多摩爺の「時のつれづれ(葉月の9)」
ミライの授業 瀧本哲史(講談社)
コロナ禍と猛暑のダブルパンチが襲ってきた今年の夏、
毎年恒例の帰省を、今年は取りやめたことから、
時間ができたというか、暇なもんで・・・ 本棚を少し整理していたところ、
たまたまだが、3年前の冬、初孫が生まれる半年前に、
10年以上も先のことを楽しみにして、買っておいた本に目が留まった。
瀧本哲史さんという、京都大学の先生が書かれた「ミライの授業(講談社)」という本だが、
本屋さんで偶然目についたのは・・・ 帯封に書かれた、ちょっと気になる言葉だった。
帯の表には・・・ これは14歳に向けた「冒険の書」であり、
大人たちが知るべき「教養の書」であると書かれ、
帯の縦には・・・ 親子で読む! 人生を変える5つの法則とあり、
帯の裏には・・・ 戦場の天使・ナイチンゲールの意外な素顔、
コペルニクスは、なぜ30年間も沈黙したのか?
ごく普通の高校教師が、あえて選んだイバラの道、柔道が世界で愛される、たった一つの理由、
22歳の女性が日本社会を変えた、伊能忠敬の陰に「もうひとりの主人公」などなど、
何気に興味をそそる言葉があった。
いつもなら、パラパラっとページをめくり、前書きぐらい読んでから、
買うか買わないかを決めてるが、
税別で1,500円もする高い本なのに、「面白そうじゃないか?」と思った瞬間、
逡巡することなく、レジに並んでたんだから・・・ 完璧に衝動買いである。
既に3回ほど読んでるが・・・ なにせ孫はまだ、3歳2カ月と1歳2カ月だから、
この本で学んだことを話してやるには、まだ早いどころか・・・ 10年早い。
誰に聞いても、爺バカだと云われるのがオチだが・・・ 長男の嫁のお腹に、孫が出来てから、
変な意味じゃないが、いろんなことを妄想し、一人で含み笑いするのが楽しくて堪らなくなっていた。
日々の生活の中で、ちょっとでも気になることがあると、
孫がそれを聞いてきたら、なんて答えてやろうか?
いやいや、どうやって教えてやろうかなんて・・・ 妄想してると、ホントに楽しくて堪らない。
例えば・・・ なぜ、勉強しなきゃならないのか?
どうしたら、足が速くなるのか? 苺は、どうして美味しいのか? 爺ちゃんの髪は、なぜ白いのか?
どうしてお腹が空くのか? などなど・・・ 教えてやりたいことが山ほどあって、
ちょっとしたことでも、メモを取るようになっている。
もちろん、いま話題の将棋だって教えてやりたいし、囲碁だって教えてやりたい。
巷にたくさん溢れてる・・・ 子供が疑問を持つ、何故、何故に対して、
どうしたら、分かり易く教えてやることが出来るのだろうか。
たかが妄想だけど、質問してくるシーンと、
丁寧に説明してるシーンが交互に出て来て、本当に・・・ 楽しい。
まだまだ3歳と1歳だが・・・ 孫たちは、会う度にもの凄い勢いで成長しているのが分かる。
それに対し、こちらは転げ落ちるように日々退化しているのも、よく分かっている。
この鰻上りの成長曲線と、雪崩のような退化曲線は、いつ頃のタイミングでクロスするのだろうか?
おそらく、10年ぐらい先だと思うが、
その日が来るまでに、どれだけのネタと答えの準備ができるだろうか?
段取り八分というぐらいだから・・・ ボーっとしている時間がもったいない。
お盆が明けた今週、短い夏休みを楽しんだ子供たちの元気な声が再び通学路に響くようになってきた。
私と孫の未来の授業は、もっともっと先のことだが、
「爺ちゃん、凄い!」の一言が聞きたくて、
いまのうちから、しっかりネタを蓄えておこうと思う。ミイラの授業ではない、ミライの授業である。
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