〇 事前に確認すべき7項目。
世界的な半導体不足や流通コストの高騰、円安の影響などでスマートフォン価格が高騰している。2022年9月16日に米Apple(アップル)が発売したiPhoneの新モデル「iPhone 14」は128Gバイトのモデルで11万9800円(税込み、以下同)である。2021年9月発売の「iPhone 13」は同じ128Gバイトのモデルで9万8800円だった。2万1000円も値上がりしている。
このように新品のスマホ価格の値上がりが続く中、注目を集めるのが比較的安価に購入できる中古スマホだ。だが、中古スマホをよく考えずに購入すると、思わぬ落とし穴が待っているかもしれない。ここでは中古スマホの購入時に注意すべき7つのポイントを紹介しよう。
中古スマホは大きく2つのタイプに分けられる。
中古スマホ購入の際にまず頭に入れておきたいのは、中古スマホには大きく2つのタイプがあることだ。1つは、中古スマホショップなどで売買されている「一般的な中古スマホ」。一般の利用者が持ち込んだ端末が中心で、コンディションに個体差がある。傷の状態に応じてランク付けされることが多く、新品同様のものや未使用の「新古品」と呼ばれるスマホも流通している。フリマアプリの「メルカリ」や、ネットオークションの「ヤフオク!」などで売買される製品も一般的な中古スマホと認識してよい。
もう1つは「リファービッシュ品」と呼ばれる。リファービッシュ(refurbish)は「改修、一新する、磨き上げる」といった意味の英単語である。リファービッシュ品は、メーカーが初期不良や故障などが原因で回収した製品を修理して再出荷したものだ。中古だが新品同様であり、安心して使える。
大手キャリアは「docomo Certified(ドコモ認定リユース品)」「au Certified(au認定リユース品)」「SoftBank Certified(ソフトバンク認定中古品)」のように中古スマホをオンライン限定で販売している。これらは各キャリアが整備した中古スマホである。2022年9月末時点で取り扱っている機種はiPhoneのみだが、キャリア各社が品質を保証して30日間の無料保証も付けている。リファービッシュ品に近い製品といえる。
中古スマホ購入時に確認すべき7つのポイント。
では、中古スマホ購入で失敗しないためのポイントは何か。中古スマホを購入する際は、(1)商品の状態、(2)付属品の有無、(3)SIMロックの状態、(4)ネットワーク利用制限の有無、(5)技適マークの有無、(6)充電できるバッテリー容量、(7)無料保証の有無――の7項目を必ず確認しよう。ネットショップやオークションサイトで購入する際も、商品説明に上記の記載がなかったら販売者や出品者に確認した方がよい。
(1)商品の状態。
まず(1)の商品の状態から説明する。実店舗で中古スマホを購入する際は、実物を確認できる。だがネットで購入する場合は、掲載された画像で判断するしかない。中古ショップで販売しているスマホは、傷の状態などがABCの3ランクに分けられていることが多い。各ランクの基準も明記されているので参考にしよう。
(2)付属品の有無。
製品パッケージやSIMピン、USBケーブルなどの同こん品が付属していない中古スマホもある。これらの有無を確認するのが(2)の付属品の有無である。特にフリマアプリやネットオークションで付属品の記載がない場合は出品者に確認するようにしよう。
(3)SIMロックの状態。
(3)のSIMロックの状態は要注意事項の1つだ。2021年9月より前に大手キャリアが販売したほとんどの機種は、販売したキャリアのSIMでしか使えないようにロックがかけられている。これをSIMロックと呼ぶ。例えばNTTドコモのSIMロックがかかった中古スマホは、KDDIやソフトバンクのSIMを挿しても使えない。NTTドコモの回線を使うMVNO(仮想移動体通信事業者)のSIMは利用可能である。
中古スマホのSIMロックを解除する方法はある。しかし手間がかかるだけでなく、手数料が発生する場合が多い。こうした作業を減らすためにもSIMロック解除済みの機種、または最初からSIMロックがかかっていないSIMロックフリーの機種を選ぶのが得策だ。
ちなみにキャリアが販売する一部のAndroidスマホは、そのキャリアの周波数や提供するサービスに最適化されている。例えばNTTドコモのSIMを挿して使う場合、SIMロックを解除したKDDI版やソフトバンク版のスマホでも使えるが、NTTドコモ版の方がより快適に使えることも覚えておこう。一方のiPhoneは、全キャリアから同一モデルの製品が販売されているため、対応周波数などに違いはない。
(4)ネットワーク利用制限の有無。
中古スマホを所有していた前ユーザーが端末代金や利用料金を支払っていなかったり、盗難などで不正に流通している端末だったりすると、キャリアがその端末を使えないように制限をかけることがある。ネットワーク制限をかけられた端末は「赤ロム」と呼ばれ、電話とモバイルデータ通信ができない。赤ロムか否かを確認するのが(4)のネットワーク利用制限の有無である。
スマホのIMEI(製造番号)が分かれば、キャリアのWebサイトでネットワーク利用制限の有無を確認できる。中古ショップは販売する前に赤ロムかどうかを確認しているが、購入後に赤ロムになったスマホを補償する店舗もある。赤ロムに対する補償の有無を確認しておくとよい。ネットオークションなどで購入する際は、事前にIMEIを問い合わせて赤ロムでないことをチェックしておく。
(5)技適マークの有無
中古スマホの中には海外で使われていた端末もある。ただし海外版のスマホを日本国内で使う際には注意したい。日本の電波法で定める技術基準に適合している無線機であることを証明する「技適マーク」が付いていなければ使えないからだ。これが(5)の技適マークの有無である。また海外版のスマホは、日本で修理を受けられなかったり、日本のキャリアが採用する周波数に対応していなかったりして、つながりにくい場合もあることも頭に入れておこう。
(6)充電できるバッテリー容量
充電できるバッテリー容量にも気を付けたい。これが(6)である。スマホを長く使えばバッテリーが劣化して、充電できる容量が少なくなる。バッテリーの状態を確認できる機種なら購入時に確認すべきだ。iPhoneなら「設定」→「バッテリー」で、新品時と比較したバッテリー容量を確認できる。
一部のAndroidスマホもバッテリー容量を確認できる。例えばシャープのAQUOSは「設定」→「デバイス情報」をタップすることで「電池の状態」を確認できる。ただしiPhoneのようにパーセントで表示されず、「良好」や「80%以上」などと表示される。フリマアプリやネットオークションに出品されている中古スマホの説明にバッテリー状態の記載がない場合は、確認を求めるべきだろう。
(7)無料保証の有無。
最後の(7)が無料保証の有無である。中古スマホに保証サービスはないと思ってしまいがちだが、販売したスマホに初期不良があった場合は交換または返金してくれる店舗は多い。無料保証の条件や保証期間は店舗ごとに異なるが事前に確認しておこう。一方、フリマアプリやオークションサイトで購入した中古スマホは、初期不良や事前に聞いていた状態と大きく異なる場合は、取引完了前に自分で返品交渉しなければならない。
キャリアの認定リユース品は安心だが品薄。
リファービッシュ品を購入する場合は、商品の状態をさほど心配する必要はない。修理後に品質を確認しているので、初期不良が発生する可能性は一般的な中古スマホよりも低いと考えてよい。ただしリファービッシュ品は中古品だが新品ではない。SIMロックがかかっていないか、赤ロムだった場合の補償はあるのか、ということは購入前に確認しておきたい。
キャリアが販売する認定リユース品は、回収したiPhoneを整備したものだ。バッテリーの最大容量が80%以上で基本性能と接続機能は検査済み。さらに購入から30日間の無料交換の保証も付く。ネットワーク利用制限がかかる心配はなく、技適マークも付いている。アップルの認定整備済み製品ではないが正規サポートの対象となり、故障時はアップルに有償修理を依頼できる(ただし過去にアップル純正ではない部品を用いて修理した場合は対象外)。
リファービッシュ品や認定リユース品は、一般的な中古スマホよりも安心して購入できる。ただし一般的な中古スマホに比べると購入できる機種数は少ない。特にキャリア認定の整備済みiPhoneは在庫薄になりがちだ。