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Wi-Fi 6Eの速度は従来以上か変わらずか、実機テストで見えてきた潜在能力。

〇 2022年9月に総務省が電波法施行規則などを改正したことで、Wi-Fi 6Eが利用する6GHz帯の電波を国内でも利用できるようになった。

それと同時に、各社からWi-Fi 6E対応のWi-Fiルーターが発表され、一部は既に発売されている。Wi-Fi 6Eに対応するPCやスマートフォンは既に国内で販売されており、日本でもWi-Fi 6Eを利用できる環境が整ったように見えた。

対応するPCやスマホは既にあるがほとんどは使えない。

だが本記事を執筆している2022年10月中旬時点では、国内ではWi-Fi 6Eをほとんど利用できない状況が続いている。Wi-Fi 6Eを使用可能なPCやスマホといった子機が相当少ないためである。

現在日本で販売されているWi-Fi 6E対応のPCやスマホのほとんどは、ファームウエアによって6GHz帯で接続する機能が塞がれており利用できない。これらのPCやスマホは、メーカーが6GHz帯の技術基準適合証明を取得し、対応した最新ファームウエアを提供した時点で6GHz帯の通信が可能になるとみられる。

ただし、メーカーが6GHz帯の技術基準適合証明を取得しない機種に関しては、6GHz帯では通信することができない。スペック上はWi-Fi 6Eに対応していても、メーカーや機種によっては対応まで待たされる、または対応しないこともあるだろう。

Wi-Fiルーター同士の通信も可能。

とは言え、子機を入手しないと日本国内でWi-Fi 6Eが使えないというわけではない。Wi-Fi 6Eに対応するWi-Fiルーターの中には、Wi-Fiルーター同士の接続でWi-Fi 6Eを利用できる製品もある。今回は、こうした使い方ができる「WNR-5400XE6/2S」(バッファロー)を使って、Wi-Fi 6Eの実力をテストしてみたので紹介しよう。

Wi-Fi 6Eの最高速度や通信の仕組みは、Wi-Fi 6とほぼ同じだ。通信に6GHz帯の利用が追加されたのがWi-Fi 6Eである。現時点で6GHz帯を使うユーザーはほとんどいないため、電波が空いており通信の高速化が狙える。また、6GHz帯は利用できるチャンネルの数が5GHz帯より多い。複数のチャンネルを束ねて高速化するチャンネルポンディングがより使いやすいと言える。

5GHz帯の一部は気象レーダーなどのレーダー波にも利用されている。DFS(Dynamic Frequency Selection)という仕組みがあり、レーダー波を検知した場合はチャンネルが強制的に切り替わる。また該当する周波数を最初に使う前と、チャンネルを切り替えたあとの60秒間は電波の送信を停止し、気象レーダーなどと重複がないことを確認してから電波を送信する。そのため、利用開始時に少々待たされる場合がある。このDFSは6GHz帯にはない。

ただ欠点もある。6GHz帯は5GHz帯よりも波長が短いため、電波の飛ぶ距離は5GHz帯よりも短くなる。

バッファローの「WNR-5400XE6/2S」(大手家電量販店点での販売価格は税込み4万3980円程度)は、Wi-Fi 6E対応のWi-Fiルーター。2台を中継機モードで設定するとWi-Fi 6Eでも通信できる
画1、バッファローの「WNR-5400XE6/2S」(大手家電量販店点での販売価格は税込み4万3980円程度)は、Wi-Fi 6E対応のWi-Fiルーター。2台を中継機モードで設定するとWi-Fi 6Eでも通信できる。

今回テストに使ったバッファローのWNR-5400XE6/2Sは、「WNR-5400XE6」を2台セットにした製品だ。WNR-5400XE6は、Wi-Fi 6Eに対応するWi-Fiルーターである。理論上の最大通信速度は5GHz帯と6GHz帯が2401Mbps、2.4GHz帯は573Mbps。3つの周波数帯を同時に利用できる。

WNR-5400XE6/2Sは「Wi-Fi EasyMesh」によるメッシュネットワークが設定された状態で出荷されるが、WNR-5400XE6はWi-Fi EasyMeshとは別に中継機機能を持つ。その中継機機能を使いWi-Fiルーター同士で接続したときに、6GHz帯を利用できる。そのため、6GHz帯で接続するには2台のうち1台を中継機モードに切り替え、Wi-Fi EasyMeshを解除する必要がある。中継機に設定変更したWi-Fiルーターの設定画面を開き、中継機能から6GHz帯のSSIDを選べばよい。

 

WNR-5400XE6/2Sのうち1台を中継機モードに切り替え、Wi-Fiルーター同士で接続すると、6GHz帯で通信可能になる。中継機モードから6GHz帯のSSIDを選んで接続すればよい。画面はWNR-5400XE6の設定画面
画2、WNR-5400XE6/2Sのうち1台を中継機モードに切り替え、Wi-Fiルーター同士で接続すると、6GHz帯で通信可能になる。中継機モードから6GHz帯のSSIDを選んで接続すればよい。画面はWNR-5400XE6の設定画面。

今回のテストでは、WNR-5400XE6/2Sの双方に(2台ともに)2.5GBASE-Tの有線LANでPCを接続した。片方のPCには簡易Webサーバーを構築し、「LibreSpeed」(https://librespeed.org/)という計測ツールを設置した。もう片方のPCからWebブラウザーでそれを開き、Wi-Fiルーター間の速度を測定している。比較対象として5GHz帯でも計測した。2台のWi-Fiルーターは日経BP社内の見通しの良い場所に設置し、その距離は約10mとした。

 

今回のテスト環境の概要
画3、今回のテスト環境の概要。

6GHz帯の中継機接続は5GHz帯よりもかなり高速で、ダウンロード、アップロードともに1.5Gbpsを超えていた。5GHz帯での中継機接続の約1.7倍、5GHz帯でのWi-Fi EasyMesh接続の約1.4倍速いという結果になった。この差は前述した通り、6GHz帯は空いておりチャンネルボンディングが使いやすいことによって生じたのではないかと筆者は予想している。

Wi-Fi 6Eの6GHz帯をWi-Fiルーター同士での接続で試したところ、かなり速かった。Wi-Fi 6E対応の子機から6GHz帯を容易に利用できる状況が整う前に、先行投資としてWi-Fi 6E対応ルーターを買うのもありだろう。

WNR-5400XE6/2Sを使いWi-Fiルーター間の速度を調べた。6GHz帯の速度はかなり速い
画4、WNR-5400XE6/2Sを使いWi-Fiルーター間の速度を調べた。6GHz帯の速度はかなり速い。

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