時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

居酒屋への休業補償

2020年12月26日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の10)」
居酒屋への休業補償

コロナ禍において、これまで我が国の対応は、居酒屋などの深夜営業については、
私権の強制に立ち入ることなく、お願いベースで深夜営業の自粛や、時間短縮などを要請してきたが、
応えてくれる店舗が少ないことと、
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことを踏まえて、
講演会や記者会見において、総理が自ら「新型コロナウイルス特別措置法」の改正について言及した。

翌日の情報番組や、ワイドショーは、この発言を取り上げ、
無責任なコメンテーターたちが「休業や時短を要請するなら補償せよ。」のオンパレードであった。
個人的には、一時金や見舞金ならまだしも、補償金はあり得ないとの考えをもっており、
軽々に補償という言葉を使わないでほしいと思っている。

その理由の一つとして、特別定額給付金のように、全ての国民が対象ならいざ知らず、
また、間接的には全ての国民がお世話になる、
医療関係者やエッセンシャルワーカーに対しての支援金ならいざ知らず、
今回、補償を求めている居酒屋を利用している人々は、
そもそも特定の年齢層であり、限られた人たちであることが大きい。

この国で生活している、年金生活者(人口の約28%)の大半、未成年者(人口の17%)の全てに、
子育て世代の専業主婦層の約半数を加えれば、おそらく人口の60%ぐらいは、
居酒屋を利用してないか、仮に利用してたとしても、年に1回あるかないか程度だと思う。

にも拘わらず、法律を改正して、国債を発行(借金)
してまで、
居酒屋の休業や、時短の要請に、補償までせねばならないのだろうか?
お叱りを受けるかもしれないが・・・ そこんとこが、どうも釈然としない。

居酒屋側の立場になると、補償してもらえば確かに助かるだろうし、協力もしやすくなるだろう。
だからといって、飲みに行く客の単価が下がるわけではないし、
客層の年代が広がることに繋がるとも思えない。

利用する側にも、利用してもらう側にも恩恵があるGoToトラベルや、
GoToイートと比べてみると、利用する側にも、利用してもらう側にも偏りがあり、
年金生活者の立場から、あえて言わせてもらうなら、
居酒屋を利用もしてないうえに、今後頻繁に利用する予定もないのに、
補償金(借金)の返済まで付き合わされるのは・・・ 頼むから勘弁してほしい。

サービス業に対して、補償という名目で支給を始めると、対象となる業種の線引きが難しく、
どこで線引きしても、不公平感が残ってしまうと思っており、
現行の持続化給付金を拡大し、自治体による手続きの簡略化と、
支給の早期化が一番良い解だと思っているが、
この国のメディアは、どうしても・・・ 居酒屋にお金を払いたくて堪らないようだ。

だからといって、私権を強制することに対して、その対価が不要だといってるんではない。
だから・・・ 百歩譲って、一定額の一時金や見舞金しかないんじゃなかろうか?
けっして、居酒屋がどうなっても良いと言ってるのではないが、
支援額が少ないから赤字だとか、店がつぶれるといったことは、味噌糞一緒で論点がズレている。

仮に一時金や見舞金を支払うにしても、
その原資は政府の国債(借金)であり、いずれは返済しなければならない。

借金の返済は当然だが、未成年や年金生活者など、
居酒屋との関りが殆どない層に、それを求められては困る。

全国民が対象になる特別定額給付金や、
間接的に関わりが大きい方々への支援金を返済するなら納得はできるが、
特定の人しか利用しない、特定のサービス業界へ支給する支援金の返済を、
関りのない者へ押し付けないでほしい。

提案したいのは、借金が完済できるまでの期間限定で、
居酒屋税を創設し、居酒屋からその金額を回収すべきだろう。
もちろん、居酒屋は堪ったもんじゃないから、価格に転嫁するだろう。
そうすれば・・・ 利用する者から回収できるから、論理的にも矛盾は生じない。

早い話が、借金返済の全てを、国民が皆で負担する消費増税などに持って行くことなく、
利用者が負担に応じる、目的税にしてほしいと願っている。

例えば・・・ 消費税込みで、一品110円だったメニューを、120円に値上げして、
売上原価と利益部分の100円を除いた、20円(消費税10円、居酒屋税10円)を納税すれば、
なんら問題は生じない。

コロナ禍に陥っても、頑なに家飲みを拒み、どうしても居酒屋に通い、
酒を飲みたい呑兵衛や、呑み助たちなら、
それぐらいの負担を求められても・・・ 痛くも、痒くもないはずだ。

税金は、安いに越したことはないが・・・ コロナ禍という未曽有の災難で、
生きていくうえで必要な、とてつもなく大きな借金をしてしまったこと忘れてはならないし、
返済という当たり前のことが、後々必ずあるということを忘れてはならない。

とはいえ・・・ 全ての居酒屋を、課税する店舗の対象にする必要はないと思っている。
行政から認められた「飲食店営業許可」の店のうち、
深夜に酒を提供する店、接待をともなう店、個室や相席の店を対象とし、
規制対象となる、深夜時間の始まりを午前0時から、午後10時まで繰り上げて、
風営法の届け出を再度義務付ければ、対象店舗は網羅できるので、
午後10時までに閉める店舗を対象外にすることができるんじゃなかろうか。

いくらお酒を提供しようが、町中の飲食店やレストランが、
午後10時を過ぎて営業する店舗はそう多くなく、
おそらく・・・ 定食屋さんなどの大半は、営業時間との兼ね合いから、対象外となる可能性が高く、
メニューを値上げしてまで、お客に転嫁することもないだろう。

特措法の改正にあたっては、そこまでの議論を深めてから、一時金や見舞金の額を決めればよい。
そこまで議論する時間がないなら、見切り発車で給付を急いでも良いと思うので、
返済の方向性だけは、しっかり明記しておいてほしい。

併せて、パチンコ屋や、飲食をともなわない風俗営業店などを、対象にするか否かについても、
この際だから・・・ 議論の対象にし、その根拠を明確にしておいた方が良いだろう。

また、こういった状態が長引けば、潰れるというか、閉店する店舗が多くでる可能性もあり、
その対策も考慮しなきゃならないが、あまりに店舗が減れば、
その時は税率を変えずに、返済期間を延ばして、
営業中のお店に通う呑兵衛と呑み助に負担させれば何の問題もない。
そこまでやってくれるなら・・・ 私は居酒屋への補償金に、異論を持つことはない。

私が言いたいことは・・・ 一つだけ
居酒屋を利用してもないのに、借金の返済に付き合わされるのは・・・ まっぴら御免である。
ただ、それだけだから、他に妙案があるのなら、それを拒むものではない。

メディアは、法律まで改正して、補償を付けることを推奨するなら、
その先の返済の時は、いったいどうするかまで、併せて提案して欲しいと思ってやまない。

コロナウイルスの後遺症には、味覚症状や嗅覚症状に加えて、
脳梗塞や血栓症など命に関わる症状があるという。
しかし、最も大きな後遺症が・・・ 国債(借金)の返済であるということを忘れてはならない。


コメント    この記事についてブログを書く
« 心一つに、真剣勝負の三週間 | トップ | ビギナーズラック »

コメントを投稿

時のつれづれ・師走 」カテゴリの最新記事