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いる資格、いらない 資格 2023。②

〇 「取得したいIT資格」は登録セキスペが1位、AWSの6連覇ならず。

「IT資格実態調査」を2023年10月から11月にかけて、日経BPの技術系サイト「日経クロステック」で実施。編集部が選んだ50種類のIT資格について、アンケート形式で保有状況や役立ち度合い、今後の取得意向を調べた。IT資格実態調査は2017年から毎年実施しており、今回は7回目に当たる。

5年ぶりに情報処理安全確保支援士が返り咲く。

今回はIT資格の取得意欲を見る。アンケートで、50種類のIT資格の中から「これから取りたいと思うIT資格」を最大3つ選んでもらった。

最も多くの回答を集めたのは「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」で、229人の回答者のうち47人が取得したいと回答した。回答者全体に占める回答率は20.5%である。第1回IT資格実態調査で回答率1位を得たが、第2回の2018年以降からは「AWS認定各種(ソリューションアーキテクトなど)」が毎年1位だった。今回、5年ぶりに1位の座を奪還した。

これから取得したい資格
画1、これから取得したい資格。
「取得したい」という回答が10人以上だった資格を示した。

連覇を逃した「AWS認定各種(ソリューションアーキテクトなど)」は今回2位で、45人(回答率19.7%)だった。AWS認定各種は今回、保有率がマイナスに転じたこともあり、今後の動向に要注目だ。3位は「プロジェクトマネージャ」で回答者が30人(回答率13.1%)である。プロジェクトマネージャは前回調査では5位だったが、今回2つ順位を上げ3位にランクインした。

「これから取りたい」という意欲の増減を前回調査の結果と比較しよう。50種類のIT資格の中で取得意欲が最も後退したのは「データベーススペシャリスト」でマイナス5.8ポイントだった。この結果、データベーススペシャリストは6位から17位へと大幅に順位を下げた。その次に、マイナス幅が大きかったのは「システムアーキテクト」だ。前回調査に比べて3.2ポイントのマイナスだった。順位は前回9位から、今回16位と大幅に下がっている。

一方で、取得したい資格として回答率を高めた資格もある。プラス幅が最も大きかったのは「応用情報技術者」と「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」で4.3ポイントのプラスだ。次にプラス幅が大きかったのは「PMP(Project Management Professional)」で3.3ポイントのプラスだった。前回20位だった順位は、今回11位と大幅にランクアップした。

プロジェクトマネジメント関連資格の需要が高まる。

3位にランクインしたプロジェクトマネージャや、プラス幅を大きく伸ばしたPMP(Project Management Professional)などの動きを見ると、プロジェクトマネジメント関連資格の需要の高まりがうかがえる。パーソルキャリアの「転職サービスdoda」が2022年12月に発表した調査によると167種類の職種別の年収ランキングにおいて、「プロジェクトマネジャー」は6位にランクインしている。業界横断で相対的に見ても、職種として需要が高く年収が高い状態にあることも、プロジェクトマネジメント関連資格の人気を後押ししていると言えるだろう。

全体を通じてみると、取得意欲は前回よりも下降している。50資格の回答率の伸びを単純平均した値はマイナス0.3ポイント。前回調査はプラス0.2ポイントだった。項目数別に見ると、回答率がマイナスとなった項目数は29、前回と変わらなかったものは4、プラスだったものが16だ。取得したい資格への偏りが生まれつつありそうだ。

ITベンダー資格、クラウド関連が上位を独占。

ITベンダー資格に限定して見てみよう。上位の「取得したい」ITベンダー資格の顔ぶれは前回と変わらない。

これから取得したいITベンダー資格
画2、これから取得したいITベンダー資格。

「これから取得したい」という回答が最も多かったのは「AWS認定各種」で45人(回答率19.7%)だった。2位は「マイクロソフト クラウド分野(Cloud Platform、Linux on Azure)」で12人(回答率5.2%)だ。1位と2位の間の差はトリプルスコアと開きは大きい。AWS認定各種の人気の根強さが垣間見える。

その後は3位「Google Cloud(Professional Cloud Architectなど)」(8人)、4位「シスコ ルーティング&スイッチング分野(CCNA/CCNP/CCIE)」(6人)と続く。依然として上位3位のITベンダー資格は、クラウド関連資格であり、安定的かつ突出した需要の高さが続いている。

「IT資格実態調査」調査概要。

IT資格の保有動向や取得意向、役立ち度などを調べる目的で毎年実施。日経クロステック上のWebアンケートで、調査期間は2023年10月12日~11月10日、回答者は229人。回答者の所属企業・組織はユーザー企業が112人、IT企業が75人、その他が42人。年齢は18歳未満が0人、18~29歳が7人、30代が37人、40代が71人、50代が69人、60歳以上が45人。 調査対象とした50種類のIT資格は以下の通り。
ITパスポート
基本情報技術者
応用情報技術者
ITストラテジスト
システムアーキテクト
プロジェクトマネージャ
ネットワークスペシャリスト
データベーススペシャリスト
エンベデッドシステムスペシャリスト
ITサービスマネージャ
システム監査技術者
技術士(情報工学部門)
BABOK系(CCBA、CBAPなど)
ITコーディネータ
PMP(Project Management Professional)
LinuC/LPIC(Linux技術者認定試験)
OSS-DB技術者認定試験
ITIL系(ITILファンデーション試験など)
UML系(UMLモデリング技能試験、OMG認定UML技術者資格試験)
HTML5プロフェッショナル認定試験
XMLマスター(XML技術者認定制度)
Android技術者認定試験(アプリ/プラットフォーム)
PHP技術者認定試験
Ruby技術者認定試験
Rails技術者認定試験
Python 3 エンジニア認定試験
Scrum(認定スクラムマスターなど)
E資格(JDLA Deep Learning for ENGINEER)
G検定(JDLA Deep Learning for GENERAL)
AWS認定各種(ソリューションアーキテクトなど)
オラクル データベース分野(ORACLE MASTER、認定MySQLなど)
オラクル 開発分野(認定Javaプログラマなど)
シスコ ルーティング&スイッチング分野(CCNA/CCNP/CCIE)
SAP(SAP認定コンサルタントなど)
ヴイエムウェア(VCA/VCPなど)
マイクロソフト クラウド分野(Cloud Platform、Linux on Azure)
マイクロソフト サーバー分野(Windows Serverなど)
マイクロソフト データベース分野(SQL Serverなど)
マイクロソフト 開発分野(App Builder、Web Applicationsなど)
Google Cloud(Professional Cloud Architectなど)
レッドハット(RHCSA、RHCEなど)
情報セキュリティマネジメント試験
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
CISSP
シスコ セキュリティ分野(CCNA Security)
CompTIAセキュリティ資格(Security+、CSA+)
LinuC/LPICレベル3 303 Security
CISA
CISM
GIAC

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