多摩爺の「時のつれづれ(文月の38)」
科学は風評に負けられない。
7月4日の夕刻、政府が夏頃を目途とすると、前々からアナウンスしていた、
東京電力福島第一原子力発電所内に溜まった処理水の海洋放出について、その実施判断の根拠となる、
IAEA(国際原子力機関)からのレポート(調査報告書)が・・・ 総理に手渡され、
懸念されていた海洋放出に関する安全性は、国際基準に合致していると発表された。
今回の報告書の策定に当たっては、アメリカ、中国、韓国などを含む11か国の専門家が、
調査団を我が国に派遣し、その結果をとりまとめたものだが、
不思議なことに・・・ 専門家が調査団に加わったはずの、中国と韓国では、
自国の専門家の報告を、専門家でもない為政者が否定するんだから・・・ わけが分らない。
韓国野党の為政者に至っては「汚物は食べられるが、処理水は飲めない。」などとほざいている。
「だったら・・・ お前のウンコを食ってみろ!」だが、ふざけるにも程があるんじゃなかろうか?
その程度のレベルでも、韓国では政治家が務まるのであれば・・・ あまりにも情けない。
また、中国の為政者は「太平洋を下水処理場にするな。」とほざいたが、
中国が垂れ流す処理水は、我が国の処理水より高い数値であることを、どう説明するのか?
すでに東シナ海と南シナ海を下水処理場にしているはずだが、なにか不都合あったのだろうか?
なにもないから公にしてないのか、それとも国民の口を封じているのか、ハッキリさせてもらいたい。
レポートを渡した翌5日、地元の自治体が主催する評議会に、IAEAのトップ自らが出席し、
「処理水を安全に放出し終るまで、IAEAは福島にとどまる。」とのコメントを発し、
放出が始まるタイミングに合わせて職員を常駐させるとともに、
そのまま福島にとどまって・・・ 最後の一滴まで、安全性の評価を続けると表明している。
IAEAトップが発した、このコメントは極めて大きいと思う。
風評被害を懸念する方々が、投げかけたかったであろう懸念を・・・ 封じてしまったのだ。
とはいえ、IAEAは懸念される処理水の数値が、安全基準内であることまでは認めたが、
処理水を海洋放出するか否かは、あくまでも我が国の判断であり、
放出しなさいとは言ってないが、放出するなら我々が監視しますと、
言葉にして発してはないものの・・・ そのようなことを示唆している。
さらにこれは、言葉にしてはないものの、不測の事態に陥ったときには、
「我々(IAEA)が責任を持って、海洋放出を止めさせる。」と、言ったにも等しいだろう。
自国の原発が垂れ流している処理水が、我が国の2倍3倍も高いということを棚に上げて、
批判のための批判を繰り返す、厚顔無恥の中国や韓国ならいざ知らず、
IAEAのトップから、ここまで言われたら・・・ 常識ある我が国の関係者は、
懸念を封印して、常駐するIAEAの職員から、定期的に情報提供を受けるしかないだろう。
記憶が確かなら、たぶん石原元都知事だったと思うが、
「科学が風評に負けるのは国辱だ。」と、述べていたことを思い出した。
IAEAトップのコメントにより、風評被害問題は、なんとなく一段落ついたように思えるが、
中国と韓国からの嫌がらせと恫喝が、今後も続くことだけは・・・ 覚悟せねばならないだろう。
中国や韓国にとって、もし頭が痛いことがあるとすれば、
今秋予定されている・・・ TPP加盟国による会議かもしれない。
中国はTPPへの加盟申請をし、韓国もその気になっているようだが、
TPPへの加盟は、パートナー国の全会一致が必要なのに、
科学的な根拠を、ないがしろにするような両国を、
高度で自由な貿易のパートナー国として迎え入れることは、厳しいと言わざる得ない。
いずれにしても、強いリーダーシップを発揮して、科学的な根拠を毅然として示し、
アフターフォローまで担保すると発表した、IAEAのトップによって、
我が国における、処理水の海洋放出問題は・・・ 大きく前に踏み出したと思われる。
さまざまな思いがあることは承知しているし、漁業関係者の思いを察すれば複雑だが、
「科学(論理的思考)は、風評(噂話)に負けないし、負けられないし、負けてはならない。」
そういった視点で捉えれば、待ったなしであり、さし迫った状況下において、
新たな解決法があるとは思えない。
人の心のなかにある、如何ともし難いストレスを、きれいさっぱり解消することができず、
「任せた!」と、ハッキリ言えないところが・・・ いささか辛いが、
信じて、期待を持って、前に進むしかないのではなかろうか?
追伸
たらたらと能書きを述べてしまったが、
ここに記したことは、あくまでも個人的な思いであって、
本件について議論するつもりはないので、コメントについてはご容赦願いたい。
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