山口拓夢・「短歌で読む」シリーズ紹介

哲学者かつ神話学者・山口拓夢の著書を紹介します。

「短歌で読む哲学史」から数首②

2025-02-06 15:20:04 | 哲学の短歌
西洋の近世哲学の二大潮流の
一つが、大陸合理論と呼ばれる流れです。

①「疑ってすべてを疑い尽くしても 疑っているわれは消えない」デカルト
デカルトの発想は、方法的懐疑、と呼ばれます。
哲学のために、「手段」として、「すべてを疑う」ことを、敢えてする、ということです。
その結果、たとえ、すべてを疑っても、「疑っている、この私は確かに居る」そう気づきます。
有名な「われ思う、ゆえにわれ有り」は、ここから来ています。


②「人間と自然は神の様態で 神は自然の隅々に有る」スピノザ
自然界にある全てのものが、神のモードのひとつで、世の隅々に神は行き渡っている、という説。
神=自然というこの説は、世界を「神の多様体」と唱える、得心できるはなしです。


③「散らばった 窓を持たない単子たち 自発作用で調和している」ライプニッツ
この世は、神の作った「単子」の自発的な運動で、うまく調和して、できているという説。

おもにこの三人の説が、大陸合理論と呼ばれ、イギリス経験論とぶつかりました。

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