんじゃなかろうか?
やれやれだが、私とウルトラマンは、
幾つになっても・・・ 腐れ縁のようである。相棒のウルトラマンの目覚まし時計と、愛用のウルトラマンのエコバック
いつもお世話になってます。
もう過ぎたことなのに、見栄っぱりで・・・ 恥ずかしい限りです。
はじめまして😊
はい、男はそうですよ。
ワタシもそんな所あります。
アッハハ〜♫
それでは!本日も元気に
行きましょう♪〜宜しくです♫
ご理解をいただける方がいらっしゃって、嬉しく思います。
フォローまでしていただき、ありがとうございました。