山口拓夢・「短歌で読む」シリーズ紹介

哲学者かつ神話学者・山口拓夢の著書を紹介します。

「短歌で読む宗教学」から数首④

2025-02-17 08:00:12 | 哲学の短歌
◆神話の意味
「神話とは儀礼や人の一切の 意味ある行為のモデルを示す」
人は、世の始まりの時の、先祖や英雄の行為や、宇宙創造の営みを、
神話によって確認し、現実の生活のモデルと見做します。
絶えずそれを見習って、
反復することで、人は原点に帰り、もう一度生き直します。

「神話とは人の行為の先例で 世の決めごとの源泉である」
神話は、人間の行為の先例であるだけでなく、
現実のあり方の鋳型だと言えます。

「人間は神話の型を反復し 再現しては意義を見出す」
すべての神話は、初めの時に起こったことを語り、人の行為や
世の定めの先例となり、のちの世の人間は、その型を
繰り返すことになります。
太古的な人は、神話のモデルを実感して生きたいと願います。

現代の、マンガやドラマの「聖地巡礼」という表現も、
大抵は気づかれていませんが、このような憧憬の反復
という、神話的な追体験と言えそうです。
コメント
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