山口拓夢・「短歌で読む」シリーズ紹介

哲学者かつ神話学者・山口拓夢の著書を紹介します。

「短歌で読む宗教学」数首

2025-02-04 10:29:50 | 哲学の短歌
宗教というだけで敬遠する人が居ますが、
宗教性や信仰が悪いわけではありません。

「天空は高みのゆえにそれ自体聖なるものの特徴を持つ」
そういう所から、宗教的な感覚は開けてきます。
「万物に姿を変える水はみな命の種を宿す霊薬」

また、ユングのアニマ的なイメージが、信仰にも見られます。
「妖精は本来水の精であり人を引きつけ時に惑わす」

次に龍神信仰について見てみましょう。
「水神の龍は宇宙の維持力で皇帝の持つ意味と重なる」

また石に対する信仰もあります。
「厳めしく固くそびえる石はみな存在感で聖別される」

人は、知らないうちに、宗教的な感覚に触れています。
「無意識の奥に眠った聖性が現代人に呼びかけている」
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「短歌で読む哲学史」から数首

2025-02-04 08:38:15 | 哲学の短歌
第一作 「短歌で読む哲学史」から数首、紹介します。

古代では、ソクラテスについての一首
「その男自分が無知と知っている その一点で他より賢い」
いわゆる、ソクラテスの、無知の知です。
デルフォイの巫女さんの神託の内容を詠みました。

中世ではトマス・アクィナスの神学です。
「人の知る神の名は有りて有る者で 人の幸とは神を見ること」
神こそが、永遠の存在だと、言っています。
聖書の出エジプト記の神の自己紹介のことばです。

近世からは、ヘーゲルの
「神という精神が自己を顕わして 歴史のなかで展開をする」
人間が神の知恵に近づく旅が、「精神現象学」で書かれています。
逆に言えば、神の方も、歴史や哲学のなかで自分を露わにして行く、ということ。


「人類のそれぞれの地に花開く無意識の美の構造を読め」レヴィ=ストロース(20世紀・構造主義)
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哲学を短歌で詠むきっかけ

2025-02-04 07:28:34 | 哲学の短歌
私が、哲学を短歌で詠むようになったきっかけ。
それは、あるとき、西洋哲学者全員を短歌で詠んだら
壮観だな!と思いついたからです。
最初に書いたのは、ニーチェの学説の短歌。
「人間は乗り越えられる生き物だ その超人の到来を告げよう」
「繰り返しこの人生を生きたいと言い切れるほど強く生き切れ」
でした。
それと同じ時に思いついたのは、プラトンの説の短歌。
「魂は宇宙を駆けて天界の美そのものをかつて見ていた」
であります。
わたしは、古代哲学ファンではないけれど、結構詳しかったので、
すぐ、プラトンのイデア論(美そのもの、人そのものという
モデルがあるから、物をそれとわかる、という説)で一首。

このように最初は、思い浮かんだ歌をメモ帳にメモしていましたが、
徐々に、本で学説を読んでから、短歌でまとめて見出しにするように
なりました。
短歌で学説を読むから、「短歌で読む 哲学史」が生まれました。
こんな調子です。

「疑ってすべてを疑い尽くしても 疑っているわれは消えない」デカルト
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