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Amazonタブレット「Fire Max 11」はシリーズ最大画面、キーボード付きカバーも用意。

〇 Amazon.con(アマゾン・ドット・コム)の「Fire Max 11(ファイアーマックスイレブン)」は、「Fireタブレット」シリーズ最大の11型ディスプレーを搭載した最新モデルだ。

別売りでキーボード付きカバーとスタイラスペンも用意され、クリエイティブな活用もできる。メーカーの貸出機を試用する機会を得たので、使い勝手についてお伝えする。

キーボード付きカバーとスタイラスペンを装着した「Fire Max 11」
画1、キーボード付きカバーとスタイラスペンを装着した「Fire Max 11」。

大型ディスプレーと高性能プロセッサーを搭載。

Fire Max 11はシリーズ最大のディスプレーを搭載するタブレットだが、前モデルよりもベゼルを細くしており、本体サイズは259.1×163.7×7.50ミリに抑えられている。カラーはグレーのみ。本体の薄さとアルミニウムの光沢が高級感を出している。

ベゼルが狭くなったため、すっきりと洗練されたデザインに
画2、ベゼルが狭くなったため、すっきりと洗練されたデザインに。
 
背面はアルミニウム合金製で光沢もある
画3、背面はアルミニウム合金製で光沢もある。

ディスプレーの解像度は2000x1200ドットで、ドイツの認証機関テュフ・ラインランドによる低ブルーライト認証を取得している。映画やミュージックビデオを数本見てみたが、奥行きを感じさせる美しい映像を視聴できた。小説では文字がくっきりと表示され、読みやすかった。

「Kindle」で小説を読んでみた。文字はくっきりと表示され、読みやすい
画4、「Kindle」で小説を読んでみた。文字はくっきりと表示され、読みやすい。

オクタコアプロセッサーと4ギガバイトのメモリーを搭載し、前モデル「Fire HD 10 Plus」よりも約50%高速化したという。そこで、「AnTuTu Benchmark」によるベンチマーク測定を実施したところ、総合スコア「419760」を記録した。確かにサクサクと動作し、筆者が前モデルを試用したときよりも格段に向上していることを感じた。

「AnTuTu Benchmark」によるベンチマーク測定では、総合スコア「419760」
画5、「AnTuTu Benchmark」によるベンチマーク測定では、総合スコア「419760」。

ストレージは64ギガバイト、または128ギガバイトで、別売りのmicroSDカードにより1テラバイトまで拡張できる。動画のオフライン再生を楽しむ人にも安心だ。無線LANは「Wi-Fi 6」 (802.11 ax)に対応し、デュアルバンド802.11a/b/g/n/ac/axに準拠する。充電とオーディオに対応するUSB Type-C(2.0)コネクタを1基備える。Bluetoothは5.3でA2DPステレオヘッドホンに対応する。

カメラは8メガピクセルのフロントカメラとリアカメラを搭載、オートフォーカスはリアカメラのみが対応する。画像や動画の撮影よりもビデオ通話での使用を想定しているようだ。

バッテリーは7500mAh(ミリアンペア時)で最大14時間駆動するという。筆者が試したところ、日中にPrime Videoを約9時間視聴し、Officeアプリやメールで1時間ほど作業、就寝中はスタンバイという使い方でフル充電から0%となった。実際にはこれほどバッテリーのみで映画を視聴する機会も少ないと考えられるため、十分なバッテリー持ちだと考えられる。充電には0%から100%になるまでに約4時間を要した。

Amazon純正のキーボード付きカバーとスタイラスペンが使いやすい。

Fire Max 11専用のキーボード付きカバーとスタイラスペンが同時発売されている。タブレットとのセット販売、もしくは別売りでの購入となる。

キーボード付きカバーは日本語配列、キーピッチは17.8ミリで特に狭さは感じない。作りも頑丈なため、強めにタイピングしてもたわむような感触もない。タブレットにマグネット式で取り付けられ、装着や取り外しは簡単だ。ポゴピン接続で電源はタブレットから供給される。トラックパッドも内蔵し、ピンチズームや2本指スクロールに対応する。

Fire Max 11専用のキーボード付きカバー
画6、Fire Max 11専用のキーボード付きカバー。

バックカバーを半分程度開いてスタンドとして使えば、動画の視聴などに便利だ。ファブリック調のデザインにより、文房具や雑貨のような温かみも感じられる。

キーボード付きカバーをスタンドとして利用できる
画7、キーボード付きカバーをスタンドとして利用できる。
 
背面から見ると雑貨のような温かみがある
画8、背面から見ると雑貨のような温かみがある。
 
ポゴピン接続で本体からキーボードに給電される
画9、ポゴピン接続で本体からキーボードに給電される。

ただし、持ち歩きの面で考えると重さがネックに感じられる。前後カバーは合わせて約415グラム(実測値)であり、本体と合体させると約905グラムとなる。これでは軽量ノートPCよりも重くなってしまう。キーボードがないカバーも3色展開で販売されているため、用途によってはそちらを選択してもよいだろう。

スタイラスペンは、メモ書きやPDFへの書き込みに利用できる。4096段階の筆圧感知ができるため、スケッチなどの描画も可能だ。USI 2.0規格対応で、付属のバッテリー(単6電池)で利用する。タブレットの横にマグネットで吸着できる。筆者はメモ書きで試したが、大きな遅延もなく、書きやすい。

スタイラスペンは筆圧も感知できる
画10、スタイラスペンは筆圧も感知できる。

キーボード付きカバーとペンを組み合わせた使い勝手は。

Fire Max 11はアマゾンの音声AIサービス「Alexa」に対応している。コントロールパネルから「Showモード」に切り替えると、スマートスピーカー「Echo Show」と同様の表示になる。天気や豆知識をAlexaに尋ねたり、Amazonのショッピングを音声で行ったりできる。

また、「デバイスダッシュボード」からEcho Showや「Ring」などのカメラを呼び出してビデオ通話したり、スマートリモコンと連動させて家電を動作したりできる。特にカメラは、ペットや家族の見守りに便利だ。Amazonアカウントでログインしているデバイスだから設定不要で利用できる。

Showモードでスマートスピーカーのように使える
画11、Showモードでスマートスピーカーのように使える。

Fire Max 11はAndroidベースの「Fire OS 」が搭載されているため、GoogleのPlayストアのアプリは利用できず、「Amazonアプリストア」のアプリを利用する。

このアプリストアの違いが許容できない人もいるだろう。例えば、キーボード付きカバーとスタイラスペンを使ってサブノートのように使いたい場合、普段から使用しているアプリが「Amazonアプリストア」にあるとは限らず、代替となるツールが必要になる。Fire Max 11には「Microsoft 365 Personal」が3カ月無料で付いているため、それを活用してもいいだろう。

今回は、紙で受け取った資料の修正指示をメールで送ることを想定し、作業してみた。資料をカメラで撮影し、PDF化したものにペンでコメントしたが、スムーズに書き込めた。カメラとペンの組み合わせでこうした作業が簡単にできる。

カメラから作成したPDFにペンで赤入れした様子
画12、カメラから作成したPDFにペンで赤入れした様子。

また、画面分割によって2つのアプリを表示できるため、片方には「Microsoft OneNote」を立ち上げ、片方では「Zoom」でミーティングという利用法もある。

左側にOne Note、右側にZoomを開いたところ。ミーティング中にメモが取れる
画13、左側にOne Note、右側にZoomを開いたところ。ミーティング中にメモが取れる。

メールはプリインストールされていた「Eメール」アプリにGmailを設定した。キーボードで入力すれば、ノートPCでの作業のようにメール文が作成できる。ブラウザーは「Silkブラウザ」を使ってWeb閲覧した。Googleサービスなど、ブラウザーで利用できるサービスはアプリがなくても使うことができる。

ここで残念に感じた点は、SIMが使えないことだ。Wi-Fiやテザリングでネットに接続すれば問題はないが、タブレットなら直接SIMで接続したい。また、GPSにも非対応なので注意したい。

Amazonファミリーとしての高性能タブレット。

Google Playストアのアプリが使えないことはかなり痛いが、Amazonのサービスをフルに使っている人には便利なタブレットだ。11型の広いディスプレーでPrime Videoを視聴し、Kindleを読める。子どもがいる家庭なら、子ども用にアカウントを作り、「Amazon Kids+」を利用させてもいいだろう。Alexaとの連携もスムーズなので、すでにスマートスピーカーを使っているなら、Amazonの仲間が1つ増えるイメージだ。

Fire Max 11の販売価格は、64ギガバイトモデルが3万4980円(以降、価格はすべて税込み)、128ギガバイトが3万9980円。スタイラスペンとキーボード付きカバーセットの場合は64ギガバイトモデルが4万7980円、128ギガバイトのセットが5万2980円となる。Amazonの他、家電量販店などでも販売される。スペックが高いタブレットをリーズナブルに入手したい人には、候補の1つになりそうだ。


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